3月8日にスパコンTSUBAME利用促進シンポジウムを大岡山キャンパス西９号館ディジタル多目的ホールで開催した。

 　東京工業大学 学術国際情報センターでは、本学のスーパーコンピュータTSUBAME2.5 の計算資源を学外に提供している。スパコンTSUBAME利用促進シンポジウムは、TSUBAMEを利用した先進的な研究や取組みを講演とポスター発表にて紹介するとともに、新しいTSUBAME3.0の概要の講演とTSUBAMEの利用者とサプライヤーによるパネルディスカッションを行った。

　シンポジウムには210名の参加があり会場はほぼ満席となった。学術国際情報センター 共同利用推進室 佐々木の司会にてシンポジウムは進められ、冒頭、東京工業大学 安藤理事・副学長より開会の挨拶があり、引き続き講演が行われた。まず、東京工業大学 科学技術創成院スマート創薬研究 関嶋ユニットリーダーより「スパコンが拓くインシリコ創薬」と題し、スパコンによる創薬開発のご講演をいただいた。引き続き、株式会社アクセルスペース 宮下様より「スパコンで読解く宇宙から見た地球」、株式会社デンソーアイティーラボラトリ 佐藤様より「高度運転支援のための大規模データの深層学習」と題し、TSUBAMEによるディープラーニングについて講演いただいた。

　コーヒーブレイクの時間を利用したポスターセッションでは、平成27年度までに利用が終了したトライアルユースおよび有償利用の課題から18件のポスター発表が行われた。各ポスターの前で終始議論が行われるなど、非常に活況な交流が行われた。

　コーヒーブレイクの後、東京工業大学 学術国際情報センター 横田准教授より「スパコンTSUBAME3.0の概要」と題し、TSUBAME3.0 の概要についての講演があった。続いて「TSUBAME3.0への期待」のテーマで利用者からの観点も含めパネルディスカッションが行われた。株式会社プリファードネットワークス 秋葉様から「大規模分散深層学習に向けた課題と最先端研究」と題しディープラーニングでの TSUBAME3.0 での高速化への期待。次に、エヌビディア合同会社 井﨑様より「ディープラーニングを加速するNVIDIA GPU」と題しTSUBAME3.0に搭載されるGPU Tesla P100 の性能についてのご発表があった。引き続き、東京工業大学 学術国際情報センター 青木教授より「ものづくり流体アプリケーションの視点から」と題し、流体アプリケーションでのGPUの活用について発表いただいた。最後に「スパコンTSUBAME3.0のサプライヤーとして」と題し日本SGI株式会社 三輪様からTSUBAME3.0システムについてのご発表いただき、パネルディスカッションにはいった。パネルディスカッションでは会場からも多くの質問をいただき活発なディスカッションが行われた。　最後に学術国際情報センター 副センター長 青木教授より総括と閉会の挨拶がなされた。

　またシンポジウムの開催に先立ち、チュートリアルセッションとして、エヌビディア合同会社の村上様による「GPUで始めるディープラーニング入門」のチュートリアルが行われた。

　今回のシンポジウムでは最近注目を集めているディープラーニングを軸に講演やチュートリアルを構成するとともに、この夏に運用を開始する TSUBAME3.0 の内容についての紹介も行い、多くの参加を得るとともに、参加された方からはTSUBAME3.0を是非を利用したいとの声があった。ポスターセッションにおいてはTSUBAME利用者との意見交換や情報収集、利用課題の成果や実情を知ることができて良かったという意見が多数あり、今後TSUBAMEの学外利用を促進に非常に有意義なシンポジウムであった。