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採択課題一覧

TSUBAME若手・女性利用者支援制度 令和2年度、平成31年度、平成30年度、平成29年度、平成28年度
TSUBAMEより若い世代の利用者支援制度 平成31年度、平成30年度随時公募、平成29年度4月期、平成28年度1,10,7,4月期、平成27年度1月期

採択実績

支援制度 利用期間 採択数 R02 H31 H30 H29 H28 H27
TSUBAME
若手・女性利用者
支援制度 ※1
通年 57 (23) 12 (5) 11 (5) 16 (6) 8 (3) 10 (4) -
TSUBAME
より若い世代の
利用者支援制度
※2
4月期 11 - 1 - 1 1 -
7月期 - - 1 -
10月期 2 - 1 -
1月期 - 3 1
合計 68 12 12 18 9 16 1
※1 JHPCN萌芽型共同研究課題として同時採択課題数を括弧内に内数で示した
※2 TSUBAMEより若い世代の利用者支援制度はH30 10月期より随時公募に制度変更した

TSUBAME若手・女性利用者支援制度

(★) JHPCN萌芽型共同研究課題として同時採択

令和2年度

平成31年度

平成30年度

平成29年度

平成28年度

TSUBAMEより若い世代の利用者支援制度

平成31年度随時公募 採択課題

平成30年度随時公募 採択課題

平成29年度4月期 採択課題

平成28年度1月期 採択課題

平成28年度10月期 採択課題

平成28年度7月期 採択課題

平成28年度4月期 採択課題

平成27年度1月期 採択課題

利用課題概要

Floris van Eerden (大阪大学)
申請課題名 T細胞活性化の構造的なメカニズム
利用課題概要  
T cells are responsible for recognising foreign antigens, killing infected or cancerous cells and maintaining cellular memory of previously encountered antigens. In this project, the key scientific question we will ask is “What is the structural mechanism of T cell activation?” To address this question, we will use large-scale coarse-grained molecular dynamics (CGMD) simulations of two interacting cells: an antigen presenting cell (APC) and a T cell. We will make use of a recently published cryo-EM structure of a T cell receptor (TCR) in complex with its co-receptors (Dong et al. Nature, 2019) bound to an MHC-epitope complex on the APC (Figure 1). In this structure the TCR has a 135-degree tilt with the membrane normal. Shown in the figure is the TCR in complex with the CD3 co-receptor bound to an antigen (MHC-epitope). It is known that when multiple TCRs engage with MHC-epitope complexes, they will cluster with other TCR-epitope-MHC complexes. We hypothesise that the conformations of these complexes will change upon clustering in order to pack tightly, and that this change drives T cell activation (Figure 2). The proposed simulation will be the first of its kind and is expected to shed light on how integration of low-affinity TCR-antigen interactions can synergistically activate a T cell, triggering the first steps of cellular immunity.
 
Tran Phuoc Duy (東京工業大学・生命理工学院)
申請課題名 八文字DNAを新し機能性生体材料の分子力学シミュレション研究
利用課題概要  
Hunting for the new functional biomaterials is among the attractive research themes. The discovery of the new nucleic acid types, so-called “hachimoji”, which can engage in the transcription and translation, are considered as a breakthrough in the field. However, physical properties of these new biopolymers as well as whether it can be in functioning when putting into the context of our biosphere is not well understood. In this proposal, we attempt to use the advanced computational methods to answer two key questions among the huge numbers related to its functioning. Specifically, we focus on:
i) Parameterization of the new force field parameter for simulating the new hachimoji residues (the hachimoji DNA, RNA)
ii) Assessing the structural properties of the DNA, RNA made by the new hachimoji residues.
iii) Structural transition of the hachimoji DNA.
iv) Assessing the ribozyme activity made from hachimoji RNA.
The outcome of this proposal will contribute greatly in material science and biochemistry field.
 
MOHINI YADAV (Chiba Institute of Technology)
申請課題名 A型インフルエンザウイルスのサブタイプ特異的薬剤耐性の分子機構に関する理論的研究
利用課題概要  
Although influenza A neuraminidase (NA) groups 1 and 2 have highly homologous active sites, influenza A NA groups 1 and 2 exhibits differential patterns of drug resistance. NA H274Y mutation confers oseltamivir resistance only in NA group 1 specific genetic background, while NA R292K mutation confers oseltamivir resistance only in NA group 2 specific genetic background. In this study, I intend to clarify the molecular mechanism for the subtype-specific drug resistance in influenza A NA subtypes using multi-scale molecular simulation. This study will help in developing novel NA inhibitors that avoid resistance in all influenza A NA subtypes.
 
飯田慎仁(次世代天然物化学技術組合)
申請課題名 たんぱく質表面に隠れている薬剤結合部位の分子動力学シミュレーション
利用課題概要  
たんぱく質はその表面のくぼみ(ポケット)にうまく他の生体分子が相互作用することで機能を発揮する。 今までポケットに結合する薬剤の設計が広く行われてきた。その一方で、ポケットは結合相手が来て露わになる場合と、立体構造揺らぎの中で一時的に形成される場合がある。そのようなポケットをクリプトサイトと呼ぶ。Cimermancicらの推算によると、疾患関連たんぱく質のプロテオームには、40%?78%程度のクリプトサイトが存在することが示されている。それゆえにクリプトサイトを標的とすれば創薬ターゲットを広げることができる。しかし、クリプトサイトの予測法およびドラッグデザイン手法はいまだ確立していない。そこで申請者は原子論的知見に基づいてクリプトサイトの予測法を示す。本課題において全原子分子動力学法(MD)を複数個のドラッガブルなクリプトサイトを持つたんぱく質に対して行う。そして既知のクリプトサイトのポケット形成過程の時定数の推定、およびアミノ酸の動的性質を理解する。加えてクリプトサイトに多く見られるアミノ酸の結合自由エネルギーへの寄与を明らかにする。特有な得られた結果をもとに未知のクリプトサイトに対する予測法を提案する。
 
亀田健(広島大学大学院理学研究科 )
申請課題名 DNAのメチル化依存的なヌクレオソームの解離動態の解析
利用課題概要  
本研究では、DNAのメチル化に依存した「ヌクレオソームのスライディング動態」の解析を行う。従来のDNAメチル化の生物学的な役割は転写開始点のメチル化による遺伝子発現の不活性化とされているが、高等真核生物でゲノムワイドに分布するDNAメチル化の役割は未だ明らかでない。共同研究者のホヤを用いた先行実験により、ホヤゲノム中のDNAメチル化には遺伝子種・領域に特殊な分布が存在すること、及びDNAメチル化に依存して、その領域上のヌクレオソーム配置の揺らぎが統計的に小さくなることが見出された。この事実より、ゲノム上の領域依存的(塩基配列依存的)なメチル化はDNAとヒストンの相互作用機構を変化させ、ヌクレオソーム動態を制御する可能性が考えられる。しかしながら、上記の力学的性質に関する詳細を実験的手法で解析するのは困難であるため、申請者は全原子分子動力学計算を用い、その詳細に関する解明を目的に研究を進めている。本課題では、ヌクレオソームのスライディングの初期段階に生じる、「ヌクレオソーム構造からDNAが解離するダイナミクス(Unwrapping)」に着目し、そのメチル化依存性を解析する。
 
Erica Cooper (国立情報学研究所)
申請課題名 Transfer Learning for End-to-End Multi-Instrument MIDI-to-Music Synthesis
利用課題概要  
We propose to create high-quality multi-instrument MIDI-to-music synthesis by extending a multi-speaker text-to-speech (TTS) synthesis approach to the musical domain. A transfer learning based approach for end-to-end speech synthesis has been shown to produce high-quality, natural-sounding synthesized speech audio in the voices of new speakers using only a very small amount of adaptation data; we propose that this method can be directly extended to multi-instrument music synthesis. The adaptability and flexibility of end-to-end neural network based synthesis makes it particularly well-suited for experiments in interpolation to create new instrument sounds, as well as in style transfer to synthesize music with different expressive characteristics. In this project, we will train and evaluate models for musical synthesis in order to determine the extent to which TTS approaches are transferrable to the music domain.
 
本田 恒太(筑波大学 理工情報生命学術院)
申請課題名 分子動力学法によるCO2ハイドレート中の分子拡散係数の算出
利用課題概要  
福島第一原発の事故、さらにパリ協定の締結により、我が国では火力発電所を維持しつつCO2排出量の削減を迫られている。そこでCCS(Carbon Capture and Storage)技術がCO2排出量削減策として有効であり、その中でも海底下の帯水層へCO2を貯留する方法が我が国においては有望である。しかし、万が一CO2が漏洩した場合、人体や生態系への影響が指摘されている。
そこで、CO2ハイドレートが注目されている。CO2ハイドレートはCO2とH2Oから構成される物質であり、漏洩して海水中へ暴露されたCO2がCO2ハイドレートに覆われることにより、漏洩を防止できると考えられる。これまでに、実験を通して実環境における漏洩抑制効果を予測できるモデルの開発が進められており、実験結果と定性的に一致している。しかし、より定量的な予測を実現するためには、CO2ハイドレートを構成する分子の拡散現象の影響を反映する必要がある。
そこで、CO2ハイドレートを対象に、分子動力学法を用いて自己拡散係数の算出を行う。計算にあたって、分子の占有率が異なる条件の計算結果を比較し、分子占有率の影響を明らかにする。また、CO2分子の移動回数をカウントし、自己拡散係数の算出方法とCO2分子の拡散メカニズムの整合性を調査する。
 
Yi Zhao (国立情報学研究所)
申請課題名 VQ-VAEを用いた声質変換のための話者表現と音響特徴量埋め込みベクトルの探求
利用課題概要  
This proposal aims at exploring speaker representations and acoustic feature embeddings for Vector Quantized Variational Autoencoders (VQ-VAE) based voice conversion. Although VQ-VAE has made greatly progress in voice conversion, there are still two obvious problems in recently proposed approaches: the speaker identity of converted speech is still different from target speaker and the prosody of generated speech is obviously distorted. In this project, in order to control speaker identity and speaking styles, we will firstly explore various kinds of speaker representations including speaker identity vectors and emotional embeddings. Further, we will encode acoustic features and integrate their embeddings into the voice conversion framework for the purpose of controlling the prosody as well as improving the quality of generated speech. We expect this project can help to build a high-quality voice conversion system which can flexibly control the target speaker’s identity, gender and also speaking style such as emotion and prosody.
 
馬 驍(海上技術安全研究所)
申請課題名 舶用酸化触媒表面における化学反応の温度影響解明のための量子化学シミュレーション
利用課題概要  
 船舶から排出されるガスには、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)など様々な有害物質が含まれており、大気放出前に処理する必要がある。例えば、還元剤にNH3を使用し、選択式還元触媒(SCR)を用いることで、理論上、NOxを無害な窒素と水に還元可能で、船舶に搭載されている。しかしながら、想定する排ガスの温度条件を外れる場合は、還元剤として用いたNH3がそのまま大気へ排出されるだけではなく、触媒反応によって温室効果が高い有害なガス種等を生成してしまう。
 本研究グループの先行研究で、触媒通過前後のガス成分を分析し、実験条件ごとに生成するガス種の濃度を定量的に測定した。これにより、実験温度によって触媒通過後のガス組成が大きく異なる結果を得た。
 本利用課題では、これまで経験的に得られている触媒表面の化学反応について、分子動力学と量子化学を組み合わせた数値計算を実行する。実験室レベルの簡易試験で用いている触媒を計算機上で再現し、試験結果と同じ条件で実行することで、計算結果を担保しながら触媒表面で起こっている現象を検証する。その中で本年度では、排ガスの温度の影響について明らかにすることを目標とする。
 
奥村直仁(情報理工学院知能情報コース)
申請課題名 多クライアントによる多種モデル描画のためのスケーラブルな並列レンダリング
利用課題概要  
近年ユーザが固有のモデルを自身のアバターとしてアップロードし、バーチャル空間でコミュニケーションを行うような仮想世界型のアプリケーションが注目されている。描画負荷が異なる多数のモデルをユーザが用いる性能の多様なデバイス上で均一な体験を提供するためにはクラウド上でレンダリングする手段が有効である。このような必要な計算資源を見積もるのが難しい仮想世界型アプリケーションのために、ユーザ視点上でモデルの映る領域のみをそのモデルを担当するノードで行い、階層的に合成する手法が既に提案されている。
しかし、複数のユーザが別々の視点からシーンを見る場合について検証されておらず、実際の仮想世界型アプリケーションへの活用の可能性は限定的である。そこで本研究では多クライアントが多種モデルを表示する場合に対してさらにこの手法を改善し、実際の効果を検証する。
 
小松勇(アストロバイオロジーセンター・国立天文台)
申請課題名 近赤外線を利用して水を酸化する色素の探索
利用課題概要  
近赤外線を有効利用して水を酸化可能な色素を探索する。近赤外光の利用が望まれている生体バイオイメージングや色素増感電池などへの応用も見据えて、クリーンな水を電気分解する系の実現可能性を密度汎関数理論に基づいて理論的に見積もるスキームを確立する。これは、酸素発生型の光合成の長波長限界を探る上でも重要である。また、近年太陽よりも有効温度が低い恒星周りの惑星が天文観測のターゲットになっており、光合成の実現可能性についてもimplicationを与えるであろう。様々な色素に対して時間依存密度汎関数法で低励起状態の吸収波長を見積もり、推定した酸化還元電位を水のものと比較する。単量体、2量体の計算から大まかなスクリーニングを行うのが本課題の主軸となっている。既に計算された色素の物性から、データ科学的なアプローチによって酸化還元特性を見積もることも目指す。
 
尾谷優子(東京大学大学院薬学系研究科)
申請課題名 非天然化合物と結合タンパク質の動的挙動
利用課題概要  
私たちは天然物の構造を模した化合物によって、天然物の機能を凌駕することを目的として化合物の設計・合成を行っている。それらの中には、アミノ酸のプロリンを模倣した三級アミドを形成し得る架橋した二環性骨格をもつアミノ酸ミミックや、タンパク質のリガンドになる脂質分子の部分構造をミミックするリガンド分子が含まれている。これらの非天然分子を部品として持つ化合物が生物活性を持つ事を明らかにしている。これらの非天然構造を含む様々な分子の溶液構造を議論する事は、高機能化の重要な基本情報であり、また相互作用するタンパク質との相互作用や複合体の構造や挙動を理解することは極めて重要である。さらにリガンドータンパク質相互作用やその基礎となるタンパク質?タンパク質相互作用も研究対象に広げる必要があり、新たなリガンド結合部位の発見にもつながる。そのため様々な化合物やタンパク質間の種々の溶液環境での複合体の安定性や結合経路の解明や複合体の動的挙動など、周辺の溶媒環境が大きく影響する系を計算しなければならず、長時間の分子動力学計算を初期値を変えて複数実行する必要である。そのため本研究支援制度に応募する。
 
兒玉 学(東京工業大学)
申請課題名 GPUを用いたアルカリ水電解の大規模二相流電気化学練成シミュレーション
利用課題概要  
アルカリ水電解を用いた水素生成による電気エネルギー貯蔵は,蓄電池を用いたシステムと比べて容易に大容量・長期保存が可能であり,同じく水素を用いる固体高分子形水電解と比べて安価にシステム構築であることから,電気エネルギー貯蔵の有力な候補である.その一方で,電極表面上に生成される気泡による過電圧により,必要以上の電圧を電極に印加する必要があり,これに起因してエネルギー効率が他方式と比べ低く,性能向上が求められている.本研究ではアルカリ水電解における過電圧の発生について,気液二相流と電気化学を連成した大規模解析により,その詳細を明らかにし,高効率化の指針を得ることを目的とする.解析に当たってはGPUを用いた計算を行うことで,大規模解析を可能にし,アルカリ水電解槽内部の多数の気泡により発生する二相流と電気場の複雑系を解析し,そのダイナミクスを明らかにする.
 
原田 隆平(筑波大学)
申請課題名 PaCS-MDで実現する環状ペプチドの膜透過シミュレーション
利用課題概要  
本研究では, タンパク質の遷移経路探索法であるParallel Cascade Selection Molecular Dynamics (PaCS-MD)を中分子環状ペプチドの膜透過プロセス抽出に適用し, 実際に環状ペプチドが膜内部に侵入する際に, どの様な構造変化をしているのかを解明することを目標とする. また, PaCS-MDから得られる原子座標トラジェクトリを解析し, 膜透過に伴いどの程度の自由エネルギー障壁を越える必要があるのかを定量的に見積もる方法論も合わせて開発する. 膜透過における環状ペプチドの構造変化の起こり易さを見積もることができれば, 実際の中分子創薬においてどの様なペプチド構造, アミノ酸配列を設計すれば, より効率的に膜透過を実現するための極めて重要な設計指針を提供可能となる. 具体的には, PaCS-MDより薬剤分子の膜透過プロセスの構造変化を解析し, マルコフ状態モデルを構築して自由エネルギー地形を計算する.
 
水口朋子(京都工芸繊維大学)
申請課題名 アミロイド線維形成の初期過程の分子動力学シミュレーション
利用課題概要  
近年の急速な高齢化に伴い、アルツハイマーに代表されるアミロイド病患者が急増し、その対策は喫緊の課題となっている。アミロイド病は、アミロイドペプチドが凝集することにより線維化し、細胞内外に沈着することが原因だと言われている。アミロイド線維は核となる構造ができると一気に凝集が進むが、核が出来る過程は実験で観測するのが難しく、その形成メカニズムは核の構造および物性を含めて分かっていない。本課題では、分子動力学シミュレーションを用いて、分子スケールでアミロイド線維形成の初期過程のメカニズムを明らかにする。線維化の初期メカニズムを理解することは、アミロイド病を早期に食い止める方法の開発に繋がり、健康社会の実現に寄与するものと考える。
 
亀田健(広島大学大学院)
申請課題名 拡張アンサンブル法を用いたDNAメチル化依存的なヌクレオソーム動態の解析
利用課題概要  
本研究では、昨年度の課題に引き続き、DNAメチル化に依存した「DNAの力学特性の変化」及び「ヌクレオソームのスライディング動態」の解析を行う。従来のDNAメチル化の生物学的な役割は転写開始点のメチル化による遺伝子発現の不活性化とされているが、高等真核生物でゲノムワイドに分布するDNAメチル化の役割は未だ明らかでない。共同研究者のホヤを用いた先行実験により、ホヤゲノム中のDNAメチル化には遺伝子種・領域に特殊な分布が存在すること、及びDNAメチル化に依存して、その領域上のヌクレオソーム配置の揺らぎが統計的に小さくなることが見出された。この事実より、ゲノム上の領域依存的(塩基配列依存的)なメチル化はDNAの力学特性、及びDNAとヒストンの相互作用機構を変化させ、ヌクレオソーム動態を制御する可能性が考えられる。しかしながら、上記の力学的性質に関する詳細を実験的手法で解析するのは困難であるため、昨年度から申請者は全原子分子動力学計算を用い、その詳細に関する解明を目的に研究している。本課題では、昨年度からの相違点として、レプリカ交換法などの拡張アンサンブル法を導入し、上記の詳細の解明を行う。
 
松倉 里紗(近畿大学大学院)
申請課題名 中分子薬とHeat Shock Protein 90 とのドッキングシミュレーション
利用課題概要  
近年、新規薬剤開発において中分子薬の研究が行われつつある。熱ショックタンパク質(Heat Shock Protein)であるHSP90は抗がん薬標的の一つであることが知られている。申請者らは次世代の抗がん標的薬のモデルとして、先行研究でHSP90のN末端部位に結合することがわかっている中分子薬のクリプタンドペプチドに注目している。これは数残基からなるペプチドにクリプタンドが結合した複合体である。また、この中分子薬は母体となっているペプチドとよく似た性質を持っているが、HSP90への結合力は中分子薬の方が圧倒的に高いことがわかっている。これまで、この中分子薬はHSP90に結合することはわかっていたが、その結合箇所や結合機構の詳細まではわかっていなかった。そこで申請者は、Replica Exchange with Solute Tempering (REST) 法を用いてHSP90に対する中分子薬のドッキングシミュレーションを実施してこの中分子薬のHSP90に対する結合部位や性能の良い理由を分子レベルで明らかにする。
 
Mohini Yadav(千葉工業大学)
申請課題名 インフルエンザウイルス薬剤耐性化の分子機構についての理論的研究
利用課題概要  
In influenza treatment, drugs that inhibit the neuraminidase (NA) activity of influenza virus, such as zanamivir and oseltamivir, have been widely used both in Japan and abroad. However, in recent years, the appearance of resistant strains against these NA inhibitors have been frequently reported. In this study, I intend to clarify the molecular mechanisms of NA inhibitor resistance in influenza virus based on multi-scale molecular simulation. This study not only makes a significant contribution to the treatment of influenza but also is expected to provide important information to understand drug resistance mechanisms of pathogenic bacteria and viruses.
 
田口 真彦(京都大学)
申請課題名 ADP/ATP透過担体の全輸送サイクルの原子論的解明
利用課題概要  
AAC(ADP/ATP Carrier transporter)はミトコンドリア内に存在する膜タンパク質であり、ADPとATPを交換輸送する役割をもつ。AACのような膜輸送体は一般に交互アクセス機構を持ち、細胞質側に開いた構造とマトリックス側に開いた構造の間を遷移することで基質輸送サイクルが行われていることが実験的にわかっている。AACのような交互アクセス機構を持つ膜タンパク質においては、構造変化の中間状態として、細胞質側とマトリックス側の両側が閉じたocclude状態が存在すると考えるのが自然であるが、まだこの構造は実験的に得られていない。そこで本研究では、このocclude状態をLRPF 法などのバイアスMDによるモデリングを行い、ストリング法により自由エネルギープロファイルを明らかにすることで、AACの全輸送サイクルにおける構造変化の分子機構を原子レベルで解明する。
 
佐山美紗(東京大学大学院)
申請課題名 膜受容体タンパク質の脂質による活性化機構の理論的解析
利用課題概要  
膜受容体タンパク質の活性化を調節する化合物は、対象受容体の機能解明のための薬理学的ツールとして有用であり、薬として用いられているものもある。受容体に結合する化合物には、受容体を活性化するもの(アゴニスト)と受容体活性化を阻害するもの(アンタゴニスト)がある。両者は化学構造上、非常に類似していることもあり、合理的な設計は容易ではない。一方で、両者が受容体に結合した際の受容体の構造変化はそれぞれ異なり、これをシミュレートすることは合理的な化合物設計につながると考えられる。
申請者は脂質を認識する膜受容体に着目し、内因性脂質の構造を有機合成化学的に改変することで、受容体に対して高い活性を有する脂質アナログを設計・合成するとともに、脂質アナログと受容体の結合モデルを計算科学により提案してきた。本申請では、まず結晶構造既知の系において、最終的に申請者が提案した結合モデルにおいて、様々な化合物が結合した際の受容体の構造変化を解析することで、化合物の受容体活性化能を予測することを目指す。脂質受容体における予測結果を踏まえて実際に新規化合物の合成を行い、計算科学と有機合成を組み合わせた研究を進めたい。
 
山田一雄(大阪大学大学院)
申請課題名 全原子分子動力学シミュレーションを用いた長鎖高分子溶融体の相溶性計算法の開発
利用課題概要  
本課題では、多成分長鎖高分子溶融体の熱力学的相溶性を原子スケールの化学的詳細を考慮して評価する手法を提案することを目的とする。その際、高分子の繰り返し構造に着目した高効率な自由エネルギー計算手法(incremental chemical potential calculation法)を用いて、従来の自由エネルギー計算で計算不可能だった長鎖高分子の化学ポテンシャル計算を行い、χパラメータを算出する。
 
馬 驍(海上技術安全研究所)
申請課題名 触媒表面における分子の付着・離脱メカニズム解明のための分子動力学シミュレーション
利用課題概要  
 船舶から排出されるガスには、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)など様々な有害物質が含まれており、大気放出前に処理する必要がある。還元剤にアンモニアを使用し、選択式還元触媒(SCR)を用いることで、理論上、NOxを無害な窒素と水に還元可能で、船舶に搭載されている。しかしながら、排ガス中の硫黄分による触媒の劣化、ススやタール等とともに硫黄化合物が触媒に付着することで処理能力が低下する。
 本研究グループの先行研究で、排ガス中の硫黄分含有量、ガス温度と触媒性能の定量的な相関を取得した。また、触媒付着物の分析により、触媒表面に存在する数nmスケールのような、特に小さな孔が閉塞してしまうことが、触媒性能低下の主たる要因であることが示唆された。一方で、この非常に小さいスケールでの付着・離脱メカニズムについてはこれまで実行されておらず、明らかとなっていない。
 本利用課題では、分子動力学シミュレーションを用いることで、触媒表面の細孔を模擬し、細孔内および細孔近傍における硫黄化合物の挙動を解析する。この解析から得られた結果を基に、これまで蓄積された実験結果との比較を行うことで、上記メカニズムを明らかにする。
 
ZHANG YOUYUAN(東京大学大学院)
申請課題名 空気レーザーシミュレーターの計算コード開発
利用課題概要  
Air-lasing is a phenomenon where an intense laser pulse is focused in air, generating a lasing signal associated with the creation of the population inversion of nitrogen molecular ions. Because of its promising applications in remote sensing and detection of pollutant species in the atmosphere, air-lasing has been a hot research topic worldwide. It has been reported that when air is ionized by an intense laser pulse, coherent emission at 391 nm is generated, associated with the population inversion in the electronically excited B state and the electronic ground X state in N2+. In order to explain this phenomenon, different ideas have been proposed on the mechanisms of the population inversion. In our group, we have demonstrated that the sudden exposure of generated N2+ to the intense laser field plays an important role in achieving the population inversion.
Previously, we interpreted theoretically the mechanism of the air-lasing by neglecting the rotational motion of N2+. However, in order to simulate experimental results, it is necessary to include the rotational degrees of freedom. In this project, on the basis of our previous model, I will develop a computational code for solving numerically the time-dependent Schrodinger equation with rotational degrees of freedom of N2+ included, and simulating the electronic, vibrational, and rotational excitations of N2+ exposed to an intense laser pulse. In the simulation, the time at which N2+ is generated by the ionization within a femtosecond laser pulse is treated as a variable parameter, and molecular alignment proceeding before the ionization is taken into account. Using this complete simulator of air-lasing, we will be able to clarify the complex population transfer processes involved in the air-lasing and design optimal conditions for the air-lasing. Furthermore, the simulator can easily be developed for predicting lasing phenomenon in which other molecular ions such as O2+ and CO2+.
 
原田 隆平(筑波大学)
申請課題名 カスケード型分子動力学シミュレーションに基づくフレキシブルドッキング法の開発
利用課題概要  
 本研究では, 標的分子と基質の複合体構造を予測可能なフレキシブルドッキング法を開発する. 従来のドッキングシミュレーションは, 標的分子の「構造揺らぎ」を考慮しない剛体探索である. 剛体探索の場合, 標的分子が構造揺らぎを利用して基質と結合する「誘導結合系」や「天然変性系」を取り扱う場合, 複合体構造の予測精度は低下する. 故に, 標的分子の構造揺らぎを考慮したフレキシブルドッキング法の開発が必要となる. 方法論の構築にあたり, 剛体探索に基づくドッキングシミュレーション結果から, 誘導結合系や天然変性系の結合様式に該当する標的分子をスクリーニングする技術を構築する. 具体的には, 応募者が開発した「カスケード型分子動力学シミュレーション」に基づくフレキシブルドッキングにより, 剛体探索から予測される複合体構造に至る形成経路を抽出して妥当性を評価し, スクリーニングする. スクリーニング後, 標的分子と基質の結合様式を予測するために, 基質高密度環境下での分子動力学計算手法を開発することで, 構造揺らぎを露わに考慮した複合体構造予測を実現し, 誘導結合系や天然変性系を守備範囲とする堅牢なフレキシブルドッキング法を構築する.
 
蒋 飛(山口大学)
申請課題名 多孔質媒体流れ解析を用いた低塩分濃度水による石油増進メカニズムの解明
利用課題概要  
東日本大震災以降、原子力発電所の稼働停止を受けて、石油などのエネルギー資源にまだ頼らざるを得ない。最近の油価下落の背景の中、コスト削減と同時に石油回収率を向上できる一石二鳥の回収方法である低濃度塩水攻法(Low Salinity Water Flooding:LSWF)が注目浴びている。低濃度塩水攻法の増油メカニズムに関しては諸説が提案されているが、まだ完全に解明されていない。
  本研究では、岩石空隙構造の形状、流体の性質などの影響を考慮し、低濃度塩水攻法の回収率向上を定量的評価する目的としたPore scaleでのマルチフィジックスモデルの開発及び大規模デジタルロックシミュレーターの構築を目指す。革新的な流体計算手法である格子ボルツマン法(LBM:Lattice Boltzmann Method)を基礎に、界面現象の物理化学モデルを加え、岩石空隙スケールの増油メカニズムを明白にする。スパコンによるGPGPU (General Purpose Graphics Processing Unit)並列計算技術を駆使し、超大規模実岩石X線CTモデルで、間隙内部の油挙動のシミュレーションを行い、回収率向上できるキーパラメータを割り出し、低濃度塩水攻法による石油生産技術の革新を図る。
 
伊藤 祐子(産総研)
申請課題名 分子シミュレーションを用いて、次世代の抗がん剤の”種”を探索する。
利用課題概要  
現在、副作用が少ない薬剤開発のため、アロステリック部位(活性サイトとは離れた部位にあるが、蛋白質の構造変化に決定的な影響を与え、最終的に機能を司る部位)での創薬研究に注目が集まっている。だがアロステリック部位は同定すら難しいため成功例は少ない。そこで本研究では、申請者が分子モーターの研究でアロステリック部位(構造変化に重要な部位)を見出したシミュレーション手法(業績1,3)を創薬研究に役立て、がんに関わるERK2のアロステリック部位に作用する分子、すなわち“創薬の種”を探索する
 
黒田 大祐(東京大学)
申請課題名 分子シミュレーションによる合理的な抗体物性予測へ向けた基盤技術開発
利用課題概要  
物質を分子レベルで自在に設計・制御する技術は、多くの研究者にとって「夢の技術」である。タンパク質の物性を自在に制御できるようになれば、基礎研究のみならず、タンパク質医薬品や新規素材開発への応用など、その社会へのインパクトも大きい。タンパク質の中でも、脊椎動物の免疫系に関わる抗体分子は、異物に対して高い特異性を持ち、生体防御を担っている。抗体に関する研究は、生体分子の特異的分子認識機構に関する知見を与えるだけではなく、近年注目を集めている抗体医薬品などの開発にもつながる。申請者のこれまでの研究成果から、免疫系に関わるタンパク質である抗体分子のアミノ酸配列-立体構造間の関係性が見出され、抗体アミノ酸配列からの精度の良い立体構造予測が可能になりつつある。そこで本課題では、立体構造予測問題から一歩先へ進み、物性に焦点を当て、合理的に抗体の物理的安定性および抗原に対する親和性を制御・予測するための手法を開発する。具体的には、分子シミュレーション(分子動力学計算・モンテカルロ計算・量子化学計算)に基づき、そのアミノ酸配列への変異の効果を予測するための基盤技術を開発する。
 
Lapizar, Maria Precious Paula Suarnaba(東京工業大学)
申請課題名 DEM-CFD modelling for dehydrogenation of methylcyclohexane on Pt/γ-Al2O3 catalyst.
利用課題概要  
The Methylcyclohexane-Toluene-Hydrogen system (MTH) consists of the hydrogenation of toluene (C7H8) and dehydrogenation of methylcyclohexane (C7H14), using a catalyst, to indirectly store hydrogen. Liquid methylcyclohexane’s superior quality is its ability to contain a high percentage of hydrogen in weight basis, and its stability in expected storage and handling conditions.
High-fidelity representation of bed particles in a Coupled Discrete Element Method (DEM) and Computational Fluid Dynamics (CFD) model enables the analysis of the interplay between catalyst properties, fluid flow, heat transfer, and species diffusion. According to Deutschmann (2008), exploiting these interactions can lead to the desired product selectivity and yield.
In this study, the packing of catalyst particles into the reactor is simulated using EDEMR. By extracting the particle locations in the reactor after the simulation, a 3D computational geometry is automatically constituted by running a Python code on RhinocerosR. The computational mesh is generated through ANSYSR’s built-in generator. All physical models, boundary conditions, and model parameters are specified in ANSYS FluentR to obtain the distributions of momentum, heat and chemical species under the given reaction conditions. A laboratory scale reactor for validation is considered following Nijemeisland et al. (2001).
The current research has a potential to develop a high-fidelity model for MCH dehydrogenation considering fluid flow, heat transfer through conduction and convection, and species diffusion with results as expected within a reasonable level of accuracy compared to both literature and experimental results.
 
湯淺 朋久(筑波大学)
申請課題名 小型高効率回転電気機械の実現に向けた伝熱流動特性の解明
利用課題概要  
回転電気機械(以下回転機)は発電機あるいはモータ等として、広く社会で使用されている。モータは国内電力消費量の半分以上を占めており、福島第一原子力発電所事故後の電力供給の逼迫を受け、一段の電力消費量の削減のため小型高効率化が求められている。回転機の小型高効率化は、渦電流やジュール熱による発熱とのトレードオフとなっている。従って、回転機の小型高効率化のためには、回転機を冷却するための伝熱流動特性の把握が必要不可欠である。
本研究グループではこれまでに、回転機の冷却性能を考慮した最適設計手法の構築に取り組んできた。そのため、回転機を模擬した実験装置を製作し、回転機内部の流動を流れの可視化実験と数値解析の両面から調べた。その結果、実験と数値解析の両方で、溝内部において渦巻く流れが観測されたが、溝内部の渦巻く流れでどうやって除熱されていくのか、その対流熱伝達機構は未解明であった。
本研究課題では,実験で計測することが困難な温度の空間分布を3次元数値解析により調べ、回転機内部の対流熱伝達機構を解明する。この解析から得られた熱伝達率を用いて、回転機の冷却性能を考慮した最適設計手法の構築に取り組む。
 
田中 賢(筑波大学)
申請課題名 初代星形成における再結合放射の影響
利用課題概要  
本研究では、GPU を用いて高速化した3次元輻射流体力学シミュレーションコード ARGOTを用いて、宇宙初期の初代星の形成過程について、これまでの研究ではほとんど取り扱われてこかなかった電離領域からの水素やヘリウムの再結合放射がどのように影響するかに着目して研究する。特に、既に初代星が存在する近傍での別の初代星形成領域で再結合放射がどのような働きをするかを詳細に研究する。一般に初代星形成領域に対して他の放射源からの電離光子はその初代星形成を抑制すると考えられるが、再結合放射は周囲のガスを電離させる一方で、加熱を起こさず、ガスの冷却と紫外線の遮蔽の役割を担う水素分子を増やす効果もある。このように再結合放射が初代星形成を促進・阻害する条件を様々な設定で網羅的に調べることを本研究の目的とする。
 
寺島 千絵子(お茶の水女子大学)
申請課題名 電子状態に基づくマテリアルズ・インフォマティクスによる色純度に優れた熱活性遅延蛍光分子の迅速設計
利用課題概要  
次世代有機 EL 材料として、省エネ発光が実現できる熱活性遅延蛍光 TADF-EL 分子が注目を集めている。だが、多くのTADF-ELは色純度が低くディスプレイ材料に適さない。畠山らは電子供与的、および吸引的なヘテロ元素を有機 π 電子系へ適切に配置することで、色純度が改善されることを示した(T. Hatakeyama et al Adv. Mater. 2016, 28, 2777.)。これは、電子遷移に関わるフロンティア軌道に「非結合性」を付与することにより、電子励起に伴う構造変化を抑えることで実現した。しかし、この二重共鳴型ヘテロ元素配置の一般則は未解明である。
本研究では、二重共鳴型 TADF-EL 分子の開発における課題を、量子化学計算によりフロンティア軌道の非結合性を定量化することで解決する。TSUBAME の演算能力を駆使した大規模 DFT 計算により、ヘテロ有機π電子系の高精度電子状態データベースを構築する。軌道の非結合性と候補分子内の元素配置を機械学習することで、二重共鳴型 TADF-EL 材料となり得る分子群をスクリーニングし、色純度に優れた TADF-EL 材料設計のための指針を見出す。
 
亀田 健(広島大学)
申請課題名 DNAのメチル化が及ぼすDNAの力学特性・ヌクレオソーム形成能変化の解析
利用課題概要  
本研究は、DNAのメチル化によって誘起されるDNAの力学特性の詳細な変化、及びヌクレオソーム形成能への影響の解明を目的とする。ゲノム中の転写開始点におけるDNAのメチル化の役割は遺伝子発現のサイレンシングであるが、それ以外の領域におけるメチル化の機能は未だ解明されていない。共同研究者のカタユウレイボヤを用いた実験により、ゲノム中の特定の領域には高頻度のメチル化が個体間で共通して見られ、その領域にはDNAがヒストンに巻きつくヌクレオソームが安定的に形成されることが明らかとなった。この事実から、DNAの配列パターンに依存したDNAのメチル化は、ヌクレオソーム構造を安定化させることを示唆している。一方で、DNAのメチル化により、どのようにDNAの力学特性が変化し、ヌクレオソーム構造が安定化する機構は未解明である。これらの詳細を現状の実験系で評価するのは大変困難であるため、全原子分子動力学法を用いての解明を試みる。
 
藤川 凛太郎(筑波大学)
申請課題名 CO2ハイドレート内部の分子輸送挙動の解明に向けた分子動力学シミュレーション
利用課題概要  
火力発電所等から回収したCO2を地中や海洋に隔離するCCS技術の実用化は必須とされている.CO2を深海に隔離する際,海水との界面に膜状の包接水和物(ハイドレート)が生成し,CO2の海水中への漏洩を抑制することが知られており,大量のCO2を長期間かつ安定して貯留可能となる.しかし,CO2ハイドレートの生成・成長過程は明らかでなく,ハイドレートを用いた本技術の実用に至っていない.本研究グループはこれまで,実験的にCO2ハイドレートの膜厚計測や水への溶解挙動の可視化を行い,物質移動理論に基づいたマクロスケールの膜厚予測モデルを構築してきた.このモデルを用いて予想した膜厚変化は,実験結果と定性的な傾向は一致したが,より定量的な予測を実現するためにはハイドレート内部におけるミクロスケールの分子輸送挙動を考慮する必要がある.本研究課題は,分子動力学計算によりハイドレート内部の構造とH2O,CO2分子拡散係数の関係を明らかとし,温度・圧力条件に対する分子拡散係数を取得する.計算結果を上記の実験結果と比較することで妥当性を検証し,マクロスケールの膜厚予測モデルに組み込むことで,分子スケールの輸送挙動を考慮した膜厚予測を行う.
 
小野 ゆり子(北海道大学)
申請課題名 遷移金属希ガス化合物の振動スペクトルに見られる強度異常の理論的解明
利用課題概要  
PtCO分子とAr原子が結合することにより、Pt-C-O変角振動の振動数は約10%青方遷移すると共に「基音強度の減衰」及び「倍音強度の増強」が起こる。既に申請者の振動配置間相互作用法(振動CI)計算から倍音強度の増強はフェルミ共鳴ではないことが確認されているが、本研究では更に「PtCO等に特徴的に見られる基音の強度減少、倍音の強度増強の化学的メカニズム」を解明する。計算対象は申請者がこれまで着目し計算を行ってきたNiCO, PdCO, PtCO、及び希ガス化合物 Ng-NiCO, Ng-PdCO, Ng-PtCO(Ng=He, Ne, Ar, Kr, Xe)である。振動波動関数、双極子曲面、電荷密度解析を行い、強度の異常について詳しく議論を行う。得られた知見をもとに、当該現象が第10族以外の遷移金属化合物、更に希ガス化合物以外にも起り得る現象であるかを考察し、振動の強度異常に関する一般則を導き出すことを目標とする。
 
阿野 大史(東京工業大学)
申請課題名 マイクロ波照射によって生起する微視的非平衡加熱状態の解析
利用課題概要  
国内産業の中で多くのエネルギー消費を伴う化学産業の触媒分野に対して,マイクロ波加熱手法は化学反応の速度上昇や反応系の低温化による大きな省エネルギー化をもたらす.しかしながらマイクロ波照射によって反応系中に生起する微視的非平衡加熱状態は,反応系中で必要な部分にのみ熱エネルギーを集中させることが出来る一方で,その不均一な温度分布のために定量的な温度解析が出来ず統合的な理解がされてこなかった.本課題では,電磁波分布シミュレーションならびに熱流速シミュレーションの連成解析手法を用いて,これを明らかにする.TUBAME3.0の大容量メモリを利用することで,シミュレーション可能な触媒粒子サイズを研究室PCの限界であったφ2 mmから実際の系を再現できるφ0.2 mm以下にすることが出来る.本課題に取り組むことで,マイクロ波加熱下での不均一な温度分布によって誘起される反応促進について統合的な理解を達成するとともに,マイクロ波加熱による熱エネルギーの集中を制御しながらこれを最大限に活用するための触媒系の設計方針がもたらされる.反応に必要な触媒活性点のみをマイクロ波で選択的に加熱できれば,劇的な触媒反応の促進効果が期待される.
 
飯田 慎仁(大阪大学)
申請課題名 全原子分子動力学法を用いた細胞外マトリックス蛋白質の相互作用解析
利用課題概要  
我々は本研究において全原子分子動力学法(MD)を用い、細胞外マトリックスを形成するラミニン蛋白質とラミニン受容体(インテグリン)との相互作用の解明に取り組む。
 細胞の周囲には細胞外マトリックスという超分子複合体が存在し、細胞・組織・器官・個体といった、生物の階層的な構造を制御している。細胞外マトリックスにはラミニンと呼ばれる蛋白質が存在し、この蛋白質がラミニン受容体(インテグリン)と結合することで細胞増殖・分化の制御していることが知られている。しかしながら、ラミニン?インテグリン間の原子レベルの詳細な結合メカニズムは明らかとなっていない。その理由の一つとして、ラミニンの固有な構造を持たない領域(γテイル)はインテグリン結合活性に重要と言われているが、その原子構造を実験的に検出することが困難である点が上げられる。
 こういった固有な構造を持たない領域に対して、従来のMDではサンプリンングが不十分になりうる。そこで我々はGPU向けに開発された独自のMDプログラムを使用し、高効率なサンプリング手法(Virtual-system coupled マルチカノニカルMD, V-McMD)を行うことで、ラミニン?インテグリン間の結合メカニズムを解明する。

 

速水 智教(大阪大学)
申請課題名 バイアスポテンシャルを用いない新規な拡張アンサンブル法を用いたタンパク質相互作用の分子動力学シミュレーション
利用課題概要  
タンパク質立体構造の効率的な構造探索の分野では、人工的なバイアスポテンシャルを導入するのが普通であり、また、ある一つの構造変数(反応座標)にそって構造変化しやすくなるようにそのバイアスはデザインされている。しかし本研究では、人工的なバイアスを用いず、かつ複数の反応座標を同時に効率的に構造探索可能な新規の手法を用いて、天然変性タンパク質等の柔軟な立体構造をもつタンパク質の自由エネルギー地形解析を行う。
近年、溶液中で柔軟な立体構造をもつタンパク質の特性が分子認識機能にとって重要であることが認識されている。実験では測定しにくいこのようなタンパク質の性質を原子レベルで明らかにするためには、計算量を削減しつつ幅広い配位空間を探索する数値計算手法が要求される。本研究では、新規に開発された拡張アンサンブル法を用いる。これは、従来の拡張アンサンブル法と異なり、バイアスを用いずに特定の反応座標に沿った効率的な構造探索が行える。また、反応座標を多次元に拡張することも容易に行える。この手法を、柔軟な立体構造をもつタンパク質に適用し、得られた自由エネルギー地形の特徴から分子認識メカニズムの解明を図る。
 
大滝 大樹(長崎大学)
申請課題名 拡張アンサンブルシミュレーションによるプリオンタンパクの構造解析
利用課題概要  
タンパク質の機能発現には固有の立体構造形成(フォールディング)が必須である。しかし,近年,タンパク質が誤って折りたたまれ(ミスフォールディング),凝集体を形成することが明らかになった。この凝集体はアミロイドと呼ばれ繊維状の構造をなす。これが身体の器官に異常蓄積すると,アルツハイマー病,パーキンソン病,プリオン病など,神経変性疾患を主とする様々な病を引き起こす。これまでの研究により,疾患とアミロイドの関係が明らかになったものの,その凝集様態(構造,プロセスなど)については未だに分かっていない部分が多い。
 本課題ではプリオンタンパクを取り上げる。拡張アンサンブル法の1つであるレプリカ交換分子動力学法を用いたシミュレーションを行い,プリオンタンパクが取り得る構造を幅広く探索する。実験で凝集様態の変化が示唆されている変異体について計算を行い,野生型の結果と比較することで変異が及ぼす影響を調べ,実験で見られる凝集様態の差異と関連付けて議論することを目的とする。
 
緑川 博子(成蹊大学)
申請課題名 高柔軟性,高生産性,高性能を実現する大規模メモリシステムソフトウエアの研究
利用課題概要  
現在,高性能計算において性能上大きなボトルネックになっているメモリアクセスについて,計算ノードの物理メモリサイズを超えるような大規模データに対しても高性能なアクセスを可能にする記憶システムの構築を目的とする.各ノードの記憶階層を生かすメモリアクセス局所性を高めた手法を導入し,DRAMメモリ, SSDや,複数ノードに分散した記憶資源を統合的に扱うためのソフトウエアシステムを設計,構築する.大規模サイズのデータを扱う処理の開発に対し,高い柔軟性と生産性を提供し,多数ノードを用いた高性能処理を実現する.
 
渡邉(尾谷)優子 ( 東京大学)
申請課題名 合成架橋プロリンを用いたペプチドの動的構造制御
利用課題概要  
抗体医薬やペプチド医薬の活性モチーフを、構造制御された短いペプチド様分子で代替することは重要な研究課題である。タンパク質?タンパク質相互作用に重要なループ構造など活性モチーフに高頻度で含まれるアミノ酸にプロリンがある。プロリンを含むペプチドはシスアミドとトランスアミドの平衡混合物となり、その3次元構造に多様性を生み出している。一方で、様々な試みがあるにもかかわらずアミド結合のシス?トランス平衡を完全に一方の構造に制御した合成プロリン誘導体は知られていなかった。申請者は、プロリンを人工的に架橋した二環性骨格を持つプロリン誘導体を有機化学合成し、形成するアミド結合のシス-トランスの完全制御に成功した。本研究では、網羅的な分子動力学計算と合成や構造解析などの実験を組み合わせて、人工アミノ酸のペプチド構造に与える動的効果を研究し実際の分子設計の指針を得ることを目的とする。
 
渡邉宙志(東京大学)
申請課題名 溶液中の水素イオンに対する分子動力学計算の開発と応用
利用課題概要  
水素イオン(H+)は生体系での様々な化学反応に関わっており、生命理解に欠かせない存在である。溶液中で水素イオンは、水との複合体H3O+やH5O2+として存在し、共有結合の生成と消滅を繰り返すことにより輸送される。そのために水素イオンのミクロスコピックな振る舞いを実験的に観測することは非常に困難である。そこで分子シミュレーションを用いた理論的なアプローチによる水素イオンの動的性質の解明に期待が集まっている。一般的に数千分子以上のからなる溶液のような巨大な系は、分子シミュレーションにおいて、QM/MM法という計算手法で取り扱われる。しかしQM/MM法は時間発展のない計算には適するが、時間発展のダイナミクス計算には不向きである。そのため現在、溶液中における水素イオンのダイナミクスの詳細は分かっていない。そこで当研究は、水素イオンのダイナミクスを取り扱えるようにQM/MM法を改良?拡張し、水素イオンが絡む現象の物理化学的性質を解明する。
 
佐山美紗(東京大学)
申請課題名 膜受容体タンパク質への脂質リガンド結合経路の理論的解析
利用課題概要  
創薬ターゲットとして重要な膜受容体タンパク質を活性化する物質の1つとして、近年、脂質が注目されている。これまでに申請者は、内因性脂質の構造を有機合成化学的に改変し、受容体に対して高い活性・選択性を示す化合物を得るとともに、脂質アナログの構造活性相関を活用して、受容体タンパク質に対する脂質の結合様式を計算科学により予想してきた。本課題では、提案した複合体構造の妥当性を、大規模計算によりさらに検証することを目的の1つとする。また、提案した結合様式から予想される化合物の受容体への結合経路に関して、計算科学を用いて考察したい。脂質あるいは水溶性化合物を結合する膜受容体に関して、立体構造既知の受容体でリガンド解離シミュレーションを行った昨年度の結果を踏まえ、本課題においては、申請者が対象とする立体構造未知の脂質受容体におけるモデル構造の構築及び、結合経路に関する仮説の提案を行う。さらに、得られた結合経路から受容体の活性を調節する化合物の設計・合成を行い、計算科学と有機合成化学を複合した研究を行いたい。
 
三木洋平(筑波大学)
申請課題名 銀河ハロー中を漂う中間質量ブラックホール探査
利用課題概要  
2015年に運用が開始された重力波検出器 Advanced LIGO によって,太陽質量の10-30倍程度の質量を持つ星質量ブラックホールどうしが合体した際に生じた重力波が検出され,星質量ブラックホールの存在が一般相対論的に確認された.一方で,銀河の中心領域には太陽質量の100万-10億倍程度の質量を持つ巨大ブラックホールが普遍的に存在する.銀河中心の巨大ブラックホールはホスト銀河と共に成長してきたと考えられているため,ブラックホールの成長過程についての理解は,銀河の進化過程を理解する上でも欠かせない.しかしながら,星質量ブラックホールと巨大ブラックホールの間をつなぐ天体である中間質量ブラックホールについては観測的にもまだよく分かっておらず,現状では巨大ブラックホールの進化過程というパズルを解くうえで重要なピースが欠けている.そこで本課題では,大規模N体シミュレーションを用いて宇宙論的な枠組みの中での天の川銀河サイズの銀河進化過程をブラックホール粒子の軌道進化と同時に計算することで,銀河ハロー内における中間質量ブラックホールの空間分布を明らかにする.
 
原田隆平(筑波大学)
申請課題名 カスケード型超並列シミュレーションに立脚した遷移経路探索法の開発
利用課題概要  
 応募者はこれまで, 生体分子の構造遷移を効率的に探索するための計算手法を開発してきた. 本研究では, 応募者が開発した, 異なる初期条件から短時間MDをリスタートし, 構造探索のサイクルを繰り返すことで生体反応経路を探索する「カスケード型超並列シミュレーション」の概念を拡張し, 現在の方法論をより定量的で堅牢な生体反応経路探索法へ発展させる. カスケード型超並列シミュレーションはこれまで様々な生体系に適用され, 遷移経路の解析が行われてきた. 現在の方法論における問題点として, 得られる遷移経路を規定している自由エネルギー評価法の開発が遅れているため, 遷移経路に対する定量的評価が困難である. 本研究では, カスケード型超並列シミュレーションにより得られる遷移経路の定量的に評価する自由エネルギー計算法を構築し, 最も実現確率が高い「最小自由エネルギー経路」を推定する. 最終目標として, 生体反応経路を定量的に予測?設計?制御可能な方法論を構築する.
 
大滝大樹(長崎大学)
申請課題名 分子動力学法によるアミロイド凝集様態の理論的解析
利用課題概要  
タンパク質の機能発現には固有の立体構造形成(フォールディング)が必須である。しかし,近年,タンパク質が誤って折りたたまれ(ミスフォールディング),凝集体を形成することが明らかになった。この凝集体はアミロイドと呼ばれ繊維状の構造をなす。これが身体の器官に異常蓄積すると,アルツハイマー病,パーキンソン病,プリオン病など,神経変性疾患を主とする様々な病を引き起こす。これまでの研究により,疾患とアミロイドの関係が明らかになったものの,その凝集様態(構造,プロセスなど)については未だに分かっていない部分が多い。
本課題では,アミロイドについて長時間の分子動力学シミュレーションを行う。野生型に加え,部分変異を導入したアミロイドについても計算を行い,変異に伴う構造安定性やアミロイド繊維間の相互作用の変化など,凝集様態の差異について詳細に調べる。これにより,アミロイドの凝集に大きく寄与するアミノ酸残基と,特徴的な相互作用を明らかにする。
 
馬 驍(筑波大学)
申請課題名 CO2ハイドレート内における分子拡散挙動の解明に向けた分子動力学シミュレーション
利用課題概要  
 火力発電所等から回収したCO2を大気から隔離・貯留することで,地球温暖化の緩和を図る技術(CCS技術)が注目を集めている.この内,貯留したCO2と海水の界面に膜状に生成する包接水和物(ハイドレート)を応用する手法は,CO2の海水中への漏洩を抑制することで,安定して長期的に貯留するための蓋としての役割を果たす.しかし,CO2ハイドレートについての生成・成長過程については依然として不明な点が多く残されている.
 本研究グループはこれまで,実際にCO2ハイドレート膜厚を計測し,その時間変化からマクロスケールの膜成長予測モデルを構築し,これによって計測膜厚を初めて定性的に予測することを可能とした.さらに定量的な膜厚予測を実現するためには,これまでのモデルで検討されなかった膜内部の分子拡散挙動までを考慮することが不可欠である.
 本研究課題では,分子動力学計算を用いることでCO2ハイドレート内における分子の拡散を解析する.これら上記の計算結果と,ハイドレート膜成長挙動の可視化観測実験の結果を比較・検討を繰り返す事で計算の妥当性を実験から検証し,最終的に,分子スケールの拡散挙動までを包括したマクロスケールの膜厚予測モデル構築を行う.
 
村岡梓(日本女子大学)
申請課題名 動的螺旋分子の螺旋反転過程と疎溶媒効果
利用課題概要  
 本研究の目的は、密度汎関数法及び分子動力学法を用いて、電子状態と動的挙動の観点から、溶液中で迅速に螺旋反転を繰り返す「動的螺旋分子」(具体的に、オルトフェニレン誘導体分子、以下OP分子 図1)の螺旋反転過程(反転反応機構)を解明し、π電子機能を捉える事である。
 OP分子は、非極性溶媒中では数種の螺旋構造、極性溶媒中では一方向に巻いた完全な螺旋構造で存在することが実験的に報告されている。申請者は、本年度まで密度汎関数法、分子動力学法を用いて、孤立系環境下のOP分子はπ/π相互作用による螺旋構造を持ち,複数の局所構造と遷移構造を経て多段階的に螺旋反転を起こす事を報告した。そこで本課題では、溶液中における螺旋反転反応の動的過程に着目し、疎溶媒効果を含んだ基底状態のOP分子の実時間シミュレーションを実施する。これにより、(1) 疎溶媒効果に基づく螺旋反転反応のポテンシャル面の構築、(2) 疎溶媒効果によって誘起される螺旋挙動、(3) 螺旋分子構造の電子論的理解に着目し、「動的螺旋分子」の物性・機能の一連の「素過程」を明らかにすると共に、π電子系の機能発現に従う有機エレクトロニクスへの展開を目指す。
 
山守優 (大阪大学)
申請課題名 疎構造学習に基づく分子シミュレーション解析手法の開発
利用課題概要  
 分子シミュレーションで得られる計算結果について、化学的・生物学的な知識に依存せずに、機械的な解釈のみによって、機能発現メカニズムに関する重要な情報を抽出するための一般的方法論は未だ確立されていない。本課題では、機械学習の分野で発展を続けている疎構造学習を分子シミュレーションに適用し、生体機能解析に重要な構造変化を記述する少数の自由度を判定する方法として提案することを目的とする。疎構造学習は、多自由度の時系列データに対して、自由度間の関係を疎行列で表す方法である。疎行列の変化から自由度ごとの異常度を求め、系に重要な変化が起きた時に、その原因となる自由度を検知することができる。この手法を分子シミュレーションの結果に適用し、重要な構造変化を含んだ計算結果からその原因となる少数の自由度を特定し、機能発現メカニズム解析の助けとする。また、申請者の開発した効率的サンプリング手法 MuSTAR MD や溶液理論に基づく自由エネルギー計算法であるエネルギー表示法の計算結果と共に併用することで、生体機能解析に有用な方法論として確立する。
 
渡邉(尾谷)優子 ( 東京大学)
申請課題名 架橋プロリンを含んだアミノ酸配列からの構造モチーフの創製
利用課題概要  
タンパク質の立体構造はアミノ酸配列によって規定されている。アミノ酸の配列を入れ替えることで様々な構造のタンパク質が形成される。一方で、構造モチーフを一義的に指定するアミノ酸配列(配列モチーフ)は存在しないといわれている。申請者は、プロリンを人工的に架橋したプロリン誘導体を有機化学合成し、形成するアミド結合のシス-トランスを完全に動的に制御し、そのホモオリゴマーが安定なヘリックス構造を形成することを解明した。この架橋したプロリン誘導体が構造モチーフを形成すのではないかと興味を持った。タンパク質のアミノ酸をこの誘導体で(単独または複数)置換すると近傍のペプチド構造にどのような動的効果を与えるか構造の網羅的計算等を用いて検討し、タンパク質もしくはペプチドにおいて構造を規定できるかどうか検討する。また新規な架橋プロリン分子の有機化学合成を行いつつ、新たなプロリンミミックスの構造モチーフ性を見積もる。有効な合成ターゲット分子を得るため、有機合成化学とタンパク質計算科学を融合して研究を行う。本研究は、抗体医薬(タンパク質)やペプチド医薬の構造構築、安定化の向上に応用可能と考えている。
 
飯田慎仁 (大阪大学)
申請課題名 独自の拡張アンサンブル分子動力学法による天然変性たんぱく質の機能解析
利用課題概要  
 本研究では独自の全原子分子動力学法(MD)を用いて、たんぱく質p53天然変性領域(IDR)の機能解析の解明に取り組む。p53は重要ながん標的たんぱく質のひとつであり、そのC末端ドメイン(CTD)はIDRであり様々な標的たんぱく質と相互作用することが分かっている。しかしCTDが如何にして多様な構造を取り、様々な相手を認識するのか、その分子機構はよく分かっていない。そのためにはCTDの構造を原子レベルで理解する必要があるが、極めて自由度が高いことから実験的な構造解析が困難である。計算においても通常のMDではCTDの多様な構造を調べることは難しい。そこで本研究は当研究室で開発された独自の方法であるVirtual system coupled マルチカノニカルMD(V-McMD)法を用いることで、平衡状態における構造集団を明らかにする。我々はこれまでV-McMD法に特化した独自のMDプログラムをGPU向けに開発してきた。本研究ではこれをTSUBAME2.5上で活用することで、p53-CTDとその標的たんぱく質であるSirtuinおよびCyclinとの分子認識機構を解明することを目的とする。
 
佐山美紗 (東京大学)
申請課題名 脂質リガンドと膜タンパク質受容体との相互作用の理論的解析
利用課題概要  
申請者は膜受容体タンパク質を特異的に活性化する内因性の脂質分子(内因性リガンド)の構造を有機合成的に改変・変換し、強力な活性でかつ受容体サブタイプ選択性のある化合物(合成リガンド)を創製している。合成リガンドの構造活性相関を理解し、有効なリガンドのデザインを行うために、計算科学によって受容体タンパク質と合成リガンドとの結合モデルを作成し、脂質リガンドの結合様式に対する仮説を提案している。提案した結合モデルによって構造活性相関を理解すると共に、モデルから新たなリガンドをデザインし、結合様式を検証すると同時に、強力な活性をもつリガンドの獲得に成功している。このような創薬化学のための計算科学の利用と共に、脂質リガンドが膜受容体にどのような経路で接近しどのように結合するか、すなわち、脂質リガンドと脂質二重膜との相互作用が膜受容体への結合にどのように関与するのかというより根源的な課題に興味をもった。受容体への結合領域へのリガンドのアクセス効率は活性と受容体サブタイプ選択性に相関しているという仮説をもち、その仮説を検証・評価するために大規模な計算科学を実施したい。
 
河村昂軌 (海上技術安全研究所)
申請課題名 荒天海象での船舶の挙動推定と安全性評価に向けた大規模数値計算手法の開発
利用課題概要  
粒子法を用いて危険な海象である荒天下での船舶の挙動推定手法の開発を行う。粒子法は、流体界面の分裂や合体を容易に表現することができるため、船体と海面の非定常連成解析に適している。しかし、船舶に対して強非線形現象である局所的な船首への海水打ち込みや、海面の大変形時の舵やプロペラの露出面積を推定するには、数億点の粒子を用いた大規模解析が必須である。
本課題では、現在のGPUを用いた船舶挙動推定法に対してMPIを適用することで、複数GPUに対応した大規模粒子計算コードの開発を行う。陽的な時間発展を用いた粒子法を採用することで、複数台のGPUを用いた計算においても良いスケーリングが得られる事が期待される。本課題の達成により、高精度な船舶挙動解析手法が構築され、荒天時の安全性評価の指標になることが期待される。
 
高柳雅俊 (山梨大学)
申請課題名 通信回数削減型 QR 分解の GPU クラスタシステム上での実装
利用課題概要  
密行列に対する特異値分解や固有値問題はデータマイニング,画像解析など多くの分野で利用される数値計算である.これらの問題は行列分解により実行される前処理,後処理が計算時間の大半を占める.本研究課題の目的は,行列分解の一つであるQR分解をスーパーコンピュータTSUBAME上に実装することである.
LAPACK,ScaLAPACKのQR分解は数値的安定性の面からハウスホルダー変換を用いたアルゴリズムが用いられている.しかし,このアルゴリズムを用いたQR分解は,大規模並列計算において通信時間が大きなボトルネックとなる問題を抱えている.一方で,近年では通信回数削減を行うQR分解アルゴリズム(CAQR:Communication Avoiding QR)が提案されている.これまでに申請者が2GPUを使用した環境でCAQRを実装し,予備実験したところ,CPU/GPU混在環境におけるCAQRアルゴリズムの有用性を確認できた.本申請により研究開発を進め,GPUクラスタシステム上で高速なQR分解プログラムを実装する.
 
河合研志 (地球生命研究所)
申請課題名 多数のクラックおよび流体を含む岩石中の地震波動伝播特性の研究
利用課題概要  
地中の岩石には細かいクラックが入っていると考えられており、それらの内部を伝播する地震波は、地下におけるクラックおよび流体(熱水やマグマ)の分布や形状によって伝播特性が異なると考えられる。これまで、クラックおよび流体を含んだ地下構造における効率の良い地震波動伝播計算手法が確立しておらず、多数の無限小のクラックを仮定して摂動論を用いていたため、観測地震波形からそれらの存在や状態変化を推定することは困難であった。そこで本研究では、クラックおよび流体が地震波動伝播特性に与える影響を第一原理的な数値実験により定量的に調べることを最終目的とする。まずその第一歩として、空隙を多数含んだ弾性体の構造を伝播する地震波の走時および振幅の特性を定量的かつ網羅的に調べる。ランダムな分布に対する数値実験から、P波速度S波速度への影響を調べ、従来の理論において、地震波の周波数帯では考慮されていなかったマクロな減衰パラメータについても系統的に調べる。数値実験の結果について、岩石実験の結果と詳細に比較することで議論し、地球科学に対する新たな知見を獲得する。
 
馬 驍 (筑波大学)
申請課題名 CO2ハイドレートの成長過程における分子拡散挙動の解明に向けた分子動力学シミュレーション
利用課題概要  
  火力発電所などの大量排出源から回収したCO2を大気から隔離し,地中や海洋に貯留することで地球温暖化の抑制を図るCO2回収・貯蔵(CCS)技術が注目を集めている.このうち,深海にCO2を圧入する手法は,大量のCO2を長期貯留可能なCCS技術として期待される.この手法では,海水層とCO2層との間にハイドレートと呼ばれる水接飽和物が膜状で生成し,このハイドレート膜がCO2の漏洩を防ぎ,安定に貯留するための蓋としての役割を果たす.しかし,CO2ハイドレート層の生成・成長過程には不明な点が多い.
  本研究グループでは,これまで,レーザー光干渉法を用いてCO2ハイドレート膜厚の経時変化を計測し,この実験結果に基づいて,膜成長を予測するマクロスケールモデルの構築に取り組んできた.このモデルは,膜厚変化は実験結果と定性的に一致したが,ハイドレート内部における分子拡散挙動の測定が困難であるため,定量的な予測が不可能であった.
  本研究課題では,分子動力学シミュレーションを用いることで,CO2ガスハイドレート内における分子の拡散挙動を解析する.この解析から得られた分子拡散係数をもとに,ハイドレート膜の成長過程を予測するマクロスケールモデルの構築に取り組む.
 
村岡梓 (日本女子大学)
申請課題名 高次螺旋分子の螺旋反転過程の理論的研究
利用課題概要  
本研究は,密度汎関数法及びab initioメタダイナミクス法に基づいて,電子状態と動的挙動の観点から分子レベルで,溶液中で迅速に螺旋反転を繰り返す「動的な螺旋分子」(具体的に,オルトフェニレン誘導体分子,以下OP分子)の螺旋反転過程(反転反応機構)を解明しπ電子機能を捉える事である.現在までに,申請者は,密度汎関数法を用いて,OP分子はπ-π相互作用による螺旋構造を持ち,複数の局所構造と遷移構造を経て多段階的に螺旋反転を起こす事を報告した.この螺旋反転反応の動的過程を解明するために,基底・励起状態のOP分子の実時間シミュレーションを実施する.これにより(1) 螺旋反転反応のポテンシャル面の構築,(2) 螺旋反転機構を明らかにする,(3) 螺旋分子構造の電子論的理解を目指し,「動的な螺旋分子」の物性・機能の一連の「素過程」を明らかにし,π電子系の機能発現に従う有機エレクトロニクスへの展開を目指す.
 
本野千恵 (産業技術総合研究所)
申請課題名 教師付動力学計算によるタンパク質-低分子結合シミュレーション
利用課題概要  
タンパク質-低分子の効率的な結合シミュレーション手法の一つに、教師付動力学シミュレーション*が提案されている。従来の手法では、限られたコンフォメーションの条件を満たす一部の膜タンパク質にしか適用できない。3次元最短経路探索法を取り入れることにより、幅広いタンパク質-低分子複合体に適用可能な教師付動力学シミュレーション手法を開発・評価する。本年度は、①計算システムの構築、②モデルタンパク質複合体の系を用いた初期構造依存性の検討、計算ステップ数の検討、システムの改良、③複数のタンパク質-低分子複合体の系を用いた結合予測精度の検証を予定している。
 
筑波大学 4年 本田恒太
申請課題名 分子動力学法によるCO2ハイドレート中の分子拡散係数の算出
利用課題概要   福島第一原発の事故、さらにパリ協定の締結により、我が国では火力発電所を維持しつつCO2排出量の削減を迫られている。そこでCCS(Carbon Capture and Storage)技術がCO2排出量削減策として有効であり、その中でも海底下の帯水層へCO2を貯留する方法が我が国においては有望である。しかし、万が一CO2が漏洩した場合、人体や生態系への影響が指摘されている。
そこで、CO2ハイドレートが注目されている。CO2ハイドレートはCO2とH2Oから構成される物質であり、漏洩して海水中へ暴露されたCO2がCO2ハイドレートに覆われることにより、漏洩を防止できると考えられる。これまでに、実験を通して実環境における漏洩抑制効果を予測できるモデルの開発が進められており、実験結果と定性的に一致している。しかし、より定量的な予測を実現するためには、CO2ハイドレートを構成する分子の拡散現象の影響を反映する必要がある。
そこで、CO2ハイドレートを対象に、分子動力学法を用いて自己拡散係数の算出を行う。計算にあたって、分子の占有率が異なる条件の計算結果を比較し、分子占有率の影響を明らかにする。また、CO2分子の移動回数をカウントし、自己拡散係数の算出方法とCO2分子の拡散メカニズムの整合性を調査する。 
大阪大学 4年 吉村 太一
申請課題名 BSSG法を用いたSiCの結晶成長の数値解析
利用課題概要   本課題の目的はBottom Seeded Solution Growth (BSSG)法を用いたSiC結晶成長の数値解析である。SiCはパワー半導体として有用な素地であり、高品質なSiCを得るためには溶液成長法が有効である。従来溶液成長法としてTop Seeded Solution Growth (TSSG)法があげられるがTSSG法では表面張力差により生じるマランゴニ対流が結晶成長を妨げていることが分かっている。そこで本課題では、マランゴニ対流の影響を小さくするために種結晶を界面から底面に移したBSSG法を用いたSiC結晶成長の電磁場、温度場、対流の数値解析を行う。 
お茶の水女子大学 4年 佐々木 美織
申請課題名 有機超空間内に包摂された蛍光性分子からの燐光発光に関する電子論的考察
利用課題概要   発光性分子として知られるナフタレンジイミド(NDI)と、傘高く剛直な分子であるトリスペンタルフルオロボラン(TPFB)を結合させると、発光性の多孔性有機結晶を作ることができる。九州大学の小野らはNDI-TPFB 多孔性結晶中に、ゲスト有機分子を導入することで、その発光特性をチューニング可能であることを実証してきた。同結晶にゲスト分子としてクロロベンゼンとブロモベンゼンを導入した場合、前者は蛍光、後者は蛍光と燐光が同時に観測されることが明らかにされている。これはゲスト分子の外部重原子効果により、NDI-TPFB 結晶の発光特性が制御されていることを示唆するものであり、有機超空間の電子状態の制御による「レアメタルフリーな」実用的燐光材料の創出を彷彿とさせる。だが、その期待とは裏腹に、発光制御メカニズムの詳細は解明されておらず、その実現には至っていない。本課題では、大規模相対論的分子軌道理論を基として、緩やかに相互作用した有機分子の集合体=有機超空間が示す蛍光→燐光変換機能に迫る。 
東京工業大学 3年 張葉平
申請課題名 流体解析を用いた人力飛行機の形状の空気力学的な性能の向上
利用課題概要   本課題の目的は、人力飛行機を製作する東京工業大学MeisterがTSUBAMEを用いた高精度な流体解析を行うことにより、飛行時の人力飛行機の周りの空気の流れを適切に評価し、実際の設計へ反映させ、更なる人力飛行機の性能を向上させることである。 
東京大学 3年 奥田花也
申請課題名 bruciteの(001)面における摩擦特性の決定
利用課題概要   本課題の目的は、層状鉱物bruciteの層境界(001)面の真の接触面における摩擦特性を、第一原理電子状態計算によって理論的に推測することである。層状鉱物の層境界(001)面における摩擦特性は層状鉱物の摩擦特性を支配する要因の一つである。またbruciteは断層中に多く存在する蛇紋岩に含まれているため、bruciteの摩擦特性を決定することは断層のすべり挙動の理解に貢献することが期待できる。さらに、bruciteは単位格子中の原子数が比較的少なく、計算の妥当性のチェックなど様々な計算を行うことができる。
 本課題では方向にbruciteの2層を考え、2層の中間の(001)面をすべり面として結晶の対称性を考慮して複数のすべり方向を仮定する。そのすべり方向に約0.1Å刻みで下の層を固定して上の層をずらし、その際のポテンシャルエネルギーを第一原理電子状態計算を用いて求める。さらにポテンシャルエネルギーの変位微分を求めることですべり面に垂直にかかる力fzとすべり面に水平な摩擦力ffを求める。これらにより真の接触面での摩擦特性を決定し、他の層状鉱物の計算結果および実験データとの比較を行う。 
東京工業大学 2年 張葉平
申請課題名 流体解析を用いた人力飛行機の形状の空気力学的な性能の向上
利用課題概要   本課題の目的は、人力飛行機を製作する東京工業大学MeisterがTSUBAMEを用いた高精度な流体解析を行うことにより、飛行時の人力飛行機の周りの空気の流れを適切に評価し、実際の設計へ反映させ、更なる人力飛行機の性能を向上させることである。 
東京大学 4年 山谷里奈
申請課題名 波形解析による深発地震の震源パラメータと地球内部構造の同時推定
利用課題概要   本研究の目的は、地震波形インバージョン手法を用いて深発地震の震源パラメータと地球内部構造を同時に推定することである。ここで震源パラメータとはモーメントテンソル及び震源時間関数である。まず、申請者が開発したモーメントテンソル推定のソフトウェアをモーメントテンソル及び震源時間関数の両者が推定できるように拡張する。次に、開発したソフトウェアをGSN(Global Seismographic Network)観測網の波形データに適用し深発地震の震源パラメータを推定し、既存の研究結果との比較を行い精度を確認する。さらに、震源パラメータ推定のためのプログラムを研究グループで開発された「詳細な地球内部構造推定のための波形インバージョン手法」のプログラムに組み込み、地球内部構造と震源パラメータを同時に推定できるようにする。これをBorgeaud et. al. (2016, JpGU)の中米下の最下部マントルの構造推定で実際に用いられた波形データセットに適用し、震源パラメータが地球内部構造推定に与える影響を見積もる。最後に、得られた結果に基づいて深発地震の発生理由に対して地球科学的な知見を得ることを目標とする。 
東京大学 3年 奥田花也
申請課題名 bruciteの(001)面における摩擦特性の決定
利用課題概要   本課題の目的は、層状鉱物bruciteの(001)面における摩擦特性を第一原理電子状態計算を用いて求めることである。層状鉱物の層境界(001)面における摩擦特性は岩石の摩擦特性を支配する要因の一つであり、またbruciteは断層中に多く存在する蛇紋岩に含まれているため、bruciteの摩擦特性を決定することは断層のすべり挙動の理解に貢献することが期待できる。
 本課題ではbruciteの2層を考え、2層の中間をすべり面として複数のすべり方向を仮定する。その方向に0.1Å刻みで2層をずらし、その際のポテンシャルエネルギーを第一原理電子状態計算を用いて求める。さらにポテンシャルエネルギーの変位微分を求めることですべり面に垂直にかかる力f_zとすべり面に水平な摩擦力f_fを求める。これらにより摩擦特性を決定し、他の層状鉱物の計算結果および実験データとの比較を行う。 
東京大学 4年 山谷里奈
申請課題名 波形解析による深発地震の震源パラメータと地球内部構造の同時推定
利用課題概要   本研究の目的は、地震波形インバージョン手法を用いて深発地震の震源パラメータと地球内部構造を同時に推定することである。まず、申請者が開発したモーメントテンソル推定のソフトウェアをモーメントテンソル及び震源時間関数の両者が推定できるように拡張する。次に、開発したソフトウェアをGSN(Global Seismographic Network)観測網の波形データに適用し深発地震の震源パラメータを推定し、既存の研究結果との比較を行い精度を確認する。さらに、研究グループで開発された「詳細な地球内部構造のための波形インバージョン手法」のプログラムに組み込み、地球内部構造と同時に推定し、震源パラメータの地球内部構造推定に与える影響を見積もる。最後に、得られた結果に基づいて深発地震の発生メカニズムに対して地球科学的に考察する。 
東京工業大学 2年 井上毅哉
申請課題名 人力飛行機における設計精度向上のための流体解析
利用課題概要   東京工業大学Meisterでは、人力飛行機の製作を行っています。
人力飛行機において、空力は非常に大切なファクターですが、これまでサークルが保有していたマシンで行っていた流体解析は、パーツごとに行うのが精一杯でした。
TSUBAMEを利用して人力飛行機の機体全てに対し、より高精度な流体解析を行うことで、今までは知り得なかった機体の空力的な問題点を把握し、それを解決することによってより良い機体設計を実現することを目的としています 
利用課題代表者 東京工業大学 2年 井上毅哉
申請課題名 人力飛行機における設計精度向上のための流体解析
利用課題概要   東京工業大学Meisterでは、人力飛行機の製作を行っています。
人力飛行機において、空力は非常に大切なファクターですが、これまでサークルが保有していたマシンで行っていた流体解析は、パーツごとに行うのが精一杯でした。
TSUBAMEを利用して人力飛行機の機体全てに対し、より高精度な流体解析を行うことで、今までは知り得なかった機体の空力的な問題点を把握し、それを解決することによってより良い機体設計を実現することを目的としています。 

 

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