SuperCon'96 本選結果 8月15日正午に参加チームの本選課題解答プログラムの提出を締め切り、それぞれを単独でセンターの スーパーコンピュータ上で動作させて、その結果を評価していった。8月15日は東京で最高気温が39.7℃ に達する観測史上2番目の猛暑となり、クレイの冷却が十分に行えずダウンするといったアクシデントが あったためもあって、審査は夜を徹して行われることになった。その結果は以下の表に示すとおりである。 すべての利用者がセット 順位 チ-ム名 高等学校名 メニュ-をそろえ終わる 備考 までに要する時間 1位 nada-b 灘高等学校 6540単位時間 2位 yotonkai 関西大学第一高等学校 6547単位時間 3位 nada-a 灘高等学校 7932単位時間 4位 apcc 麻布高等学校 18801単位時間 5位 core 本郷高等学校 8220単位時間 部分解 6位 att 長岡高等学校 ---- 158ステップで勇み足 7位 kitsune 桐朋高等学校 ---- 91ステップで勇み足 8位 F. Maxim 海外からの個人参加 ---- 74ステップで勇み足 9位 wasky 岡山高等学校 ---- 結果を出せず 9位 sakugami 東工大付属工業高等学校 ---- 結果を出せず 9位 tanuki 桐朋高等学校 ------ 結果を出せず 9位 nct 沼津工業高等専門学校 ------ 結果を出せず 同一順位は高等学校名の50音順 「勇み足」とは、本来なら先に進めない状態で先に進んでしまった状態を指す。 この結果を見てわかるとおり、今回の課題ではすべてのカフェテリア利用者を出口まで誘導できないチーム が多かった。これは利用者に対する指示を計算するためのクレイ上の計算時間の制限の問題ではなく、 もっぱらカフェテリア内部(特に入口近傍)で複数の利用者が干渉しあって進めなくなる状況に陥ったため である。なお、海外からの参加者であるF. Maxim君の結果については多少、割増してとらえる必要があろう。 何故なら、ネットワークを介してプログラムを開発するのと、多くの仲間のなかでわいわいやりながら回答 を作るのとでは、ヒントやインスピレーションを得る機会が決定的に異なるからである。 このような審査結果をもとに、8月16日に参加チーム、引率者、マスコミ関係者を交えて表彰式が執り行 われた。表彰に先立ち、生命理工学部生体分子工学科の櫻井助教授に生体分子の構造決定におけるスーパー コンピュータの役割に関する講演をいただき、昼食を挟んで各チームの解答プログラムのデモランを楽しい アニメーションと高校生自らの説明を加えて実施した。その後、上記の審査結果が発表され、表彰式に 移った。表彰式では、本選に駒を進めた海外からの参加者を含む12チーム全員に表彰状が贈られるととも に、第1~3位のチームに表彰状と記念の盾が、また本選解答作成におけるチームワークの良さを評価して チームcoreに特別賞が贈られた。なお、優勝したチームnada-bには、昨年同様、副賞として日本クレイ(株) から来る11月17~22日に米国ピッツバーグで行われるスーパーコンピューティング'96への招待状が授与され ている。