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TSUBAME共同利用 採択状況および採択利用課題

採択情報

平成29年度平成28年度平成27年度平成26年度平成25年度平成24年度平成23年度平成22年度平成21年度

採択状況一覧

通算採択実績

区分 カテゴリ 採択数 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22 H21
学術 成果公開 128 13 25 23 22 17 14 9 4 1
産業 成果公開 63 4 8 8 10 8 9 7 6 3
非公開 78 14 13 10 12 10 4 6 7 2
合計 269 31 46 41 44 35 27 22 17 6

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平成29年度申請状況

平成29年度申請実績

利用区分 カテゴリー 応募数 採択数
学術利用 成果公開 13 13
産業利用 成果公開 4 4
成果非公開 14 14
合計 31 31

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平成29年度採択利用課題一覧 (学術利用)

番号 所属機関 申請課題名 (課題概要) 利用区分
(カテゴリー)
利用 口数 状況
1 埼玉県環境科学国際センター 廃棄物最終処分場における間隙内流体挙動の数値解析 学術利用
(成果公開)
1 利用中
2 東京大学空間情報科学研究センター 高解像度画像を使った広域の家屋及び道路の深層学習による自動判別システムの開発 学術利用
(成果公開)
1 利用中
3 成蹊大学 高性能計算向け分散メモリ・ストレージ統合システムの研究 学術利用
(成果公開)
5 利用中
4 大阪大学蛋白質研究所 蛋白質-リガンド複合体の会合・解離の速度定数を平衡論から導く 学術利用
(成果公開)
8 利用中
5 東京大学情報理工学系研究科 先進的ステンシル・コード技術 学術利用
(成果公開)
1 利用中
6 法政大学情報科学部 LRnLAアルゴリズムを用いた物理シミュレーション 学術利用
(成果公開)
1 利用中
7 千葉工業大学工学部応用化学科 凝集誘起発光についての理論的研究 学術利用
(成果公開)
2 利用中
8 京都大学 知識に基づく構造的言語処理の確立と知識インフラの構築 学術利用
(成果公開)
8 利用中
9 理化学研究所計算科学研究機構 深層学習を利用したリアルタイム宇宙天気予報システムの開発 学術利用
(成果公開)
1 終了
10 大阪府立大学 解析的壁関数を用いた格子ボルツマン法による高レイノルズ数乱流解析コードの開発 学術利用
(成果公開)
1 利用中
11 情報通信研究機構 大型ホログラム記録とホログラフィックディスプレイのためのホログラム計算 学術利用
(成果公開)
3 利用中
12 国立感染症研究所 抗インフルエンザウイルス広域中和抗体のエスケープ変異株由来表面糖タンパク質の構造解析 学術利用
(成果公開)
2 利用中
13 産業技術総合研究所 RWBC-OIL スマートデータセンター実現に向けたデータ解析基盤の構築 学術利用
(成果公開)
1 利用中

平成29年度採択利用課題一覧 (産業利用)

番号 所属機関 申請課題名 (課題概要) 利用区分
(カテゴリー)
状況
1 株式会社豊田中央研究所 自動車搭載ミリ波レーダの超大規模電磁界シミュレーション 産業利用
(成果公開)
利用中
2 清水建設株式会社 建築環境の評価に向けた気候変動データの高度化 産業利用
(成果公開)
利用中
3 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所 ワイヤレス電力伝送による漏えい電波の環境解析技術の研究開発 産業利用
(成果公開)
利用中
4 スタッフ株式会社 大容量データ伝送用ミリ波アンテナのレドームに関する基礎検討 産業利用
(成果公開)
利用中

平成29年度採択利用課題一覧 (産業利用:成果非公開)

番号 所属機関 申請課題名 (非公開) 利用区分
(カテゴリー)
状況
1 株式会社豊田自動織機 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
2 株式会社リコー (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
3 古河電気工業株式会社 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
4 太陽ホールディングス株式会社 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
5 株式会社中電シーティーアイ (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
6 トヨタ自動車株式会社 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
7 株式会社クレハ (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
8 株式会社デンソー (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
9 トヨタ自動車株式会社 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
10 協和発酵キリン株式会社 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
11 株式会社リコー (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
12 新日鉄住金化学株式会社 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
13 信越化学工業株式会社 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中
14 アルテアエンジニアリング株式会社 (非公開) 産業利用
(成果非公開)
利用中

利用課題概要

組織名 : 埼玉県環境科学国際センター
申請課題名 廃棄物最終処分場における間隙内流体挙動の数値解析
利用課題概要   廃棄物の研究において、埋立地からの浸出水やガスの量を予測し、制御するというのは埋立地の設計及び管理における最重要課題である。これら流体の流動挙動は、埋立層間隙の幾何構造と密接な関係があり、間隙内での渦の発生や界面張力等の効果として流動挙動に大きく影響しているものと考えられる。そこで、本利用課題では、間隙の幾何構造に焦点を当て、廃棄物試料から取得したマイクロフォーカスX線CT画像に基づいた間隙内流れの数値シミュレーションを行い、間隙構造の特徴と流れの関連性を明らかにすることにより、埋立地における浸出水・ガスのより高品質な予測制御の実現を目的としている。 
組織名 : 東京大学空間情報科学研究センター
申請課題名 高解像度画像を使った広域の家屋及び道路の深層学習による自動判別システムの開発
利用課題概要   社会基盤情報として人口分布,交通ネットワークの整備は必須であるが,途上国,僻地の情報基盤の整備は乏しい状況にある。オープンな利用が広まりつつある高解像度衛星画像から機械学習,ディープラーニングなどの手法で家屋や道路ネットワークを自動検出し、地図データと利用することによる広域・社会基盤情報の整備に寄与する。 
組織名 : 成蹊大学
申請課題名 高性能計算向け分散メモリ・ストレージ統合システムの研究
利用課題概要   現在、高性能計算において性能上大きなボトルネックになっているメモリアクセスについて、1ノードの物理メモリサイズを超えるような大容量なデータに対しても高性能なアクセスを可能にするような記憶システムの構築を目的とする。各ノードにあるDRAMメモリ, SSDなどを用い、複数ノードに分散した記憶資源を統合的に扱うためのソフトウエアシステムを設計、構築するための実装実験、性能評価を行う。特に記憶階層について着目し、各ノードの計算処理において、メモリアクセス局所性を生かすようなアルゴリズムを導入し、大規模サイズの問題に対して、多数ノードを用いて高速処理できるようにすることを目指す。応用分野は、当面、ステンシル計算、行列計算などの典型的な科学技術計算などとする。 
組織名 : 大阪大学蛋白質研究所
申請課題名 蛋白質-リガンド複合体の会合・解離の速度定数を平衡論から導く
利用課題概要   蛋白質やDNAなど生体高分子の大規模構造変化(状態間遷移)の速度定数を計算科学的に求めるには、通常、大規模な計算を長時間行い、カノニカル分子動力学(MD)シミュレーションを実行する必要がある。一方、拡張アンサンブル法では大規模構造変化が容易に起き、平衡状態の自由エネルギー地形を導く。そのかわり速度定数は算出できない。本研究では、拡張アンサンブル法の一つである VcMD 法を行い、算出不可能のはずの速度定数を導く。蛋白質とリガンドの結合状態、解離状態、その他中間状態の間の遷移の速度定数を求める。以上の研究により、構造探索効率の良い拡張アンサンブル法から平衡論だけでなく速度論も議論できる手法を確立する。 
組織名 : 東京大学情報理工学系研究科
申請課題名 先進的ステンシル・コード技術
利用課題概要   我々が研究開発している高度なステンシル計算のためのドメイン専用言語 (DSL) の実行時性能を検証するためにTSUBAMEを利用する。また検証するとともに研究開発しているDSLの性能改善をおこなう。本研究は日独共同研究で、ステンシル計算のための外部 DSL と内部 DSL を開発し、外部DSLでは記述能力と性能を、内部DSLでは利用の容易さを追求する。また両者の実行時性能の比較をおこなう。TSUBAMEを用いることで、日本最大級のGPU搭載スーパーコンピュータで実用的な性能を達成するDSLの実現手法の研究をおこなう。これに加え、DSLの実行基盤として分散システムの資源管理システムの研究もおこなう。 
組織名 : 法政大学情報科学部
申請課題名 LRnLAアルゴリズムを用いた物理シミュレーション
利用課題概要   マルチスケールに関する物理シミュレーションには様々な出離の課題がある。もちろん非常に多い格子点が必要となるので、大きな計算コストがかかる。解析領域のデータが大きくなるので、データアクセス時間が問題となり、並列化の際データ通信は計算より長い時間がかかる。LRnLA (Locally Recursive non-Locally asynchronous) アルゴリズムは空間積分と時間発展を部分的に同時に行うことを特徴としている.具体的にはシミュレーションにおける空間積分と時間発展の依存性をグラフの分析から最適な計算順序を求めている。これによりデータ通信と計算性能の不均衡に柔軟に対応できる。我々は2015年度よりFDTDコードに関して実施しパーフォマンスの評価を行っており、2016年度はOLED素子、WGM共振器に関する解析をμmサイズで実行可能であることを示すことができた。今後、様々な物理シミュレーションに対して同様に適用していきたい。 
組織名 : 千葉工業大学工学部応用化学科
申請課題名 凝集誘起発光についての理論的研究
利用課題概要   近年,希薄溶液中などの分散した状態では蛍光をほとんど出さないが,固体中などの凝集した状態では強く発光するという,これまでにない特異な光物性を示す蛍光色素分子が注目を集めている.シアノスチルベン誘導体であるCN-MBEはこのような凝集誘起発光現象を示す代表的な蛍光色素分子であり,溶媒中に分散した状態での蛍光量子収率はほぼゼロだが,凝集して微粒子となった状態では強い蛍光を発する.本研究ではCN-MBEなどの蛍光色素分子が示す凝集誘起発光現象の理論的解析に取り組み,そのメカニズムを明らかにする. 
組織名 : 京都大学
申請課題名 知識に基づく構造的言語処理の確立と知識インフラの構築
利用課題概要   テキストは、専門家によるデータの分析結果や解釈、ステークホルダーの批判・意見、種々の手続きや ノウハウなどが表出されたものであり、人間の知識表現の根幹である。テキストとして表現された知識を 計算機によって抽出・関連付けすることができれば、社会における知識循環を円滑化し、異なる分野間での知識の相互関連性の発見や、新しい知識・法則の発見を支援することが可能となる。言語情報処理はウェブをはじめとする大規模テキストの活用によって長足の進歩を遂げつつあるが、本利用課題ではこれをさらに発展させ、知識に基づく頑健で高精度な構造的言語処理を実現し、これによって様々なテキストの横断的な関連付け、検索、比較を可能とする知識インフラを構築する。 
組織名 : 理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 深層学習を利用したリアルタイム宇宙天気予報システムの開発
利用課題概要   我々は、公開されている太陽観測データをリアルタイムに取得し、深層学習を利用することにより、 24時間未来までの太陽フレアの発生を、数分ごとに自動的に予報するシステムを開発している。これにあたっては、深層学習のハイパーパラメータのチューニングのために、数多くのモデルを並行して試験することが必要である。本研究では、このためにTSUBAMEを利用し、次のようなモデルを試す。
1.Recurrent Neural Network(RNN)を用い、太陽連続画像をWavelet変換等で前処理して作った時系列データを入力として、時系列の終了時点から24時間将来までの太陽X線フラックスなどの予測を行う。
2. Convolutional Neural Network(CNN)を用い、ある時刻での太陽画像を入力として、そこから24時間将来までの太陽X線フラックスなどの予測を行う。
3. 2.で訓練済みのCNNを利用し、入力層から中間層までの演算を1.の前処理の部分で用いて時系列データを作ることで、CNNとRNNを組み合わせて予測を行う。 
組織名 : 大阪府立大学
申請課題名 解析的壁関数を用いた格子ボルツマン法による高レイノルズ数乱流解析コードの開発
利用課題概要   計算密度が高く並列計算に適した格子ボルツマン法(LBM)は,その解析精度や妥当性向上の為に多くの研究が行われ,目覚ましい発展を遂げてきた.特に,乱流解析においては,高い精度で安定に解析が可能である衝突演算モデルや,乱流モデルを用いた解析手法,高い精度を持つ局所細密格子法などが提案されてきた.しかし,LBMは等間隔格子を用いるために,船舶や航空機周りなどの高いレイノルズ数を対象とする乱流解析においては,壁面近傍の格子解像度の不足は原理上避けることができない.そこで,本課題では,これまで差分法などの乱流解析で広く用いられてきた壁関数法を格子ボルツマン法に組み合わせることで,LBMによる高いレイノルズ数乱流解析を可能とすることを目的とする.本研究では,壁面近傍の流れに対数則を仮定する標準的な壁関数法ではなく,解析的に積分した運動量式を用いることで剥離・再循環・衝突流れを含む複雑な流れ場を汎用的に扱える解析的壁関数法を,LBMに組み合わせる.開発した手法を用いて,高レイノルズ数チャネル乱流解析などの解析を行い,妥当性の詳細な検証を経て,複雑な流動場での応用解析を目指す. 
組織名 : 国立研究開発法人情報通信研究機構
申請課題名 大型ホログラム記録とホログラフィックディスプレイのためのホログラム計算
利用課題概要   情報通信研究機構(以下NICT)では,光の情報を自在に透明なフィルムに記録するホログラムプリンタやホログラムプリンタによって作成したホログラムを投影スクリーンとするホログラフィックディスプレイに関する研究開発を行っている.本利用課題では、現状の記録環境で10cm四方辺り約700億画素となるホログラムデータの計算や上述のホログラフィックディスプレイに表示するための8K解像度(7,680×4,320画素)で動画対応のホログラムデータの計算をTSUBAME2.5および3.0の高い並列処理能力と潤沢なメモリ資源を有効に活用することで実現する。また、生成されたデータを数値シミュレーションおよび光学的に記録・再生することによりその妥当性を評価する。 
組織名 : 国立感染症研究所
申請課題名 抗インフルエンザウイルス広域中和抗体のエスケープ変異株由来表面糖タンパク質の構造解析
利用課題概要   現行の季節性インフルエンザワクチンの効果は限定的で、効果の向上が求められている。ワクチンの効果を高めるためには、その作用機序を理解することが重要である。インフルエンザワクチンの有効性はウイルス粒子表面の糖タンパク質に対する抗体誘導により規定される。我々は、これまでに様々なウイルスを中和できる広域中和抗体を単離した。さらに、粒子表面の糖タンパク質ヘマグルチニン(HA)の1アミノ酸変異で、抗体の感染阻止効果が低下することを見出した。そこで本研究では、分子動力学法を用いて、HA変異による構造特性変化を明らかにする。解析には、ウイルス粒子上で機能する糖鎖付加型HA三量体全構造を用いる。 
組織名 : 産業技術総合研究所 RWBC-OIL
申請課題名 スマートデータセンター実現に向けたデータ解析基盤の構築
利用課題概要   我々は、スパコンや大規模データセンターを構成する各種サーバ、ストレージのログやセンサーデータを解析し、電力消費の最適化や資源利用率向上を行い運用にフィードバックするシステムの研究開発を進めている。本課題では、オープンデータとして公開されているTSUBAME2.0のGangliaデータを主な対象とし、データの統計処理や相関性の解析を行い、ログ・センサーデータ蓄積用ストレージの設計、機械学習/深層学習を用いた大規模センサーデータの解析方法についての調査を行う。 
組織名 : 株式会社豊田中央研究所
申請課題名 自動車搭載ミリ波レーダの超大規模電磁界シミュレーション
利用課題概要   歩行者、自動車、障害物との衝突回避による更なる安全性向上を実現するキーテクノロジとして車載ミリ波レーダが製品化されている。
ミリ波レーダは、77GHzの高周波電磁波のドップラー効果によって、自動車と対象物の相対位置・速度を高精度に測定する。一方で、その波長は文字通り数ミリと短い為、降雨等が原因で電力減衰し易い。また周辺の構造物、例えばアンテナレドーム、車体フレーム、バンパー、フロントグリル等による電波散乱も生じやすく、それらは全て測位誤差要因となる為、設計段階の電磁界シミュレーションに際し、レーダ周辺の車体構造物を忠実にモデル化することが望ましい。しかしながら、波長比でのメッシュ分割を要する電磁界解析においては、限定的な構造であってもミリ波伝搬を再現するのに非常に多くのメッシュ分割数を必要とし、一般的なコンピュータでは計算実行が困難である。スパコンTSUBAMEにおける本課題遂行に際し、商用電磁界解析ソフトCST STUDIO SUITEを駆使し、最大20億メッシュに及ぶ超大規模モデルについて解析を試みる。 
組織名 : 清水建設株式会社
申請課題名 建築環境の評価に向けた気候変動データの高度化
利用課題概要   異常高温,集中豪雨,大型台風などの極端な気象現象による人的,経済的損失は極めて大きい.近年の気候変動として地球温暖化の影響で一部の地域ではその気象現象の強度はすでに増加傾向にあり,今後も世界規模でさらに増えていく.特に,2080年頃になると「スーパー台風」の強度を保ったまま日本に接近する台風が発生し,そのなかにはこれまで経験したことのない台風が上陸する可能性がある.これらにより既存のライフラインやインフラを破壊して,都市機能を停止させる等,甚大な被害をもたらす恐れがある.最大限の緩和策でも完全に避けられない事象である.日本政府では,「気候変動の影響への適応策」に関して既に適応計画策定検討を着手し始めた.建設分野では,その気候変動を考慮する必要があり,適用策などの提案は喫緊の課題である.本利用課題は,TSUBAMEスパコンで構築した気候変動データベースの活用や気象解析モデルとの連携解析による高度化および大規模データの並列処理を行い,過去に自然災害を引き起こした気象現象の要因分析および,将来の気候変動による極端気象現象や施設に影響する外力等の変化を評価する.気候変動がもたらす建築環境への影響を明らかにする. 
組織名 : 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所
申請課題名 ワイヤレス電力伝送による漏えい電波の環境解析技術の研究開発
利用課題概要   近年、電波の利用方法の一つとしては、電力伝送技術が注目されており、ワイヤレス電力伝送(WPT)システムとして、電気自動車の充電用途のものや、家電機器への給電用途のものなど、多種多様な方式開発が進められている。
このようにWPT システムの使用範囲は住宅内に限らず屋外の駐車場も含めた広い空間が想定されている。本環境でWPT システムを実現するには、WPT システムから発生する漏えい電波が、近接する機器に与える影響を分析する必要があるが、数十kHz~数GHz の周波数領域の漏えい電波の強度分布をシミュレーションにより評価する技術の確立が必要である。
そこで、H28 年度の利用課題において、WPT システムや各種電子機器などが密集して設置される環境の一つとして、戸建て住宅や近隣住宅を含む空間に漏えい電波発生源(WPT)を配置し、漏えい電波の分布状況を解析及び定量検証を行ってきた。本年度は、これまでの住宅と異なる設置条件として、複数台の電気自動車用ワイヤレス充電設備を備える大規模な商業施設を想定し、施設内外における漏えい電波の分布状況を解析する。これにより、将来のWPT システム普及で想定される課題を把握する。 
組織名 : スタッフ株式会社
申請課題名 大容量データ伝送用ミリ波アンテナのレドームに関する基礎検討
利用課題概要   近年モバイル端末の普及、およびコンテンツ情報量の増大に伴い、通信ネットワークトラフィックが爆発的に増大しているなか、ミリ波帯を使用した大容量のデータ伝送が可能な無線装置が注目されている。使用されるアンテナにおいては、通信距離の確保、通信の安定化などを実現する為に、アンテナに求められる性能は極めて高く、また屋外で使用するため、気象の悪条件も考慮したものが必要となる。本課題では、気象の悪条件からアンテナを保護する役割をもつレドームに注目、ミリ波帯におけるレドームの影響を電磁界解析で明らかにする。26、27、28年度の利用で、レドームの厚み、レドームの比誘電率、検討アンテナとレドームの間隔について検証を行ってきた。その時のレドームの形状は平ら形状としていたが、気象の悪条件(風)などを考慮した場合、レドームは曲面とした方が機構面で有利と考えられる。ただし、アンテナ利得、指向性も考慮した形状とする必要がある為、本年度は、特にレドーム形状を曲面にした時の、アンテナ利得、指向性の変化について検証を行う。 
組織名 : 理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 高性能・高生産性を達成する垂直統合型アプリケーションフレームワーク
利用課題概要   我々はステンシル計算の代表例である気象気候計算についてエクサスケールに向けた計算技法の開発、およびそれを実際にシステム上で高効率かつ高生産性を有した形で実現するためのプログラミング技術について日独仏共同研究として進める。具体的にはこれまで我々が開発してきたステンシル向けフレームワークについて、日独仏にて開発が進められている気象気候モデルへの適用評価を行い、開発してきたソフトウェアの有用性の実証を狙う。特に、1) 日独仏の気象気候モデルの調査、2) 評価用カーネルの整備、3) フレームワークの日独仏気象・気候モデルへの適用、に取り組み、気象気候モデルの現状の課題およびエクサスケールに向けた高度化の方向性を確立することを目的とする。 
組織名 : 都城工業高等専門学校
申請課題名 超電導電力ケーブルの交流損失解析
利用課題概要   電気回路モデルと2次元有限要素法を組み合わせた準3次元電磁界解析法により、超電導電力ケーブルの交流損失を計算し、新たな損失低減法を開発する。今年度の計算対象は、古河電工㈱のMukoyama等により製作された3層REBCOケーブルである。このケーブルは、REBCOテープ断面に対して臨界電流密度が均一として計算した場合には、計算値が測定値より小さくなることがすでに分かっている。そのため、テープ断面のエッジにおいて臨界電流密度が減少していると仮定して計算を行なう。この臨界電流密度の減少は、すでに測定結果より明らかにされている実験事実である。 
組織名 : 東京大学情報理工学系研究科
申請課題名 ポストペタ時代の大規模並列数値計算のための技術開発
利用課題概要   TSUBAME, 京コンピュータなど,ペタフロップスを達成するスーパーコンピュータが登場して数年,エクサフロップス級計算機に向けてプロジェクトが進められている.エクサフロップス達成のためには100万コア以上の並列性が必要で,深いメモリ階層,ネットワーク遅延などの影響を緩和する手法が必要である.本研究ではこのような視点から,計算科学をターゲットとして次世代の超並列超高性能計算科学ソフトウェアの構成方式,アルゴリズム,実装技術を開発してゆく.本プロジェクトでは,日本最大のGPU搭載スーパーコンピュータであるTSUBAMEを用いて,共同研究により次世代の計算機のためのアルゴリズム,並列化手法,最適化,プログラミングモデル,アプリケーションの確立に向けた研究を行う. 
組織名 : 成蹊大学
申請課題名 高性能計算向け分散メモリ・ストレージ統合システムの研究
利用課題概要   現在、高性能計算において性能上大きなボトルネックになっているメモリアクセスについて、1ノードの物理メモリサイズを超えるような大容量なデータに対しても高性能なアクセスを可能にするような記憶システムの構築を目的とする。各ノードにあるDRAMメモリ, SSDなどを用い、複数ノードに分散した記憶資源を統合的に扱うためのソフトウエアシステムを設計、構築するための実装実験、性能評価を行う。特に記憶階層について着目し、各ノードの計算処理において、メモリアクセス局所性を生かすようなアルゴリズムを導入し、大規模サイズの問題に対して、多数ノードを用いて高速処理できるようにすることを目指す。応用分野は、当面、ステンシル計算、行列計算などの典型的な科学技術計算などとする。 
組織名 : 東京医科歯科大学難治疾患研究所
申請課題名 癌とがん間質の成立に関わる分子レベル・組織レベルの挙動の解明
利用課題概要   癌組織は癌細胞と線維芽細胞やリンパ球を含めた間質細胞とが複雑な相互作用をへて成り立っている。その癌や間質の相互作用について、そのがん関連遺伝子産物や免疫抗原受容体などの鍵となる分子の挙動を正確に予測し、また組織レベルの構築との対応をつけることは癌組織の解明と診断・治療に重要である。分子動力学等を用いた計算においてがん関連遺伝子産物や、抗原受容体の構造変化を正確に推定するには比較的長時間でのシミュレーションが重要であり、そのために多くの計算リソースが必要である。本課題ではがん関連遺伝子や抗原受容体の結晶構造情報等を用いて、タンパク単体や複合体、化合物-タンパク間の相互作用の構造・エネルギーの変化を分子動力学計算等のシミュレーションによって解析し、その活性のメカニズムを同定することが目的である。またこのような癌と間質細胞とによってつくられる巨視的な構築について癌組織の画像情報等から機械学習を用いてその特徴をとらえ、さらに癌ゲノミクス情報等との比較対応も試みる予定である。 
組織名 : 法政大学 情報科学部
申請課題名 LRnLAアルゴリズムを用いた物理シミュレーション
利用課題概要  マルチスケールに関する物理シミュレーションには様々な出離の課題がある。もちろん非常に多い格子点が必要となるので、大きな計算コストがかかる。解析領域のデータが大きくなるので、データアクセス時間が問題となり、並列化の際データ通信は計算より長い時間がかかる。LRnLA (Locally Recursive non-Locally asynchronous) アルゴリズムは空間積分と時間発展を部分的に同時に行うことを特徴としている.具体的にはシミュレーションにおける空間積分と時間発展の依存性をグラフの分析から最適な計算順序を求めている。これによりデータ通信と計算性能の不均衡に柔軟に対応できる。我々は2015年度にFDTDコードに関して実施しパーフォマンスの評価を行った。その結果、満足得られる結果が得られたので、様々な物理シミュレーションに対して同様に適用していきたい。 
組織名 : 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科
申請課題名 高度な制御可能性を有するニューラルネット言語生成モデル
利用課題概要  自然言語の文を処理し、生成する技術は、人間の言語同士を翻訳する機械翻訳、人間と自然言語で対話を行う対話システム、画像から説明文を生成するマルチモーダル文生成など、様々な応用で用いられる汎用的な技術である。近年ニューラルネット(NN)に基づく言語処理モデルは、従来のモデルを大幅に上回る精度を実現し、注目を浴びている。しかし、これらのモデルには、予期せぬ致命的な誤りが起こりやすく、この誤りを人手で修正することが容易ではないという深刻な欠点もあり、実際の応用で利用できるとは言い難い。本研究では、外部から結果が制御可能なNN言語生成という新たな自然言語処理枠組みを開発し、従来のNN言語処理モデルの精度を保ちながら実用に耐えられる技術の開発を目指す。 
組織名 : 京都大学
申請課題名 知識に基づく構造的言語処理の確立と知識インフラの構築
利用課題概要  テキストは、専門家によるデータの分析結果や解釈、ステークホルダーの批判・意見、種々の手続きや ノウハウなどが表出されたものであり、人間の知識表現の根幹である。テキストとして表現された知識を 計算機によって抽出・関連付けすることができれば、社会における知識循環を円滑化し、異なる分野間での知識の相互関連性の発見や、新しい知識・法則の発見を支援することが可能となる。言語情報処理はウェブをはじめとする大規模テキストの活用によって長足の進歩を遂げつつあるが、本利用課題ではこれをさらに発展させ、知識に基づく頑健で高精度な構造的言語処理を実現し、これによって様々なテキストの横断的な関連付け、検索、比較を可能とする知識インフラを構築する。 
組織名 : 東京大学情報理工学系研究科
申請課題名 先進的ステンシル・コード技術
利用課題概要  高度なステンシル計算のためのドメイン専用言語 (DSL) の開発を行い、その実行時性能をTSUBAME上で検証するとともに性能改善をおこなう。ステンシル計算の利用者にとってなじみやすい行列表現など抽象度の高い記述によるプログラムを、計算機に近い表現で記述されたプログラムに匹敵する速度で実行可能にすることを目指す。日独共同研究で、ステンシル計算のための外部 DSL と内部 DSL を開発し、外部DSLでは記述能力と性能を、内部DSLでは利用の容易さを追求する。TSUBAMEを用いることで、日本最大級のGPU搭載スーパーコンピュータで実用的な性能を達成するDSLの実現手法の研究をおこなう。これに加え、DSLの実行基盤として分散システムの資源管理システムの研究もおこなう。 
組織名 : 物質・材料研究機構 情報統合型物質・材料研究拠点
申請課題名 ナノ構造相界面における熱輸送特性の分子シミュレーション
利用課題概要  近年,ナノスケールにおける材料構造制御が進むに伴い,材料の伝熱特性に及ぼす固体-固体界面(固固界面)や固体-液体界面(固液界面)等の相界面状態の影響が重要となってきている.本研究では固固界面や固液界面における熱輸送特性をマルチスケールで評価することで,系全体の熱輸送特性を予測することを目的としている.
固固界面では,特にナノ構造体(ナノ粒子の焼結材やナノ粒子を母材に埋め込んだ構造体)の熱電特性を明らかにする。具体的には,密度汎関数法と格子動力学法,分子動力学法を用い,原子レベルで界面のフォノン・電子輸送特性を解明する.さらに,これらの結果をモンテカルロ計算に組込み,ナノ構造体バルク熱電変換材料の熱電特性を評価する.次に固液界面では,沸騰初期における気泡核生成メカニズムの解明に向けて,表面粗さや濡れ性などの表面物性が気泡核生成に与える影響を分子動力学法を用いて評価する.さらに,分子動力学計算結果をフェーズ・フィールド法に組み込み,固液界面における熱輸送特性がマクロな伝熱現象に与える影響を検証する. 
組織名 : 大阪大学蛋白質研究所
申請課題名 蛋白質-リガンド複合体の会合・解離の速度定数を平衡論から導く
利用課題概要  蛋白質やDNAなど生体高分子の大規模構造変化(状態間遷移)の速度定数を計算科学的に求めるには、通常、大がかりな計算機を長時間使い、カノニカル分子動力学(MD)シミュレーションを実行する必要がある。一方、拡張アンサンブル法の一種であるadaptive umbrella sampling (AUS)シミュレーションは大規模構造変化を容易に起こし、平衡状態の自由エネルギー地形を導く。そのかわり速度定数は算出できない。本研究では、AUSから算出不可能のはずの速度定数を導く。蛋白質とリガンドの結合状態、解離状態、その他中間状態の間の遷移の速度定数を求める。以上の研究により、構造探索効率の良いAUSシミュレーションから平衡論だけでなく速度論も議論できる手法を確立する。 
組織名 : 東京大学情報基盤センター
申請課題名 OpenACCの拡張によるアプリケーション自動最適化
利用課題概要  次世代のスーパーコンピュータにおいて主流になると考えられる、メニーコアプロセッサを用いた計算環境において、現在のメニーコアプロセッサのためのプログラミングモデルにおける問題点を解決し、既存のアプリケーションを自動並列化・最適化する、高性能・高生産性を持つフレームワークを構築することが本研究の目的である。本課題ではメニーコアプロセッサ向けの記述言語として注目されているOpenACCをターゲットとし、異なるプロセッサ間での性能の可搬性に大きく影響する、プログラムのデータ構造を最適化する仕組みを取り入れることで、アプリケーションの自動最適化を目指す。 
組織名 : 九州大学応用力学研究所
申請課題名 多相流格子ボルツマン法ソルバーのマルチGPU実装
利用課題概要  海洋工学問題に応用するために、多相流格子ボルツマン法(LBM)を開発しており、目標は複数 GPU を用いた大規模数値計算により従来の手法(FVM、FEMなど)では達成できない高解像度シミュレーションの実現である。本研究は、東京工業大学のTSUBAMEシステムを利用して、これまで開発してきた多相流格子ボルツマン法ソルバーについてマルチGPU実装を行い、複雑自由表面問題に対する大規模数値シミュレーションを試みする。 
組織名 : 大阪大学蛋白質研究所
申請課題名 転写サイクルを制御する蛋白質複合体ダイナミクスの解析
利用課題概要  DNA上に記された遺伝情報を読み取る転写の過程は、開始・RNA鎖の伸長・終結という転写サイクルと呼ばれる段階からなっており、多数の転写因子とそれらの間の相互作用によって精緻に制御されている。近年、種々の転写因子やRNAポリメラーゼの立体構造がX線結晶解析によって明らかにされたが、それらの因子間の動的な相互作用については未知のことが多い。特に、リン酸化による天然変性領域のアロステリックな制御が与える構造と相互作用への影響や、古細菌のRNAポリメラーゼの動的なドメイン間相互作用について、効率的なサンプリング手法による分子シミュレーションを行って解析する。この研究は、科研費新学術領域研究(研究領域提案型)「高精細アプローチで迫る転写サイクル機構の統一的理解(転写サイクル)」研究の一部として実施する。 
組織名 : 岡山大学大学院環境生命科学研究科
申請課題名 安定化有限要素法による3次元非圧縮性Navier-Stokes方程式のマルチGPU並列解法の開発
利用課題概要  安定化有限要素法は、複雑な境界形状を持つ領域での3次元非圧縮性Navier-Stokes方程式の数値計算に広く用いられているが、そのGPUによる高速化には、実装上いまだ困難な点が多い。そこで本研究課題ではマルチGPUによる大規模計算が行えるTSUBAMEの計算機環境を利用し、安定化有限要素法による3次元非圧縮性Navier-Stokes方程式のマルチGPU並列解法を構築し、スケーラビリティについての考察・評価を行う。 
組織名 : 情報通信研究機構
申請課題名 ホログラムプリンタ用の大規模なホログラム計算
利用課題概要  情報通信研究機構(以下NICT)では,光の情報を自在に透明なフィルムに記録するホログラムプリンタを開発している.現状の記録環境では,10cm四方のホログラムに対して約775億画素(278,528×278,528画素)のホログラムデータが必要であり,ホログラムサイズの拡大に比例して必要となる総画素数はさらに増加する.ホログラム計算の際は,このような巨大なデータを確保するための十分なメモリと,計算量の多い光波分布の伝搬計算を行う必要があることから,一般的な計算機ではホログラムプリンタ用のホログラムデータを現実的な計算時間で得ることが困難である.そこで, TSUBAME2.5の高い並列処理能力と潤沢なメモリ資源を有効に活用することで、大規模な光の波面伝搬計算およびホログラムデータの生成を実現する。生成されたデータは数値シミュレーションおよびホログラムプリンタによる記録・光学再生を行うことで,その妥当性を評価する。 
組織名 : 防災科学技術研究所
申請課題名 GPGPUによる長周期地震動シミュレーション
利用課題概要  本課題では、内陸活断層で発生する地震を対象として、3次元差分法を用いた大規模地震波伝播シミュレーションにより関東地域における長周期地震動のハザード評価を行う。具体的には、震源パラメータの不確実性を考慮して100ケース程度の震源モデルを設定し、関東地域を対象に構築されている詳細な地下構造モデルを用い、申請者らがTSUBAMEのGPU環境に対応させた地震動シミュレータGMSを利用して多数回の地震波伝播シミュレーションを実施し、それらの結果をもとに長周期地震動のハザード評価を行う。 
組織名 : 科学技術振興機構
申請課題名 日中・中日機械翻訳実用化プロジェクト
利用課題概要  本プロジェクトは、平成18~22年度に実施された科学技術振興調整費「日中・中日言語処理の開発研究」プロジェクトの成果をもとに、日中の担当大臣の合意に基づき、日中両国で予算を負担し、共同の技術開発により実用化を目指すJSTの事業「日中・中日機械翻訳実用化プロジェクト」として、平成25~29年度の5年間で実施されている。
科学技術振興調整費「日中・中日言語処理技術の研究」(平成18~22年度)の成果(日中対訳コーパスや翻訳エンジン)を母体として、それらの成果を最大限活用して翻訳エンジンの性能向上、対訳コーパスの増強、日本語・中国語の形態素解析システムの向上などの研究を進め、科学技術文献に対する実用的な日中・中日機械翻訳システムを構築し、言語障壁を取り除くことで、日中間の科学技術交流・発展を促進することを目的とする。 
組織名 : 理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 深層学習を利用したリアルタイム宇宙天気予報システムの開発
利用課題概要  我々は、公開されている太陽観測データをリアルタイムに取得し、深層学習を利用することにより、 24時間未来までの太陽フレアの発生を、数分ごとに自動的に予報するシステムを開発している。これにあたっては、深層学習のハイパーパラメータのチューニングのために、数多くのモデルを並行して試験することが必要である。本研究では、このためにTSUBAMEを利用し、次のようなモデルを試す。
1.Recurrent Neural Network(RNN)を用い、太陽連続画像をWavelet変換等で前処理して作った時系列データを入力として、時系列の終了時点から24時間将来までの太陽X線フラックスなどの予測を行う。
2. Convolutional Neural Network(CNN)を用い、ある時刻での太陽画像を入力として、そこから24時間将来までの太陽X線フラックスなどの予測を行う。
3. 2.で訓練済みのCNNを利用し、入力層から中間層までの演算を1.の前処理の部分で用いて時系列データを作ることで、CNNとRNNを組み合わせて予測を行う。 
組織名 : 東京大学情報基盤センター
申請課題名 OpenACCによる圧縮性流体解析プログラムUPACSの高速化に関する研究
利用課題概要  次世代のスーパーコンピュータにおいて主流になると考えられる、メニーコアプロセッサを用いた計算環境へのアプリケーションの対応が急務である。昨年度までに、東京工業大学松岡聡研究室との共同研究により、IHIが所有するアプリケーションであるUPACSについて、メニーコアプロセッサ向けの記述言語として注目されているOpenACCにより並列化を行い、TSUBMAE2.5の1 GPUを用いた評価の結果、良好な結果を確認している。本課題では、単体のGPU向けの最適化を行った上で、複数GPUを効率良く利用するための手法を開発し、実際の大規模なシミュレーションデータによる評価を行うことを目的としている。 
組織名 : 信州大学水環境土木工学科
申請課題名 大規模シミュレーションを用いた革新的ロバスト炭素膜による水処理機構に関する研究
利用課題概要  本研究は、スパコンを活用した大規模シミュレーションと信州大学の革新的実験技術との連携により、これまでの延長上にはないカーボン系材料から強靭で耐久性、透水性の優れたRO水処理膜を開発し、高度な造水・水循環システムにより世界の水問題を解決することを目的とている。従来使われている芳香族ポリアミドは、高い透水性、脱塩性を有しているが、海水・淡水化処理では海水中のタンパク質が膜の細孔に付着・体積しファウリング(膜の汚染)を起こし、その表面洗浄に塩素を使われるため、細孔の破壊につながり水処理膜の機能が低下することから、より耐久性の高い強靭な水処理膜が望まれていた。これまで信州大学では、CNT複合ポリアミド膜、DLC膜、ナノ炭素複合膜などの高機能水処理膜を合成し、透水性、脱塩性、などのシミュレーション結果を得ており、さらにファウリングが起き難いことが特徴であるが、そのメカニズムが未だ解明されていない。本件研究ではそのメカニズム解明に取り組む。本利用申請課題は、平成25年11月文部科学省の「COIプログラム」として信州大学に設置された『世界の豊かな生活環境と地球規模の持続可能性に貢献するアクア・イノベーション拠点』の研究開発の一環として実施する。 
組織名 : 北海道大学大学院理学研究院化学部門
申請課題名 AFIR法を用いた有機化学・光化学反応の系統的反応経路探索
利用課題概要  化学反応の反応機構に関する計算化学的研究は多く報告されている。しかしながら、推定機構を利用した従来の解析手段では、複雑な反応や未知な反応の解析には適していない。前田らによって開発された人工力誘起反応法(AFIR法)は、反応物に定義したフラグメント同士を人工力で押し付けて反応を誘起させ、生成物と遷移状態の構造ならびに反応経路を自動探索する計算手法である。様々なフラグメント間にAFIR法を適用することで、素反応の系統的・網羅的探索を行うことができるため、従来の解析手法の問題点を解決できると期待される。現在までに、いくつかの有機反応や光化学反応に適用し、複雑な反応機構の解明に成功しており、AFIR法は強力な解析手法として確立されつつある。当課題では、AFIR法に基づく反応経路自動探索法を利用した反応機構の解析を大規模計算機TSUBAMEで行う。様々なタイプの有機反応・光化学反応に適用し、本計算手法の有用性と汎用性をさらに高める。具体的には、遷移金属触媒や有機分子触媒を利用した新規有機合成反応を解析する。光機能性分子である有機化合物や金属錯体の光化学過程を解析する。 
組織名 : 大阪大学基礎工学研究科
申請課題名 マルチドメインデータの多変量解析とその応用
利用課題概要  画像やテキストなどのマルチモーダルデータから情報統合する多変量解析法は様々なタスクの基盤技術として重要である.各ドメインの要素はベクトル(たとえば画像の特徴ベクトル)とする.ベクトル間の関連の強さをマッチングウェイトで表すと,一種のグラフ埋め込みによって次元削減を行い,すべてのドメインのベクトルが共通空間に射影される.本研究ではCDMCA(Cross-Domain Matching Correlation Analysis)を用いて,各ドメインにおけるベクトルの数や次元に制限のない柔軟な方法の開発,検証,応用を行う. 
組織名 : お茶の水女子大学
申請課題名 第一原理有効フラグメントポテンシャル-分子動力学法(EFP-MD)によるイオン液体の溶液構造調査
利用課題概要  イオン液体は,「100℃以下に融点を有し,少なくともカチオン・アニオンのいずれかが有機物である塩」と定義される。不揮発性,高安定性,高耐熱性などの特性を持ち,イオン液体は工業・電気化学・生化学など種々の分野で注目を集めている。さらに,イオン液体はその構成イオンを変えることにより,無限に異なるイオン液体を作り出すことができるという「デザイン可能性」を持つ。デザイナー液体としても期待を寄せられるイオン液体について,これまで実験的な溶液物性の調査が精力的に推進されてきた。一方,その理論的調査は未だ発展途上な状態にあり,実験に先立つ溶液物性の理論的設計のレベルには至っていない。本研究ではイオン液体の熱力学的物性を,申請者らが研究開発を推進している有効フラグメントポテンシャル-分子動力学法(EFP-MD)を基盤に,第一原理的なイオン液体物性の理論設計スキームの開発に取り組む。 
組織名 : 国立がん研究センター研究所
申請課題名 薬剤耐性に関わる分子機構解明のためのシミュレーション解析
利用課題概要  申請者の研究室では、がんの遺伝子異常に基づく個別化治療の進展に取り組んでいる。遺伝子変異に基づく、キナーゼの薬剤感受性の差に関して、動的構造の分子機構は依然多くが不明である。キナーゼと薬剤との相互作用が動的構造に与える影響を解析することにより、薬剤感受性の差における分子機構が明らかになることが期待され、薬剤感受性を改善させる知見を得ることができる。本申請では、キナーゼに着目し、複数の薬剤との相互作用を分子動力学シミュレーションにて解析を行う。 
組織名 : 情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所
申請課題名 HPC を利用した自然言語処理技術の研究
利用課題概要  情報通信研究機構 ユニバーサルコミュニケーション研究所 データ駆動知能システム研究センターでは、Web等に存在する大量のテキストを深く意味的に分析し、情報の価値ある組み合わせや価値ある仮説を柔軟な入力を元に提示できる技術を開発している。一見かけ離れた情報間の予想もしなかった繋がりが非常に重大な帰結をもたらす事例があるなかで、情報間の組み合わせをユーザーに分かりやすい形で入手可能にすることを目指す。具体的には、文の同義性やテキストに書かれた因果関係などの事象間の意味的関係を元に、ユーザーの多様なニーズに応えられる情報やその組み合わせ、あるいは仮説を、Web等に存在する膨大な情報源をもとに生成する技術である。こうした技術の開発には先進的な言語処理技術と膨大な言語資源が必要となるほか、近年では深層学習ベースの言語処理技術が急速に進歩・複雑化しており、その研究開発には多数のGPUが不可欠である。本課題では、TSUBAME 2.5が持つGPUを最大限活用して自然言語向けニューラルネットワークの研究開発を加速するとともに、GPU並列化による深層学習ベース言語処理の高速化のための基盤技術開発に取り組む。 
組織名 : 清水建設株式会社技術研究所
申請課題名 気候変動を考慮した気象モデル解析システムの構築
利用課題概要   異常高温,集中豪雨,大型台風などの極端な気象現象による人的,経済的ロスは極めて大きい.近年の気候変動として地球温暖化の影響で一部の地域ではその気象現象の強度はすでに増加傾向にあり,今後も世界規模でさらに増えていく.特に,2080年頃になると「スーパー台風」の強度を保ったまま日本に接近する台風が発生し,そのなかにはこれまで経験したことのない台風が上陸する可能性がある.これらにより既存のライフラインやインフラを破壊して,都市機能を停止させる等,甚大な被害をもたらす恐れがある.最大限の緩和策でも完全に避けられない事象である.日本政府では,昨年末に「気候変動の影響への適応策」に関して既に適応計画策定検討を着手し始めた.建設分野では,その気候変動を考慮する必要があり,適用策などの提案は喫緊の課題である.本利用課題は,気候変動データを導入して,TSUBAMEスパコンで構築された気象解析モデルとの連携解析システムの構築を行っており,過去に自然災害を引き起こした気象現象の再現によりそれらに対する要因分析を行うことで,将来の気候変動により発生する極端気象現象や施設に影響する外力等の変化を評価する.気候変動がもたらす建設分野への影響を検討するものである. 
組織名 : スタッフ株式会社
申請課題名 大容量データ伝送用ミリ波アンテナのレドームに関する基礎検討
利用課題概要   近年モバイル端末の普及、およびコンテンツ情報量の増大に伴い、通信ネットワークトラフィックが爆発的に増大しているなか、ミリ波帯を使用した大容量のデータ伝送が可能な無線装置が注目されている。
使用されるアンテナにおいては、通信距離の確保、通信の安定化などを実現する為に、アンテナに求められる性能は極めて高く、また屋外で使用するため、気象の悪条件も考慮したものが必要となる。
本課題では、気象の悪条件からアンテナを保護する役割をもつレドームに注目、ミリ波帯におけるレドームの影響を電磁界解析で明らかにする。
特に検討アンテナとレドームの位置関係によるアンテナ利得、指向性の変化について検証を行う。 
組織名 : マツダ株式会社
申請課題名 GPUマルチノードを活用した大規模電波伝搬のFDTD法による再現
利用課題概要   自動車同士でお互いの位置や状態を無線通信にて交換し合うことで、ドライバからは確認しづらい交差点での接近する車両の存在をシステムで検知し注意喚起する協調型安全運転支援システムの実用化が始まっている。一方、道路交通環境では、無線通信電波は建物や道路上の車両などにより複雑な干渉が起こり、受信特性は大きく変動する。場合によっては、データ復元に最低限確保すべきPER(パケットエラー率)を越えて、安全運転支援サービスを提供できなくなる事態も起こりうる。環境変化に対してロバスト性が高いシステムを実現するには、現実の道路交通環境下の電波伝搬特性を精度高く把握し、システム設計に反映することが重要となる。
当社では、この道路交通環境に特有な電波伝搬特性を正確に把握するために、電磁波の支配原理からその振る舞いを計算するFDTD法を、従来の計算環境では困難であった、数百メートル規模での電波伝搬現象の再現に適用可能とするため、GPU基本プログラムの開発検証を進めてきた。本課題では、このGPU基本プログラムをGPU-MPI並列システムに拡張することで、大規模領域の高速計算を可能とし、道路交通環境に特有な伝搬特性解明を加速する。 
組織名 : 新日鉄住金化学株式会社
申請課題名 エポキシ樹脂の分子動力学シミュレーション
利用課題概要   エポキシ樹脂は、エポキシ基で架橋ネットワークが形成された熱硬化性樹脂である。そのため、溶媒に溶かした分析などの通常の分析が困難であり、樹脂中のネットワーク構造が明らかになっていない。本課題では、分子動力学シミュレーションを大規模に用いることで、大規模なエポキシ樹脂構造を作成し、得られた構造を解析すると共に、物性値と比較して構造物性相関を調べることを目的とする。 
組織名 : 太陽ホールディングス株式会社
申請課題名 有機色素の光吸収特性予測を目指したTD-DFTによる励起状態計算
利用課題概要   新規有機色素の開発は、その吸収スペクトルが色素を合成、単離した後に初めて確認可能となることから、狙い通りの吸収スペクトルを有する化合物の設計には、大きな労力と時間が必要であった。本課題では、Gaussian09を用いたTD-DFT計算により、種々の有機色素の吸収特性を精度よく再現できる計算条件を明らかとすることを目的とする。 
組織名 : 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所
申請課題名 ワイヤレス電力伝送による漏えい電波の環境解析技術の研究開発
利用課題概要   近年、電波の利用方法としては、通信だけではなく、電力伝送技術が注目されている。2015年以降の実用化が予定されているワイヤレス電力伝送(以下「WPT」)システムとして、数kW伝送の電気自動車の充電用途のものや、数100百W伝送の家電機器への給電用途のものなど、多種多様な方式開発が進められている。このようにWPTシステムの使用範囲は住宅内に限らず屋外の駐車場も含めた広い空間が想定されている。本環境でWPTシステムを実現するには、WPTシステムから発生する漏えい電波が、近接する機器に与える影響を分析することが必須であるが、数十kHz~数GHzの周波数領域における漏えい電波の強度分布をシミュレーションにより評価する技術の確立が必要である。 そこで、本研究開発では、WPT システムをはじめとする各種電子機器などが密集して設置された環境における漏えい電波の発生源および設置環境をモデル化して、戸建て住宅や近隣住宅を含む大規模な空間における漏えい電波の分布状況を計算機シミュレーションにより解析する。 
組織名 : 関西電力株式会社技術研究所
申請課題名 第一原理分子動力学計算による鉛蓄電池の電極の劣化に関する研究
利用課題概要   電力・通信設備の無停電電源装置として,数多く使用されている鉛蓄電池の劣化指標を知ることは,電池の保守の観点から非常に重要である。しかしながら,我々の知る限り鉛蓄電池の劣化に関して原子・分子レベルで解明した研究はない。そこで,第一原理分子動力学(Ab initio
molecular dynamics: AIMD)計算を用いて,電極表面と電解液の相互作用を調べ,劣化の機構を明らかにする。鉛蓄電池にはさまざまな劣化機構が存在する。本研究では負極サルフェーションについて調べる。 
組織名 : 株式会社デンソーアイティーラボラトリ
申請課題名 大規模画像データセットの深層学習のスケーラビリティ評価
利用課題概要   当社では、平成26年度の産業利用トライアルユースを通じて、大規模画像データの深層学習の分散処理技術の開発に取り組んだ。このたび、改良した学習ソフトウエアの評価の目的で、大規模な計算リソースを用いた分散処理を実施する。特に大規模な並列数における学習速度を評価する。 
組織名 : 情報通信研究機構
申請課題名 TSUBAME2.5利用による大規模なホログラム計算
利用課題概要   光の情報を任意に再現できるホログラフィは,次世代の立体映像表示技術や光学素子としての応用が期待されている.一方で,再生・記録時に必要なホログラムデータを計算する際は,光の波長オーダーでサンプリングされた情報を扱うことから,データ量・計算量が膨大となり,一般的な計算機を使用した場合はホログラムのサイズやクオリティが大きく制限される。本利用課題では、TSUBAME2.5の高い並列処理能力と潤沢なメモリ資源を有効に活用することで、ホログラム計算時に生じる制約を打開し,大規模な光の波面伝搬計算およびホログラムデータの生成を実現する。生成されたデータは数値シミュレーション又は当機構が開発した電子ホログラフィ装置を介して妥当性を評価する。 
組織名 :理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 PCクラスタにおける並列入出力の高速化に関する研究
利用課題概要   並列ファイルシステムであるLustreを用いたPCクラスタにおける大規模並列入出力のさらなる高速化を目指すために、MPI-IO実装であるROMIOにおける最適化の実装と検証を進めている。特に集団型I/Oと呼ばれる入出力パターンにおける最適化であるTwo-Phase I/Oの実装に関して、Lustre向けに最適化された実装を目指しており、近年のCPUのコア数増加やノード内に複数のCPUソケットが配置されていることに伴う局所性に対応した高速化実装の検証を中心に行っている。本申請においては、ノード間・ノード内の構成やMPIプロセス配置を考慮したスケーラブルな入出力を実現する実装を開発する。これにより、並列入出力の処理効率を高めることが可能になり、大規模データの入出力を必要とする計算アプリケーションでのスケーラビリティ向上にも繋がることが期待できる。 
組織名 : 日本原子力研究開発機構
申請課題名 GPGPUにおける核融合プラズマコードの性能評価
利用課題概要  本課題はエクサスケール計算を見据えた第一原理的核融合プラズマ乱流コードの計算手法開発を目的として、GPGPUにおける主要計算カーネルの性能評価を実施する。エクサスケール計算機においては、従来のCPUと異なるメニーコアアーキテクチャを持つプロセッサでの計算能力が重要になる。有力視されるアーキテクチャとしてGPUやMICを始めとする並列プロセッサが挙げられるが、これらのデバイスで性能を発揮する数値スキームはCPU上で有力な数値スキームとは異なる可能性がある。本課題では、異なる三つの第一原理核融合プラズマ乱流コードの主要演算カーネルの比較を通じて、GPU上で計算能力を発揮する数値スキームの適性を明らかにし、エクサスケール計算のための計算手法開発を行う上で必要となる知見を獲得する。 
組織名 : 法政大学 情報科学部
申請課題名 LRnLAアルゴリズムを用いたFDTD法による電磁場伝搬解析
利用課題概要  電磁場伝搬のシミュレーションは光学系の設計に有益である。本課題はマルチスケールFDTD問題を解決するための効率的な並列アルゴリズムの実装と検証である。電磁場伝搬問題の数値解法においてFDTD方法はもっとも簡単で直接的な方法の一つである。ただし,非常に多い格子点が必要となるので、大きな計算コストがかかる。解析領域のデータが大きくなるので、データアクセス時間が問題となり、並列化の際データ通信は計算より長い時間がかかる。LRnLA (Locally Recursive non-Locally Asynchronous) アルゴリズムは 空間積分と時間発展を部分的に同時に行うことを特徴としている.具体的にはシミュレーションにおける空間積分と時間発展の依存性をグラフの分析から最適な計算順序を求めている。これによりデータ通信と計算性能の不均衡に柔軟に対応できる。我々はMany-GPUの環境に最適なLRnLAアルゴリズムを実装したFDTDコードを更にTSUBAMEで最適化し、そのパーフォマンスを評価する予定である。 
組織名 : 早稲田大学理工学研究所
申請課題名 量子化学計算による酸化物担持金属クラスター系における触媒反応の検討
利用課題概要  本課題は、大規模系に適した量子化学計算法を利用することにより、金属クラスターと酸化物からなる「酸化物担持金属触媒」の理論計算を行う。本課題でターゲットとしているのは、自動車触媒等におけるCO酸化反応、CHx酸化反応、NOx還元反応の金属種・金属サイズおよび担体依存性を主に検討することである。計算手法・プログラムとしては、Gauss基底と平面波基底を効率的に混合した手法を用いるCP2Kをメインに利用する。CP2Kプログラムは並列化効率が高く、またGPUの利用も可能であるためTSUBAMEでの大規模計算に適しているものと考えられる。 
組織名 : 防災科学技術研究所
申請課題名 GPGPUによる長周期地震動シミュレーション
利用課題概要  本課題では、相模トラフ沿いの海溝型巨大地震を対象として、3次元差分法を用いた大規模地震波伝播シミュレーションにより長周期地震動のハザード評価を行う。具体的には、震源モデルの不確実性を考慮して500ケース程度の震源モデルを設定し、関東地域を対象に構築されている詳細な地下構造モデルを用い、申請者らがTSUBAMEのGPU環境に対応させた地震動シミュレータGMSを利用して多数回の地震波伝播シミュレーションを実施し、それらの結果をもとにばらつきを含んだ長周期地震動の予測を行う。 
組織名 : 理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 Lustreにおける並列入出力の高速化に関する研究
利用課題概要  メニーコア混在型並列計算機用基盤システムソフトウェアの研究の一つとして、MPI-IO実装であるROMIOにおける高速化を目指した最適化の実装と検証を進めている。特に集団型I/Oと呼ばれる入出力パターンにおける最適化であるTwo-Phase I/Oの実装に関して、Lustreのような並列ファイルシステムを用いた大規模環境向けに最適化された実装を目指している。近年のCPUのコア数増加やノード内に複数のCPUソケットが配置されていることに伴い、Two-Phase I/Oにおいてファイルアクセスを行うプロセス(アグリゲータ)へのデータ収集がプロセス数の増加に伴い、性能低下を招く大きなボトルネックになっている。本申請においては、ノード間・ノード内の構成やMPIプロセス配置を考慮した効率的なデータ収集機構を開発する。これにより、ROMIOを用いた並列入出力の処理効率を高めることが可能になり、大規模データの入出力を必要とする計算アプリケーションでのスケーラビリティ向上にも繋がることが期待できる。 
組織名 : 理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 スペアノードを用いた実行継続手法の通信性能評価
利用課題概要  エクサスケールでは構成するハードウェアの大規模化に伴い、耐故障性をいかに確保するかが重要な課題となっている。現在広く用いられているシステムレベルでのチェックポイント・リスタートによる耐故障手法は、データ量が増大するためにエクサ規模では破綻すると言われている。この問題を解決すべく、注目を集めているのがアプリケーションレベルでの故障対策である。故障時の対応をシステムではなくアプリケーションで行うことで、より柔軟かつ効率的な耐故障手法が実現可能になるが、どのように実行を継続することが効果的であるか、現状ではあまり研究がなされていない。本課題では、我々が検討と評価を進めているスペアノードを用いた実行継続手法について、その評価を行う。スペアノードを用いた実行継続では、アプリケーションプログラムへの大きな変更無しにロードバランスを維持した実行継続が可能な一方、スペアノードを利用することで通信性能が低下することを確認している。そこで、TSUBAMEの持つFat Treeネットワークトポロジ環境において、スペアノードを用いた実行継続による通信性能への影響について評価を行う。 
組織名 : 東京都立産業技術研究センター
申請課題名 GPU 上での離散イベントシミュレーション実行に向けた基礎的検討
利用課題概要  本課題では,GPGPU 等を用いた並列計算機において,離散イベントシミュレーション(DES)を実行する手法について研究と開発を行う.近年,GPGPU を用いた連続系シミュレーションの高速化は広く取り組まれているが,DES の並列化を試みた事例は報告が少ない.DES の応用は待ち行列やネットワーク,論理回路シミュレーションなど幅広く,これらの分野でも並列化による性能の向上が強く求められている.本課題では,楽観的手法によってGPGPU を用いたDES の性能向上を図る.また,多数の計算ノードを用いた大規模シミュレーションでは,これらのノード間で同期を行いながら処理を進める.このため,一部のノードの故障や通信遅延によって,シミュレーションの進行が停滞する可能性を考慮しなければならない.このような耐故障技術を確立するための基礎的な検討を行う. 
組織名 : 大阪府立大学
申請課題名 多孔体界面乱流の直接数値計算
利用課題概要   多孔体は,医療,環境工学のみならず,工業製品においては燃料電池内のガス拡散層,熱交換器,触媒装置などで見られる.したがって,多孔体内外の流動現象を理解することは,これら工業製品の設計において重要である.しかし,多孔体内外の乱流現象は,多孔体構造の影響を強く受け,複雑な流動となる,とりわけ,多孔体壁表層の乱流現象は,滑面での現象と大きく異なることが報告されている.しかし,微細な構造をもつ多孔体内部は実験的計測が難しく,多孔体表層の乱流生成・輸送現象の詳細なメカニズムは未だ分かっていない.そこで,格子ボルツマンを用いて,チャネルの下面に多孔体を敷き詰めた,多孔体チャネル乱流の直接数値計算を行う. H26年度は,多孔体界面近傍の渦構造,大規模な圧力変動を伴う乱流現象について調べ,さらに,乱流方程式の収支解析から乱流輸送メカニズムの理解を進めた.そこで,H27年度は大規模な乱流現象のモードについてより詳細に調べる.また,これらの現象のモデル化のために必要な体積・レイノルズ方程式の収支について調べることを目標とし,多孔体構造を変えたケースについて計算を行う. 
組織名 : 京都工芸繊維大学
申請課題名 超大規模フェーズフィールドGPU計算によるデンドライト競合成長メカニズムの解明Ⅱ
利用課題概要   本研究課題は,科学研究費助成事業(基盤研究(B))「超大規模フェーズフィールドGPU計算によるデンドライト競合成長メカニズムの解明」(平成25~27年度)の下で行われるものである.材料強度を支配する材料組織は,凝固プロセスにおけるデンドライトの成長によって創生される.しかしながら,デンドライト凝固組織の3次元構造形成メカニズムは,実験観察の困難さもあり未だに解明されていない.本研究では,フェーズフィールド法によるGPUスパコンを用いた超大規模計算法を構築し,二元合金の一方向凝固計算を体系的に行うことで,3次元デンドライト競合成長メカニズムを世界で初めて解明する.本年度は,昨年度構築したコードを用いた一方向凝固過程における3次元競合成長シミュレーションを行い,3次元状態における新しい淘汰現象の解明を図る.また,二元合金凝固の定量的シングルフェーズフィールドモデルと格子ボルツマン法を用いた対流内でのデンドライト凝固モデルを構築し,強制対流および自然対流がデンドライト形態に及ぼす影響を評価可能とする大規模シミュレーションコードを作成する. 
組織名 : 首都大学東京 理工学研究科
申請課題名 TSUBAME2 GPU によるスピン系のクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーション
利用課題概要   本研究では、格子スピン系に対し、複数のGPUを使った大規模なクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーションの開発を行う。多体系の物理的性質の研究法としてモンテカルロ法が標準的な手法として広く用いられているが、シングルスピンフリップ法には転移温度付近で緩和時間が急激に大きくなるなどの問題があり、解消する手法としてクラスターアルゴリズムが提唱されている。近年、GPUを用いた計算の高速化が研究され、シングルスピンフリップ法に関しては、数十倍の加速が報告されているが、クラスターアルゴリズムへのGPUの利用は始まったばかりである。申請者のグループは、1個のGPUを用いたクラスターアルゴリズムの効率的な計算方法を開発し、ライブラリーとして公開している[ http://cpc.cs.qub.ac.uk/summaries/AERM_v1_0.html ]。さらに、TSUBAME2システムを利用して、MPI並列により複数のGPUの計算に拡張することに成功した。これらの計算については、TSUBAME ESJ Vol.7 に解説記事を掲載しているが、今年度は多くの問題に応用していく。 
組織名 : 理化学研究所生命システム研究センター
申請課題名 GPUによる高速化を利用した計算分子設計
利用課題概要   近年では標的タンパク質に強く結合する ”低分子化合物” を設計する技術として計算機を利用する分子設計技術が広く用いられている。しかし、ペプチドなどの ”非” 低分子化合物を対象とした分子設計にこれらの技術をそのまま適用することは難しい。 本課題では、低分子化合物より大きな分子群を対象とした分子設計技術の開発を目指す。このような分子群はより大きな分子内自由度を持つため、莫大な計算処理能力が必要となる。また物性の面でも異なるため、より複雑な評価関数が必要となり、これも大きな計算処理能力を要求する。そこで我々はGPUが持つ計算処理能力を利用して問題の解決にあたる。GPU を利用するプログラム開発や、実際のタンパク質を対象としたスクリーニングテストを実行し、低分子化合物より大きな分子群を対象とした計算分子設計技術の確立を目指す。 
組織名 : 理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 GPU を用いた気象・気候アプリケーションライブラリの開発
利用課題概要   ポストペタスケールにおける気象・気候シミュレーションにおいて、ヘテロジーニアスな構成の並列計算機の性能を引き出し、有効活用することが命題になっている。一般的に気象シミュレーションのコードは用いる変数の数、データ量共に多く、かつアルゴリズムの要求B/F 比が高いという特徴を持っている。またプログラム規模が大きく書き換えには困難を伴う。少ない工数でGPU の利用を加速するOpenACC プログラミングモデルは、これらの問題を総合的に解決すると期待される。本研究では全球雲解像度モデルNICAM および高解像度LES モデルSCALE を対象とし、OpenACC を用いたGPU 最適化コードの実装を行い、GPU を用いた大規模並列計算の評価を行う。同時に、GPU 利用に適したアプリケーションフレームワークの検討と改良を行う。 
組織名 : 桐蔭横浜大学
申請課題名 ATP加水分解によって惹き起こされるミオシン分子モーターの偏った揺らぎ運動に関する分子動力学シミュレーション
利用課題概要   筋肉の収縮を蛍光顕微鏡で観ると、ミオシン繊維とアクチン繊維が入れ子構造をなしていて、ミオシン分子の頭部に取り込まれたアデノシン三リン酸(ATP)の加水分解がトリガーとなって、ミオシンがランダムな熱運動をしながらもアクチンを一方向に動かすことが分かっているが、ランダムな熱運動がどうやって方向性のある運動を生じさせるのかは明らかでない。われわれは先に、TSUBAME 2.0 を利用して、ミオシン頭部のATP ポケット周辺の原子にATP の加水分解で放出されるエネルギーを運動エネルギーとして配分することにより、ミオシン頭部全体の揺らぎ運動がどう変調されるか、100 ns の分子動力学シミュレーションを行った結果、ミオシン頭部は頸部との接合部を蝶番とするランダムな首ふり運動をするが、それが特に300 K の場合にはATP の摂動によって一方向に偏る傾向があるという結果を得た。ただ、対象としたホタテガイのミオシン分子構造(PDB:1kk7)の欠損部分を補綴する段階で、主鎖の一部が元々の構造と若干異なる構造となってしまったので、公開論文をまとめるに当たって、修正した初期構造からのシミュレーションを再度行い、完璧を期したいと考えている。 
会社名 : 杏林大学 保健学部
申請課題名 食品に含まれる抗酸化物質を対象とした多配座解析
利用課題概要   生体内において、抗酸化物質による抗酸化作用が健康に寄与しているといわれている。そこで食品に含まれる抗酸化物質の抗酸化プロセスを解明することで、これらのより効果的な摂取方法や食品加工方法等について新たな知見が得られると考えている。 本研究では量子化学計算を用いて、食品由来の抗酸化物質の構造について配座異性体も含めて明らかにし、抗酸化プロセスについて検討する。計算実験において、より精度の高い計算結果を得るためには、精度の高いモデルを用いる必要があるため、これらのモデルを用いた計算は指数関数的に計算コストが増大する。そこで、TSUBAMEの高度な計算資源を利用して精度の高い計算結果に基づいた検討を行いたい。 
組織名 : 理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 高性能・高生産性を達成する垂直統合型アプリケーションフレームワーク
利用課題概要   ポストペタスケールに向けた最重要課題である「並列性の克服」、「信頼性」、「低消費電力化」の解決に大きく貢献する高生産性垂直統合型ソフトウェアスタックの研究開発を行う。これはスケーラブルマルチスレッドランタイムを基盤としたドメイン特化型アプリケーションフレームワークであり、自動並列化、自動チューニング、耐故障性、電力最適化等の各種技術を透過的に内包する。我々は提案ソフトウェアスタック構成法を流体シミュレーション(CFD)および分子動力学法(MD)を対象として設計し、それらを最新の大規模ヘテロジニアススーパーコンピュータであるTSUBAME2を基盤として設計開発する。 
組織名 : 独立行政法人海洋研究開発機構
申請課題名 福島原発事故由来の硫黄放射性同位体モデルを用いた硫酸塩エアロゾルの動態の解明
利用課題概要   平成25-26年度(2013-2014年度) 新学術領域研究(研究領域提案型)公募研究の研究課題「福島原発事故由来の硫黄放射性同位体モデルを用いた硫酸塩エアロゾルの動態の解明」の一環として、TSUBAMEを用いて、硫黄放射性同位体(35S)の循環を導入した全球・領域3 次元大気輸送モデルを開発し、福島原発事故により放出された放射性セシウムの輸送媒体としての硫酸塩エアロゾルの動態の解明を行う。 
組織名 : 東京大学 情報理工学系研究科
申請課題名 ポストペタ時代の大規模並列数値計算のための技術開発
利用課題概要   TSUBAME, 京コンピュータなど,ペタフロップスを達成するスーパーコンピュータが登場して数年,エクサフロップス級計算機に向けてプロジェクトが進められている.エクサフロップス達成のためには100万コア以上の並列性が必要で,深いメモリ階層,ネットワーク遅延などの影響を緩和する手法が必要である.本研究ではこのような視点から,計算科学をターゲットとして次世代の超並列超高性能計算科学ソフトウェアの構成方式,アルゴリズム,実装技術を開発してゆく.本プロジェクトでは,ナノサイエンス,バイオインフォマティクス,コンピュータサイエンスの研究者の協力により,日本最大のGPU搭載スーパーコンピュータであるTSUBAMEを用いて,共同研究により次世代の計算機のためのアルゴリズム,並列化手法,最適化,プログラミングモデル,アプリケーションの確立に向けた研究を行う. 
組織名 : 九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
申請課題名 多層流LBMシミュレーションを用いたCO2トラッピングメカニズムの解明
利用課題概要   二酸化炭素の地中貯留(CCS)は、岩石の間隙にCO2を注入することで永久的に地下に閉じ込める技術で、大気中のCO2を近未来的に削減できる技術として注目されている。このプロジェクトにおいて、安全に、また効果的にCO2を地中貯留するためには、間隙内部のCO2の挙動を調べることが重要となる。
本研究では、格子ボルツマン法を用いて、界面張力や粘性等のパラメータを変更しながら、岩石孔内の水とCO2挙動を明らかにする。GPUを用いて計算領域のサイズアップを図り、これまでポアスケール(μmスケール)で行ってきた計算を、実験スケール(cmスケール)に拡張する。それにより、実験室で得られる結果と比較した議論が可能となる。また、実験データとの比較により、シミュレーション結果の検証を行う。今年度は、特に貯留層の条件を変えたシミュレーションの結果から、CO2 圧入に適した貯留層の条件と、CO2の圧入方法を明らかにすることを試みる。 
組織名 : 都城工業高等専門学校
申請課題名 超電導電力ケーブルの交流損失解析
利用課題概要   有限要素解析ソフトCOMSOLを使って超電導ケーブルの電磁界解析を行うことにより、交流損失の最小化設計を行う。REBCOケーブルは、1:1000~1:4000と高い縦横比を持つREBCOテープから構成されており、電磁界解析のための自由度が非常に高くなる。また、この超電導テープは複数本フォーマ上に螺旋状に配置され、4層の導電層と2層のシールド層からなる。各層のテープ巻付けピッチを変えることにより層電流を制御できるため、回路モデルにより層電流を求め、2次元有限要素解析により各層の交流損失を計算するという準3次元的な解析法により、交流損失を最小化する巻付けピッチの最適化を行なう。 
組織名 : 神奈川大学
申請課題名 ユーザ間対等受付制御における大規模数値計算
利用課題概要   本研究課題においては、様々な要求帯域を持つストリーミング環境において,ユーザ全員の満足度を向上させるための受付制御の実現を目的とする.全ユーザ満足度を向上させるために,基礎検討として,異なる要求帯域(広帯域フローと狭帯域フローの二種類に分類)に対し,収容時に同じ満足度を得る(対等)と仮定し,広帯域フローを1本収容しない事で,狭帯域フローを複数収容可能とする受付制御方式を提案している.具体的には,全ユーザ満足度の最大化と等価である,網内への広帯域及び狭帯域フロー両者をあわせた呼損となる確率(トータル呼損率)を最小にする受付制御方式を提案する.制御を実現させるためには,制御パラメータで取りうる閾値に対して最適な値を導出する必要がある.
この最適な閾値を導出するために,本研究課題においては、定常状態を仮定し待ち行列理論を用いて解析を行う.しかし,最適な閾値導出のための,定常状態における状態方程式の解を導出するためには,大規模な行列計算が必要となる.そこで,TSUBAMEを用いた大規模並列処理により、これまで実現不可能であったトラヒック規模を持つ際の,最適な閾値を導出する. 
組織名 : 慶應義塾大学
申請課題名 仮想GPUを用いた分子動力学シミュレーションコードの開発と評価
利用課題概要   前年度から継続して分子動力学シミュレーションの大規模並列計算において重要になる高速化・並列化に関する手法を提案し、以下のアプローチで性能評価と検討を行う。 昨年度開発を行った GPU 仮想化ミドルウェア DS-CUDA の機能と、GPU用の分子動力学シミュレーションコードを用いて、相転移現象の分子動力学シミュレーションを実施する。 本ミドルウェアは、単一計算ノード用に開発されたアプリケーションのソースコードを大規模分散コンピューティング環境でも利用可能にする機能を有し、分散コンピューティング環境でのプログラム開発を容易にする特徴をもつ。また、相転移現象のシミュレーションは大量のコンピュータリソースが必要であるシミュレーションとして知られており、GPU上の分子動力学シミュレーションを並列で実行しなければならない。そのため、DS-CUDAの機能が必要となってくる。 我々は、このシミュレーションを通じて、本ミドルウェアの大規模並列計算に対する有効性を検討する。これは、今後様々な分子動力学のアプリケーションソフトウェアが次世代超並列計算機で性能を発揮する上で重要な役割を果たすと考えられる。 
組織名 : 千葉工業大学
申請課題名 結晶構造中における有機蛍光色素の光物性
利用課題概要   有機蛍光分子は、鮮やかな発光性・多彩な色調可変性など、機能性色素としての優れた特性を持つため、エレクトロルミネッセンス素子・色素増感型太陽電池などの様々な用途が期待されている。このような分子を機能性材料として利用する場合、密に凝集させた固相状態としてデバイス化する必要がある。しかし、気相中や溶液中では強い発光性を持つ分子が、固相中では蛍光量子収率が著しく減少してしまうことも多々ある。また、結晶構造の違い(結晶多形)によって全く異なる発光効率・発色性・光感受性を示すことがあり、固体中における光物性の発現を予測できないことが問題であった。発光材料の光物性を意図的に制御して、用途に応じた機能性色素を自在に設計するためには、固相中における発光プロセスを詳細に解析するための新しい方法が不可欠である。そこで本研究では、結晶構造中における有機蛍光色素の光物性を理論的に予測するための方法を確立することを目指す。 
組織名 : 東京大学大学院情報理工学系研究科
申請課題名 高性能と高生産性を両立する並列分散ランタイムシステム
利用課題概要   分散メモリ並列計算機において現在主流のプログラミングモデルであるMPIは、並列アルゴリズムの開発に加えて、並列に実行可能な処理(タスク)と処理に必要なデータを適切な粒度に分割、各プロセッサに配置し、各プロセッサ間の通信処理を明示的に記述する必要がある。このような記述は、概して煩雑であり、並列プログラム開発の生産性を低下させる要因となっている。この問題に対して、当研究グループでは、大規模並列計算機上で、プロセッサへのタスク・データの配置を自動化するタスク並列処理系について研究・開発している。本利用課題では、提案するタスク並列処理系を構成する「軽量マルチスレッド機構」「大域アドレス空間機構」について、より高度なアルゴリズム・実装技術を研究・開発し、性能評価を実施する。 
組織名 : 東京大学 地震研究所
申請課題名 不均質地球構造における地震波・津波伝播シミュレーション
利用課題概要  マルチコア並列計算機での差分法に基づく動的固体力学計算のアプリケーションの大規模実用計算と有効性検証のために、3次元的に不均質な粘弾性構造中の地震波動伝播ならびに津波波動伝播の数値シミュレーションを実施する。陸海プレート境界地震や内陸活断層の地震に伴って放射される地震動が、不均質な地殻・上部マントルを伝播し、地殻表層部の軟弱な堆積層により強く増幅され、そして構造物に被害を引き起こす強震動が生成される一連の物理過程、また断層運動が海底を地殻変動によって動的に変動させ津波が生成・伝播し陸域に到達するまでの一連の過程運動方程式の大規模計算により理解する。 特に近い将来のヘテロジニアスな大規模計算機環境下での地震波動・津波波動伝播シミュレーションの実現を見据え、特にOpenACCを用いた既存シミュレーションコードのGPU対応版開発・チューニングおよびその性能評価を行う。 
組織名 : 大阪府立大学
申請課題名 分子動力学法によるナノ間隙内流動特性の解明
利用課題概要   近年カーボンナノチューブ内を流れるガスや水が高速に流れることが報告されるなど,マイクロ・ナノオーダーにおける流動特性の特異性が注目されている.そのような流れはガス交換膜のようなマイクロ多孔質にも現れさらには,MEMS/NEMSやバイオ,医療,宇宙といった様々な分野での応用が期待されている.しかし,そのような流れ場を実験的に解明するのは難しいため,分子動力学法(MD)による数値シミュレーションが有効な手段である.そこで本研究では分子動力学法を用いて,カーボンナノチューブ内やグラフェンチャネル内部の流動解析を行うことで,炭素の六員環構造を持った壁面近傍での基本的流動特性について詳細に調べる.また,GPUを用いることにより,従来のCPUのみの計算機ではできなかった大きな計算領域の解析を行う. 
組織名 : 理化学研究所計算科学研究機構
申請課題名 ミニアプリケーションの開発
利用課題概要   平成25年度に理化学研究所と東京工業大学とで「将来のHPCI システムのあり方の調査研究アプリケーション分野」を実施した。その調査研究成果の一環としてミニアプリ集Fiberの整備および公開を進めている。ミニアプリは次世代スーパーコンピュータの実現に向けたアプリケーションとアーキテクチャの相互理解の促進を目的とする簡略化されたアプリケーションであり、特定のアーキテクチャによらず様々なアーキテクチャでの動作検証および性能評価を必要とする。本課題はミニアプリ集Fiberの大規模IntelプロセッサクラスタおよびGPUアクセラレータへの対応、性能評価、動作検証を目的としている。特に通常の小規模ワークステーションとは異なり大規模な計算およびデータを用いた評価を実施する。 
組織名 : 大阪大学蛋白質研究所
申請課題名 転写サイクルを制御する蛋白質複合体ダイナミクスの解析
利用課題概要   DNA 上に記された遺伝情報を読み取る転写の過程は、開始・RNA 鎖の伸長・終結という転写サイクルと呼ばれる段階からなっており、多数の転写因子とそれらの間の相互作用によって精緻に制御されている。 近年、種々の転写因子やRNAポリメラーゼの立体構造がX線結晶解析によって明らかにされたが、それらの因子間の動的な相互作用については未知のことが多い。特に、リン酸化によるアロステリックな制御が与える構造と相互作用への影響や、古細菌のRNA ポリメラーゼの動的なドメイン間相互作用について、長時間の分子動力学シミュレーションを行って解析する。 
組織名 : 東京医科歯科大学 難治疾患研究所
申請課題名 タンパク複合体相互作用の計算
利用課題概要   タンパク複合体におけるタンパクとタンパクとの相互作用の計算シミュレーションは創薬過程における創薬ポイントの探索に重要な情報となる。分子動力学等を用いた計算において、タンパクとタンパクとの相互作用や、それによる構造変化を正確に推定するには比較的長時間でのシミュレーションが重要であり、そのために多くの計算リソースが必要である。本研究ではがん関連遺伝子の結晶構造情報を用いて、タンパク複合体内や化合物-タンパク間の相互作用、それによる構造・エネルギーの変化を分子動力学計算等のシミュレーションによって解析し生体活性のメカニズムを同定することが目的である。 
組織名 : 成蹊大学
申請課題名 高性能計算向け分散メモリ・ストレージ統合システムの研究
利用課題概要   現在、高性能計算において性能上大きなボトルネックになっているメモリアクセスについて、1 ノードの物理メモリサイズを超えるような大容量なデータに対しても高性能なアクセスを可能にするような記憶システムの構築を目的とする。各ノードにあるDRAM メモリ, SSD などを用い、複数ノードに分散した記憶資源を統合的に扱うためのソフトウエアシステムを設計、構築するための実装実験、性能評価を行う。特に記憶階層について着目し、各ノードの計算処理において、メモリアクセス局所性を生かすようなアルゴリズムを導入し、大規模サイズの問題に対して、多数ノードを用いて高速処理できるようにすることを目指す。応用分野は、当面、ステンシル計算、行列計算などの典型的な科学技術計算などとする。 
組織名 : 情報通信研究機構
申請課題名 GPUクラスタを利用した詳細人体モデルの大規模電磁界計算
利用課題概要   近年では,中間周波数帯(10kHz~10MHz)を利用した電子機器が増加しつつある。その電子機器の近傍にいる人体に対する電波の安全性を考えるとき,それらの電子機器から発する電波に対して,人体のどこにどれだけの電波エネルギーが吸収されているかを定量的に調べる必要がある。また中間周波数帯において,神経に対する刺激作用を防護するために,電波ばく露による人体内に誘発される内部誘導電界を評価する必要がある。そのために,詳細な人体モデルに対して,高速に吸収電力や人体内部誘導電界の解析を行い,ばく露評価を行う技術として,GPUを用いた詳細人体モデルの大規模電磁界解析を行う。本研究では,最小0.5mmの解像度を持つ詳細人体モデルを用いて,様々な電子機器から発する電波にさらされたときの吸収エネルギー分布を計算できるシミュレーション技術を確立する. 
組織名 : 東京大学工学系研究科
申請課題名 ナノ構造界面における熱輸送特性の分子シミュレーション
利用課題概要  本研究では固体-固体間と固体-液体間を含む系の熱輸送特性に関する数値計算を多角的に行うことを目的としている.特に,熱電変換や沸騰・凍結など界面の微視的な熱輸送物性が系全体の伝熱に大きく影響する現象を対象に,第一原理計算,分子動力学計算,格子動力学計算,モンテカルロ計算,連続体計算を適材適所に組み合わせながら,マルチスケール熱・物質輸送解析を実施する.固体-固体間界面では,近年熱電変換の分野で成功を収めているナノ構造体が母材に埋め込まれた系に対して,密度汎関数法と格子動力学法,分子動力学法を用いて,界面フォノンモード解析を行う.これにより得られる界面フォノン透過関数を入力としたモンテカルロ計算を実施し,ナノ構造化バルク熱電変換材料の熱伝導特性を評価する.次に固体-液体間界面では,沸騰初期における気泡核生成メカニズムの解明に向けて,表面粗さや濡れ性などの表面物性が気泡核生成に与える影響を分子動力学法を用いて評価する.さらに,分子動力学計算結果をフェーズ・フィールド法に組み込み,沸騰のシミュレーションを行うことで,ナノ構造界面における熱輸送特性がマクロな沸騰現象に与える影響を検証する. 
組織名 : 高エネルギー加速器研究機構(KEK)
申請課題名 ヘテロ環境での大規模並列シミュレーションの研究
利用課題概要   大規模なシミュレーションを必要としている研究者にとって、プログラム開発環境と実行環境がシームレスであることが望ましいが、これまでは、自分の研究室のクラスターと大学などの機関にあるスーパーコンピュータを使い分けて研究を進めていた。シミュレーションに必要なデータが大規模であったり、利用環境のOSが異なるなど大きな障害となっている。このような不便を解消して、可能な限り、使える計算機資源を有効に連携して使う方法として、昨年度まで、行われたRENKEIプロジェクトの成果であるUniversal Grid User Interface(UGI)を使い、同プロジェクトで使われていたNAREGI環境を通して、Tsubame2の専用資源を利用して、放射線治療計画シミュレーションを行う。同シミュレーションは、放射線粒子が人体を通過するときの物理過程をモンテカルロ法で追跡し、人体の各部位での線量を計算する。計算に用いるプログラムは、Geant4と呼ばれ、原子レベルの物理過程を詳細に計算するため、膨大な計算時間が必要である。特に、新しい治療方法を開発する際には、詳細なシミュレーションが必要で、大規模なシミュレーションを効率よく実行できるユーザインターフェースも含めた環境を確立したい。 
組織名 : 京都大学
申請課題名 知識に基づく構造的言語処理の確立と知識インフラの構築
利用課題概要   テキストは、専門家によるデータの分析結果や解釈、ステークホルダーの批判・意見、種々の手続きや ノウハウなどが表出されたものであり、人間の知識表現の根幹である。テキストとして表現された知識を 計算機によって抽出・関連付けすることができれば、社会における知識循環を円滑化し、異なる分野間での知識の相互関連性の発見や、新しい知識・法則の発見を支援することが可能となる。言語情報処理はウェブをはじめとする大規模テキストの活用によって長足の進歩を遂げつつあるが、本利用課題ではこれをさらに発展させ、知識に基づく頑健で高精度な構造的言語処理を実現し、これによって様々なテキストの横断的な関連付け、検索、比較を可能とする知識インフラを構築する。 
組織名 : 量子化学研究協会研究所
申請課題名 並列計算機を利用したFC-LSE法による原子・分子のシュレーディンガー方程式の解
利用課題概要  シュレーディンガー方程式は、化学を始めとする物質科学における支配方程式であり、これを正確に解くことで様々な現象の量子レベルでの理解と予測が可能となる。我々はこれまでシュレーディンガー方程式をその方程式の本来の精度で解くための方法としてFree Complement Local Schrödinger equation (FC-LSE)法を開発してきた。
FC-LSE法のアルゴリズムは超並列計算に向いており、高い並列化効率が得られている。そこで本研究課題では昨年度に引き続き、これまでの計算機環境では現実的には求めることができなかった分子系に対し、TSUBAMEを用いてシュレーディンガー方程式を解き、一般の原子・分子の実際的な解法を確立したい。また、シュレーディンガー方程式の解(エネルギーと波動関数)だけではなく、そこから求められる諸所の物理量(Local Energy など)も計算したい。 
組織名 : 大阪大学蛋白質研究所
申請課題名 GPCR膜蛋白質の作動薬認識におけるダイナミクスの解析
利用課題概要  細胞膜上に存在するG蛋白質共役型受容体(GPCR: G-Protein Coupled Receptor)蛋白質は、細胞外のシグナル物質を認識し、作動薬の場合には細胞内での生体反応を促進する一方、阻害剤や逆作動薬では生体反応が抑制される。最近、種々のGPCRの結晶構造が明らかになるとともに、GPCRには活性型と不活性型とが存在し平衡状態にあることが判明したが、このダイナミクスの立体構造的な知見はほとんど得られていない。長時間の分子動力学シミュレーションを行うことにより、リガンド結合によっておこる活性型と不活性型の双方における構造のダイナミクスを調べる。 
組織名 : 名古屋工業大学
申請課題名 第一原理計算によるナトリウムイオン電池電極材料の相安定性
利用課題概要  リチウムイオン電池のコンセプトを引き継いだナトリウムイオン電池は、元素戦略の観点から大型電池用途に期待されている。しかし、研究開発期間が浅いことから、その電極反応に伴う材料の相安定性の詳細は不明な点が多い。 本研究では、ナトリウムイオン電池として有望な正極材料のうち、層状遷移金属酸化物材料(NaMO2)に着目し、密度汎関数に基づく高精度第一原理計算とモンテカルロ計算を組み合わせることで、電極反応過程における相安定性評価を行う。これにより、充放電反応に伴う結晶構造変化や電子構造変化を明らかにすることが可能になる。 
組織名 : 国立情報学研究所
申請課題名 マルチメディア内容解析に関する研究
利用課題概要  本研究では、映像等のマルチメディアコンテンツの主として視覚情報を解析し、その意味内容情報を自動抽出する手法について検討する。 
会社名 : 株式会社半導体理工学研究センター
申請課題名 大規模・大領域TCADへのHPC応用技術の開発
利用課題概要   本課題の対象とするIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)はインバータ回路を構成する半導体素子である。本来IGBTは高い耐圧性能を有するが、ハイブリット車等の高性能化により、より高耐圧かつ低導通損失の性能が求められている。しかし高耐圧のIGBTの開発には、多大な開発コストが必要となるとともに製造工程における歩留まり向上が求められている。このためSTARCと産総研は、IGBT設計の高精度化のため、本課題で利用する半導体向けデバイス/プロセスシミュレータ(TCAプログラム)の解析コードを並列化することで、従来解析することが現実的には不可能だった数十万セルで構成されるIGBTを解析可能とすることに取組んでいる。 IGBTの解析は、1セル当たり約10万メッシュが必要であり、仮に1000セルの一括計算を想定すると、1000ノードでのMPI並列によるスーパーコンピューティングが必要となる。このため本課題では、TSUBAMEの計算資源を用い、大規模並列計算において高電圧印加時におけるIGBTの挙動シミュレーションを行い、実験との比較による有用性の基礎検証を行うものとする。 
会社名 : パナソニック株式会社 AVCネットワークス社
申請課題名 長距離海中ワイヤレス電力伝送の電磁界シミュレーション基礎検討
利用課題概要   日本近海の深海には豊富な鉱物資源が眠っている.これらの資源は,海洋資源のフロンティア開拓として期待される.海中で地形や熱水鉱床などを効率よく調査するため,海底を自走するロボット「Remotely Operated Vehicle (ROV:遠隔操作無人探査機)」,海中を自由に動く潜水艇型のロボット「Autonomous Underwater Vehicle(AUV:自立型無人探査機)」があるが,ケーブルで電力送るため広範囲な調査を行うことが難しい,バッテリーの容量が小さく半日程度の運用しかできない課題がある. ROVやAUVへワイヤレスで電力を供給しバッテリーレスで動作できれば24時間の運用も可能になり海底資源探査の効率は飛躍的に拡大する.また,バッテリーの小型化,軽量化,完全密閉構造も可能となり低コストかつ高信頼性の機材を作ることができ,海底資源の開発が飛躍的に進むことが期待できる. 本利用課題は,上記の基礎検討として,水中や海中で長距離にワイヤレスで電力を伝送する解析することである.電磁界シミュレータを用いて,水中,海中を媒質とした空間で,磁界共鳴方式と複数の無給電コイルによる長距離無線電力伝送の電磁界解析を実施する. 
会社名 : 清水建設株式会社
申請課題名 気象イベントを考慮した建築環境解析システムの高度化
利用課題概要   竜巻・突風などの気象イベントによる人的,経済的ロスは極めて大きい.特に,竜巻では建物や鉄道施設に甚大な被害が発生しており,内閣府の防災基本計画にも風水害に係る事象として竜巻などの突風が明記され,竜巻の発生予測は先端科学技術の開発として重点的に取り組まれている.また,米国で2011年に発生した竜巻は,多数の死傷者の発生に加えて原子力発電施設の稼働に影響を与えるなど,気象イベントは国際社会にも大きなインパクトを与えた.本利用課題は建築環境を対象にしてTSUBAMEスパコンで構築された気象解析モデルおよびそれとの広域建築環境との連携解析システムの構築を行っており,解析システムの高精度化などと既存の記録結果との比較によりこれらの気象ベントの特徴とその与える影響を調べ,局所的気象イベントを考慮した合理的な建築環境の構築を目指すものである. 
会社名 : 新日鐵住金株式会社
申請課題名 鋼中析出物の水素捕捉能の高精度計算
利用課題概要   鋼材の水素脆化に影響を及ぼす微細析出物の水素捕捉機構解明のためのシミュレーションを実施する。具体的には、NaCl型析出物のNbCについて、その部分整合界面での水素捕捉能を第一原理計算によって見積る。これまで整合界面での水素捕捉能については、弊社において調べられてきたが、部分整合界面の水素捕捉能については計算規模が大きく、弊社内の計算機では計算することができなかった。平成25年度の共同利用において、NaCl型析出物のNbCについて部分整合界面での水素捕捉能の計算を実施し、大まかな傾向の把握に成功した。更に、平成26年度の共同利用において、高精度計算のための計算条件の調査を実施した。それらの計算結果をベースに計算精度を向上させた計算を実施することを目的とする。 
会社名 : 武田薬品工業株式会社 医薬研究本部
申請課題名 拡張アンサンブルシミュレーションによるタンパク質とリガンドの結合構造予測の展開
利用課題概要  拡張アンサンブル分子シミュレーション法によりタンパク質とリガンドの結合構造、結合自由エネルギー、機能ダイナミクスを予測する手法の開発と検証をする。従来の手法では実験を置き換えるレベルに至っておらず、それを目指したシミュレーション手法のさらなる高精度化と検証が必要とされている。本年度は特に、これまでに開発した二次元レプリカ交換法の、1.初期配置の最適化、2.束縛条件の検討、3.膜タンパク質のためのプロトコルのさらなる改良、に取り組む。また、昨年度に引き続き、自由エネルギー計算との連携を強化して結合モード予測から結合自由エネルギー予測をスムーズに実施できるように検討する。さらにGPUを効率的に使用して、主成分解析などの手法を用いた機能性ダイナミクスの解析を実施する。 
会社名 : 太陽誘電株式会社
申請課題名 電子デバイス材料の計算機設計
利用課題概要   電子デバイスには様々な機能を有する材料が求められている。そこで用いられる固体無機材料はごくわずかな欠陥や不純物に起因する材料内部のナノレベルの構造変化によってその電子物性が大きく変化する事が知られており、また有機材料においてもデバイスに応じた原子レベルでの特性理解と分子構造設計が必要とされている。本利用課題では、実験のみのアプローチでは理解が困難なこれら原子レベルでの材料設計を計算機上で行い、その有効性を示す。 
会社名 : 株式会社JVCケンウッド
申請課題名 TSUBAME2.5利用による大規模な光の波面伝搬計算
利用課題概要   光の情報を忠実に再現できるホログラフィ技術は次世代の立体映像表示技術として期待されており、電子化による動画再生が可能なディスプレイの開発や静止画記録に関する研究が行われている。しかし一般的に光の波長オーダーでサンプリングされた情報を扱うことから、再生するための光の情報を計算する際にデータ量・計算量が膨大となり、映像のサイズやクオリティが大きく制限されている。本利用課題では、TSUBAME2.5の高い並列処理能力と潤沢なメモリ資源を有効に活用することで、大規模な光の波面伝搬計算およびホログラムデータの生成を実現する。生成されたデータは数値シミュレーション又は静止画のホログラム記録を介して妥当性を評価し、既存の制約を超えた立体映像表現を実現することを目的とする。 
会社名 : 株式会社構造計画研究所
申請課題名 三次元の広帯域地震動シミュレーションの実用化に向けた検討
利用課題概要  平成23年度の課題では3次元波動伝播プログラムをTSUBAMEに移植して最適化を行い、発生確率が高いと言われている東海・東南海・南海地震を対象とした大規模波動伝播シミュレーションを実施した。平成24年度は、強震動評価結果の工学的な妥当性、および耐震工学上重要な周期1秒以下の短周期地震動の計算精度の向上のための検討を行い、プログラムの実用化に向けた取り組み(平成25年度8月まで継続して行う計画)の一部を実施し、中間的な報告を行った。本課題では、引き続き実用化に向けた検討を実施する。 
会社名 : TOTO株式会社 技術開発センター
申請課題名 衛生陶器混相流シミュレーションの商品設計および販促への展開
利用課題概要  TOTOでは2017年環境ビジョン「TOTO GREEN CHALLENGE」を掲げ、全商品にわたる節水化およびそれに伴うCO2削減を強力に推進している。トイレ等の衛生陶器では、「GREENMAX」と銘打ち、「少ない水でもしっかり流す。」をコンセプトに商品を展開している。衛生陶器節水化の技術課題の一つとして、陶器表面に付着汚れを残さず洗い流すための効率的な流し方の確立が挙げられる。流体解析を用いることにより試作を繰り返すことなく様々な陶器形状や給水方法を事前検討できるが、陶器表面の薄膜の流れは気液二相流体解析では非常に細かいメッシュ分割および高精度な混相流計算手法が必要である。平成25年12月~平成26年3月の有償利用により、TSUBAME2.5においてあらゆる衛生陶器商品において薄膜陶器表面流れをシミュレートできるようになり、現在新商品設計等に活用している。次の課題として、洗浄時の陶器表面流れを含めた諸現象の評価検討を行うとともに、この技術を販売の第一線におけるお客様プレゼンツールとしても活用を検討する。 
会社名 : トヨタ自動車株式会社
申請課題名 塗工スラリーの分子シミュレーション
利用課題概要  スラリーの塗工は電池の電極作成などで広く行われている工業プロセスであり、微粒子・溶質・溶媒を基板の上に塗布した後に加熱して溶媒を蒸発させることで微粒子・溶質からなる多孔質体構造を得る。この工業プロセスを改善するためには、微粒子の表面改質や溶質・溶媒の分子構造の改良が重要であるが、現状は経験的・試行錯誤的なアプローチが一般的である。この問題に対し、本課題では、スラリーからの溶媒蒸発のシミュレーションを大規模な分子モデルにより実施し、溶媒・溶質分子種による形成構造の違いについて検討し、性能改善の指針を得ることを目的とする。 
会社名 : 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所
申請課題名 ワイヤレス電力伝送による漏えい電波の環境解析技術の研究開発
利用課題概要  近年、電波の利用方法としては、通信だけではなく、電力伝送技術が注目されている。2015年以降の実用化が予定されているワイヤレス電力伝送(WPT)システムとして、電気自動車用の大電力(数kW)を伝送するものや、家電機器用の中電力(数百W)を伝送するものなど、多種多様な方式開発が進められている。WPTシステムは、一般家庭や集合住宅への普及が見込まれており、使用範囲として住宅内に限らず屋外の駐車場も含めた広い空間が想定されている。そのような環境でWPTシステムを実現するには、WPTシステムから発生する漏えい電波が、近接する機器に与える影響を分析することが必須であるが、そのためには数十kHz~数GHzの周波数領域における漏えい電波の強度分布をシミュレーションにより評価する技術を確立する必要がある。そこで、本研究開発では、WPTシステムをはじめとする各種電子機器等が密集して設置された環境(住宅内等)における漏えい電波の発生源及び設置環境をモデル化して、漏えい電波の状況を分析できるシミュレーション技術を確立する。なお、本研究開発は、総務省委託研究開発「ワイヤレス電力伝送による漏えい電波の環境解析技術の研究開発」の一環として実施する。 
会社名 : スタッフ株式会社
申請課題名 大容量データ伝送用ミリ波アンテナのレドームに関する基礎検討
利用課題概要  近年モバイル端末の普及、およびコンテンツ情報量の増大に伴い、通信ネットワークトラフィックが爆発的に増大しているなか、ミリ波帯を使用した大容量のデータ伝送が可能な無線装置が注目されている。使用されるアンテナにおいては、通信距離の確保、通信の安定化などを実現する為に、アンテナに求められる性能は極めて高く、また屋外で使用するため、気象の悪条件も考慮したものが必要となる。本課題では、気象の悪条件からアンテナを保護する役割をもつレドームに注目、ミリ波帯におけるレドームの影響を電磁界解析で明らかにする。 特にレドームの比誘電率の違いによるアンテナ利得、指向性の変化について検証を行う。 
会社名 : 株式会社豊田中央研究所
申請課題名 Liイオン二次電池負極/被膜界面におけるLi 脱挿入過程に関するハイブリッド量子古典シミュレーション
利用課題概要   リチウム(Li)イオン二次電池では、電解質相を介して正極と負極の間でLi イオンが移動し、それに付随して種々の反応が進行することで充放電が行われる為、各反応過程の詳細を理解する必要がある。電極活物質や電解質材料に対しては実験・理論の両面からさまざまな解析が進められているが、電極界面反応はあまり明確にされていない。特に、負極界面には有機電解液の還元分解に伴って有機化合物と無機化合物から成る被膜(SEI)が形成されるため、負極/被膜界面反応のメカニズムを理解することは、高性能Li イオン二次電池の開発にとって重要となる。本利用課題では、負極/被膜界面におけるLi 移動と電気化学反応の詳細を、ハイブリッド量子古典法を用いて調べる。ハイブリッド量子古典シミュレーション法では、電子状態の変化が重要となる量子領域に密度汎関数法など高精度量子力学計算手法を適用し、量子領域を経験的相互作用モデルで表したシステム全体に埋め込んで計算を行う。従って大規模系の物質移動と化学反応の両方を取り扱うことができるため、界面におけるLi 移動反応を調べるのに適した手法である。 
会社名 : 株式会社風工学研究所
申請課題名 オープンソースコードによる風速の地形影響評価に関するLES
利用課題概要   地形の起伏がある場所に建築物を建てる場合には,建築基準法に基づき地形の影響による風の増速を評価する必要があるが,その評価手法や評価基準については明確な情報が示されていないのが現状である。近年,計算機資源が充実したことや数値流体解析技術が進歩したことにより,数値流体解析による風速の地形による影響評価が実施されるようになってきており,その実用化への期待が高まっている。本研究では,フリーソフトであるOpenFOAM を用いて変動成分まで予測可能なLES により,単純化した地形および複雑な起伏を有する実在地形を対象として変動成分まで含めた風速の予測を行う。LES は一般的に計算負荷がかなり高くなるが,TSUBAME2 の計算資源を利用することで大規模な並列化が可能となり,高解像度の解析格子を用いた解析が高速に実行されることが期待される。得られた解析結果を既往の風洞実験結果や観測結果と比較して計算精度の検証を行ったうえで,適切に解析を行うための解析モデルの作成方法や計算条件の整理を行い,適切な風速の地形影響評価のための解析を実施するための道筋を示すことを目的とする。 
会社名 : 住友化学株式会社先端材料探索研究所
申請課題名 理論計算に基づく有機半導体材料の開発
利用課題概要   理論計算に基づく新規有機半導体材料の設計・開発を目的とする。例えば、導電性高分子における伝導現象を理論的に解析し、実験結果と比較することによって、有用な知見を得、それを材料設計にフィードバックして開発を促進する。 

 

 

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