平成27年度、平成26年度、平成25年度、平成24年度、平成23年度、平成22年度、平成21年度、平成20年度、平成19年度
課題種別 | 応募数 | 審査数 | 採択数 | 採択枠(第1,2回公募の合計での予定枠) |
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戦略分野利用推進課題種別 「計算化学手法による創薬技術の開発」 |
1 | 1 | 1 | 10件程度 |
戦略分野利用推進課題種別 「大規模流体-構造連成解析技術の開発」 |
1 | 1 | 1 | |
戦略分野利用推進課題種別 「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 |
6 | 6 | 6 | |
戦略分野利用推進課題種別 「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」 |
2 | 2 | 2 | |
新規利用拡大 | 5 | 5 | 5 | 6件程度 |
小計 | 15 | 15 | 15 |
課題番号 | 申請課題名 | 会社名 | 課題種別 | 状況 | 利用 報告書 |
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1 | 拡張アンサンブルシミュレーションによるタンパク質とリガンドの結合構造予測法の開発 | 武田薬品工業株式会社 医薬研究本部 探索研究センター | 戦略分野利用推進「計算化学手法による創薬技術の開発」 | 終了 | ||
2 | 遷移金属錯体触媒を用いたカップリング反応メカニズムの理論研究 | 住友化学株式会社 有機合成研究所 | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | 終了 | ||
3 | 流体構造連成シミュレーションによるターボ機械流体関連振動解析技術の実用化 | 株式会社 荏原製作所 開発統括部 技術開発室 (申請、課題選定評価委員会採決時は株式会社 荏原総合研究所 機械研究室) |
戦略分野利用推進「大規模流体‐構造連成解析技術の開発」 | 終了 | ||
4 | 淡水レンズ再現・予測計算ツールの整備 | 株式会社 計算力学研究センター 第二技術部 | 戦略分野利用推進「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」 | 終了 | - | |
5 | 複数車体の移動を考慮した電着塗装シミュレーション技術の開発 | 株式会社 ディライト | 新規利用拡大 | 終了 | - | |
6 | 機能性有機分子の安定性に関する最適化設計の研究 | 太陽誘電株式会社 開発研究所 技術企画統括部 | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | 終了 | ||
7 | 素反応過程を考慮した燃焼のシミュレーション技術の開発 | 株式会社 爆発研究所 | 新規利用拡大 | 終了 | - | |
8 | 排ガス浄化触媒材料開発における第一原理シミュレーション | 日産自動車株式会社 | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | 終了 | ||
9 | 酸化物分散強化鋼の密度汎関数理論による界面エネルギー計算 | 株式会社コベルコ科研 | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | 終了 | - | |
10 | アジアモンスーン地域の津波・高潮メガリスクに関する防災シミュレーション | 日本工営株式会社 | 戦略分野利用推進「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」 | 終了 | - | |
11 | リチウムイオン二次電池正極の材料設計 | アドバンスソフト株式会社 | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | 終了 | ||
12 | 鋼材強化に資する微細析出物成長の計算機シミュレーション | 新日本製鐵(株) | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | 終了 | ||
13 | 新概念による大規模並列電磁界解析技術研究 | ソニー 株式会社 | 新規利用拡大 | 終了 | - | |
14 | One to One データマイニングシステムの開発と評価 | ソフィア総合研究所株式会社 | 新規利用拡大 | 終了 | - | |
15 | 進化的映像符号化の高度並列シミュレーション | NTTサイバースペース研究所 | 新規利用拡大 | 終了 |
課題番号 | 申請課題名 | 会社名 | 課題種別 | 採択年度 | 利用 報告書 |
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1 | 高層ビルの大規模非線形地震応答解析 | 株式会社アライドエンジニアリングADVC事業部 | 戦略分野利用推進「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」 | H20 | |
2 | ナノ炭素、ナノ窒化ホウ素の制御された加工方法を探るシミュレーション | 日本電気株式会社 R&Dユニット 中央研究所 ナノエレクトロニクス研究所 | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | H20 | |
3 | 日本全国の地震災害リスク評価 | 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 自然災害リスクグループ | 戦略分野利用推進「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」 | H20 | - |
4 | ナノ構造設計に基づく機能性無機材料の開発 | 住友化学株式会社 筑波研究所 | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | H20 | |
5 | 大規模ALMシミュレーションへのHPC技術の適用 | ニューメリカルテクノロジーズ株式会社 | 戦略分野利用推進「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」 | H20 | |
6 | タンパク質-化合物間の高精度結合自由エネルギー計算 | 富士通株式会社 バイオIT事業開発本部 バイオケミカルプロジェクト室 | 戦略分野利用推進「計算化学手法による創薬技術の開発」 | H20 | |
7 | 大規模空間での高い周波数におけるアンテナ伝播・電磁界シミュレーション | アジレント・テクノロジー株式会社 EDAアプリケーションエンジニアリング | 戦略分野利用推進「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」 | H20 | - |
8 | 新規材料開発のための、オーダーN法による金属酸化物表面の第一原理シミュレーション | アクセルリス株式会社 モデリングシミュレーション部 | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | H20 | |
9 | 希土類永久磁石材料の磁気特性解析 | 株式会社日立製作所 基礎研究所 ナノ材料・デバイスラボN07ユニット | 戦略分野利用推進「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 | H20 | |
10 | 巨大生体分子の非経験的分子軌道法による設計指針構築 | 株式会社 三菱化学科学技術研究センター | 戦略分野利用推進「計算化学手法による創薬技術の開発」 | H19 | |
11 | タンパク質一次構造の網羅的解析による創薬技術の開発 | ライフィクス株式会社 | 戦略分野利用推進「計算化学手法による創薬技術の開発」 | H19 | |
12 | コンピュータ支援によるポリアミン誘導体医薬品の開発 | 株式会社アミンファーマ研究所 | 戦略分野利用推進「計算化学手法による創薬技術の開発」 | H19 | |
13 | CONFLEXを用いた配座探索および結晶多形解析 | コンフレックス株式会社 | 戦略分野利用推進「計算化学手法による創薬技術の開発」 | H19 | |
14 | 電磁場中大規模粉体挙動シミュレーションによる電子写真設計プロセス革新 | 株式会社リコー 研究開発本部 基盤技術研究所 解析シミュレーションセンター | 戦略分野利用推進「大規模流体-構造連成解析技術の開発」 | H19 |
申請課題名 | 拡張アンサンブルシミュレーションによるタンパク質とリガンドの結合構造予測法の開発 |
利用課題概要 |
タンパク質と結合するリガンドの結合構造の予測法を開発した。我々の方法は拡張アンサンブル法の一つであるレプリカ交換アンブレラサンプリング法と、平均力ポテンシャル、主成分軸上のリガンド自由エネルギー地形解析に基づいた方法である。テストケースとして5つのタンパク質リガンド複合体系に適用したところ、タンパク質とリガンドが完全に離れた状態からシミュレーションを始めて、PDBに登録された実験構造と類似した結合構造を予測することに成功した。これは、タンパク質‐リガンド結合過程におけるタンパク質、リガンド及び溶媒水のエンタルピー・エントロピー効果や結合に伴う構造変化を原子レベルで取り入れた初めての計算であり、水分子を含んだ安定な水素結合ネットワークを予測することができた。 |
申請課題名 | 遷移金属錯体触媒を用いたカップリング反応メカニズムの理論研究 |
利用課題概要 |
遷移金属錯体触媒を用いたカップリング反応のメカニズムについて、量子化学計算を用いて詳細に解析する。各反応パスにおける遷移金属錯体の中間体・遷移状態構造を特定し、遷移金属の電子状態およびナノスケールで反応に影響を与える嵩高い配位子や反応基質さらには添加剤や溶媒の役割を定量的に解明することで、触媒活性に重要な因子を特定し、高活性な新規触媒系の設計に繋げる。 |
申請課題名 | 流体構造連成シミュレーションによるターボ機械流体関連振動解析技術の実用化 |
利用課題概要 |
ターボ機械において高速化・コンパクト化等によって流体内部に働く非定常な変動力が増加することで羽根車やケーシング並び軸受部等に振動や破損が生じるといった流体関連振動の問題が多く発生し、ターボ機械開発における信頼性向上並びに省エネルギー化、環境負荷低減に対して妨げとなっている。本利用課題では、ターボ機械のオフデザイン運転領域における流体関連振動を高精度に予測することによってターボ機械の最適・健全設計に有効且つ実用的な予測技術を開発することを目的としている。本報告では、流体関連振動の原因と考えられる流体内部に発達した非定常不安定流れを再現する予測技術としてLES 乱流モデルを用いた非定常流体解析を適用することによって不安定流れに起因するインデューサ付きディフューザポンプの揚程ストール特性についてより高い精度の予測結果が得られた。 |
申請課題名 | 淡水レンズ再現・予測計算ツールの整備 |
利用課題概要 |
沖縄地方の島嶼・マーシャル諸島・バハマなどの国内外の島嶼において淡水レンズは貴重な水資源である。しかしながら、淡水レンズからの過取水、過蒸発により周期的に塩水浸入に冒されており、汲み水の質と量を低減させ、住民の生活を脅かしている。および、気候変動による海面上昇が、淡水レンズへの塩水浸入をさらに加速すると予想されている(IPCC special reports, The Regional Impacts of Climate Change)。モルジブにおいて、津波により淡水レンズに塩水が浸入し生活水の確保が難しくなったとき、専門家から移住という解決策が示されたという事例があり、淡水レンズに生活水を大きく依存している島嶼では、事態が悪化した場合、環境難民が発生する恐れがある。このようなリスクを管理するため、淡水レンズの維持対策の実施や淡水レンズの水資源開発を適切に示した水資源開発計画の策定が緊急課題となっている。この計画策定において、コンピュータシミュレーションから推定された取水可能量等の計算値は有用な参考資料となる。 |
申請課題名 | 複数車体の移動を考慮した電着塗装シミュレーション技術の開発 |
利用課題概要 |
近年、自動車の防錆塗装として用いられる電着塗装の膜厚を、シミュレーションにより予測する技術が実用化され、設計工程の大幅な合理化に成功している。電着塗装工程では、槽壁面に複雑に配置された電極の間を、複数の車体が電着槽内を移動しつつ塗装されているが、現状では、固定された状態の車体の一部分のみを数百万メッシュ程度の規模でモデル化し、実測値を基に仮定した電位条件を与えて解析するにとどまっている。本課題では、より正確な膜厚分布の予測、塗装設備の効率化など、さらに広範囲な塗装技術への貢献のため、企業で所有する計算機の限界を大きく超える、3~4億メッシュ程度からなるモデルを用い、複数の車体全体モデルによる槽内での移動を考慮したシミュレーション技術の確立を目的とする。 |
申請課題名 | 機能性有機分子の安定性に関する最適化設計の研究 |
利用課題概要 |
本研究では、電子デバイスに用いられる機能性有機材料の安定分子構造設計の指針を量子化学計算によって得る事を目的とする。電子デバイス用途の電解液の溶媒として多く用いられているプロピレンカーボネート(PC)を計算対象として取り上げ、電気分解と加水分解過程の計算を通じて安定性を見積もった。また、PCの側鎖置換による溶媒の安定性変化を見積もった結果、検討した溶媒種の中ではオリジナルのPCが最も安定である事が分かり、溶媒として優れた特性を有していることを確認した。さらに、電解液の粘度設計を目的とし計算から得られる典型的なパラメータと粘度との相関を調査し、粘度設計に向けたコンピュータの応用について検討を行った。 |
申請課題名 | 素反応過程を考慮した燃焼のシミュレーション技術の開発 |
利用課題概要 |
燃焼現象を数値的に解析する技術は、現状でかなり進んでいるが、圧縮性かつ化学反応を伴う現象であることを考えると、燃焼現象を的確に捉え、汎用性のある誰でもが使えるプログラムというのはまだ無い。層流火炎についてはかなりシミュレートできるが、乱流現象をしっかり把握しなければならない乱流火炎、さらには高速火炎であるデトネーションにいたっては化学反応の素過程の圧力依存が最近やっと考慮されるようになってきているものの、大学・研究所レベルでの研究にとどまっており、企業におけるシミュレーションのレベルには至っていない。 |
申請課題名 | 排ガス浄化触媒材料開発における第一原理シミュレーション |
利用課題概要 |
密度汎関数法を用いて、新規排ガス浄化触媒開発のため検討を行う。 |
申請課題名 | 酸化物分散強化鋼の密度汎関数理論による界面エネルギー計算 |
利用課題概要 |
耐高温と耐クリープ強度に優れる酸化物分散強化型鋼は、数nm以下の酸化物粒子がフェライト中に分散している特長を示す一方で、その酸化物析出過程は未知の部分が多い。今回は金属/金属酸化物界面エネルギーを見積もり、この析出過程について知見を得ることを目的とした。本課題ではフェライト鋼と代表的酸化物(Y2O3, Al2O3, TiO2)の接合界面について調査する。 |
申請課題名 | アジアモンスーン地域の津波・高潮メガリスクに関する防災シミュレーション |
利用課題概要 |
本利用課題では、三次元VOF法解析コード等を用いて、日本及びアジアモンスーン地域における津波・高潮・洪水における氾濫浸水挙動の解析を行うと共に、詳細の地形条件による浸水予測区域図の作成を行う。従来の浸水予想区域図は、数十m~数百mの直交格子により平面二次元解析により行われてきたが、本課題では、建物の詳細の条件および流体力を正確に評価することを目的として三次元解析により氾濫挙動を解析評価する。 |
申請課題名 | リチウムイオン二次電池正極の材料設計 |
利用課題概要 |
リチウムイオン二次電池正極の電極電位を、密度汎関数理論(Density Functional Theory, DFT)に基づく第一原理擬ポテンシャルバンド計算により評価する。遷移金属の局在軌道での電子間相互作用を考慮するためにDFT+U法を採用し、定量的な比較を試みる。さらに、電極電位のパラメーターU依存性や原子配置最適化の影響を調べる。 |
申請課題名 | 鋼材強化に資する微細析出物成長の計算機シミュレーション |
利用課題概要 |
鋼材の強度設計に影響を及ぼす微細析出物の成長機構解明のためのシミュレーションを実施する。具体的には、NaCl型析出物について、クラスタ状態、整合析出物、部分整合析出物の安定性を第一原理計算によって見積り、従来計算では未着手であった析出物の成長過程を調べる。 |
申請課題名 | 新概念による大規模並列電磁界解析技術研究 |
利用課題概要 |
弊社開発による改良型Finite Integration Algorithmに基づく積分形時間領域電磁界解析(用語1)コードを用いて大規模電子機器における環境電磁ノイズ(注釈1)の発生、伝導、放射現象を解析し、最適なノイズ低減設計を行う。近年の電子機器の高速化に伴い、副次的に発生する環境電磁ノイズが問題となっている。本利用課題では、複雑な電子機器を簡略化することなく詳細に数値モデル化することで環境電磁ノイズの発生メカニズムを新概念によるGPU高速計算手法により可視化し、電子機器からのノイズを効果的に低減させる最適設計を数値シミュレーションにより行うことを目標とする。 |
申請課題名 | One to One データマイニングシステムの開発と評価 |
利用課題概要 |
分散型データウェアハウスによる膨大な蓄積データの有効利用と、容易なデータ分析、活用環境の提供により、購買活動を促進する方法の確立を目標とする。データの授受については、ゲートウェイを用いて複数のサイトを1つの仮想データウェアハウスとするシステムの開発を目指す。ゲートウェイには汎用的なWEB-APIを実装し、各サイトが発信する情報をデータベース(DB)に登録する。一定時間ごとに複数の集計パターンを適用し、結果を別のDBに登録、レプリケーションを行い本来の集計に備える。 実際に多くのサイトを連携させることの出来ない実験段階では複数の仮想マシンをそれぞれのサイト(一次データウェアハウス)とみたて、参照用DBを複数の仮想マシンに分散する。ゲートウェイは大量のCPU、メモリ、ディスクを必要とする。データウェアハウスの中から特定の目的に合わせた部分を取り出したデータマートには高速な計算性能が必須となる。より多くの分析結果を高速にフロントエンドに返すためには可能な限り再分析を避けるキャッシュ技術の開発が必須である。この開発、運用には、やはり大量のハードウェアリソースを必要とする。 以上の要求からTSUBAMEを利用し、その実現可能性と実行性能の検討を行いたい。 |
申請課題名 | 進化的映像符号化の高度並列シミュレーション |
利用課題概要 |
遺伝的プログラミング(GP)に基づく「進化的手法」は、計算機によるアルゴリズム自動生成を可能とし、プラント制御、ロボット制御、株価予想など幅広く応用されている。しかしながら、JPEGやH.264/AVCなどの従来の映像/画像符号化方法は、すべて固定された(動的でない)アルゴリズムを用いている。筆者が検討を進めている「進化的符号化」は、GPに基づき入力画像に特化した画像予測アルゴリズムを自動生成するもので、従来の「固定アルゴリズム」「人が考案」「人がコーディング」からの脱却を図る、新たなパラダイムに向けた試みである。本論文では、進化処理をz並列化し、さらにTSUBAMEを用いることで進化処理が2-3桁高速化し予測効率が約2%向上した事例を紹介する。 |
申請課題名 | 高層ビルの大規模非線形地震応答解析 |
利用課題概要 |
建築構造物を、ソリッド要素を用いて標準的な有限要素法解析を行う試みは、実施者らの知り得る限り、世界的に見ても例がない。当社は、防災科学技術研究所・数値震動台開発分科会の協力を得て、汎用並列有限要素法コードADVENTURECluster ソルバに大規模地震応答解析の機能を備えるべく、開発を進めている。本解析では、TSUBAMEの並列性能を最大限引き出し、大規模地震応答解析コードの実用化を目指す。 |
申請課題名 | ナノ炭素、ナノ窒化ホウ素の制御された加工方法を探るシミュレーション |
利用課題概要 |
H21年度の成果として、2層よりなるhBNの機械的圧力印加による光吸収エネルギー変調の調査と、極性結晶方位による内部電界による光起電効果の実証、及び光起電の第一原理計算手法の開発を挙げる。hBNはグラファイトに似た蜂の巣状格子をB(ホウ素)とN(窒素)原子が交互に並んでつくっている層状物質で、2層のhBNに圧力印加した場合の光学遷移エネルギーの変調を計算した。計算によると残念ながら著しいバンドギャップ変化は見られず、k-空間中での遷移する位置が変わるのみであった。また、pn接合を有しない極性結晶SiCのナノ薄膜において光起電効果が期待できることがシミュレーションよりわかった。このようなシミュレーション手法と極性結晶の性質は他に例を見ないユニークな研究成果である。 |
申請課題名 | 日本全国の地震災害リスク評価 |
利用課題概要 |
日本は世界的に見て地震大国で、日本各地どこでも大地震に見舞われる可能性があるため、そのリスクマネージメントが社会にとって重要な課題となっている。本課題では、防災・減災といったリスクマネージメントを社会的に進めるため、日本全国の地震リスクの定量化を行い、各地域に最適なリスクマネージメント手法の構築を試みる。地震リスクの定量化は、地震ハザード評価と脆弱性評価からなる。地震ハザード評価では、日本周辺で発生が予想される全ての地震とその発生確率を考慮して、地震ハザードカーブ(地震動強度と年超過確率の関係)を評価する。また、脆弱性評価では、評価対象のフラジリティカーブ(地震動強度と脆弱性の関係)を算出する。また、最後に両者を合積することにより、被害の発生確率を定義づけるリスクカーブを算出し、地域ごとの地震リスク量の差異を把握する。 |
申請課題名 | ナノ構造設計に基づく機能性無機材料の開発 |
利用課題概要 |
TSUBAME システムの利用を通して、グラフェンシートのナノ構造から、さらに大きなサイズの仮想的なモデル構造の構築を行った。得られた構造について、密度汎関数法に基づく計算により、安定な最適構造を求めるとともに、その構造におけるラマンスペクトルを計算した。求められたスペクトルは、炭素材料に見られるような特徴的な形状を示し、仮想的な湾曲構造の可能性が示唆された。TSUBAME システムを有効活用した、これら一連の検討を通して、目的とする材料の最適構造設計に向けた基礎的手法を開発し、材料構造の安定性やスペクトルの解析を実施した。 |
申請課題名 | 大規模ALMシミュレーションへのHPC技術の適用 |
利用課題概要 |
金融機関のリスクエクスポージャーの規模は自己資本比率規制(Basel II)に基づいて制御されている。2007-08年に起きた金融危機の結果、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は従来型の市場リスクと信用リスクに加えてカウンターパーティ・クレジットリスク(CCR)を含む新しい規制を課そうとしている。次世代の資産負債管理(ALM)は、こうした制約条件下での最大収益を目指さねばならない。現在のALMに内在する欠陥を避けるには次の条件が必須である。(1) 現実の会計ルールに即した方法での個々の取引の勘定処理、(2) 時間経過に伴って進行する市場価格変動と個別企業の信用格付け変化のシナリオパス、(3) 各シナリオパスに対する数年間に及ぶ日次の洗い替え。そのような計算には大規模なシミュレーションが必要であるため、計算コストが高すぎてこれまでは現実的でなかった。本研究では最新のHPCによってたとえ現在最大規模の銀行が対象であってもこうしたシミュレーションが実用化可能であることを示した。 |
申請課題名 | タンパク質-化合物間の高精度結合自由エネルギー計算 |
利用課題概要 |
計算物理(化学)に代表される第三の物理(化学)は、事象の原因・理論の検証など登場当時の主舞台から未実験の事象、未発見の物質探索などの予測側面を強調した段階に発展した。タンパク質-化合物間の結合自由エネルギーを高精度に計算することによって、薬剤候補化合物探索を計算機実験に置き換えることが可能であることが分かった。自由エネルギーの温度変化から導出されたエントロピー項は実験をよく再現した。 |
申請課題名 | 大規模空間での高い周波数におけるアンテナ伝播・電磁界シミュレーション |
利用課題概要 |
アジレント・テクノロジー社開発の時間領域差分法(FDTD法)電磁界シミュレータAMDSを用いて大規模な空間・構造体の高周波での電磁界解析手法を開発する。これにより、実験だけでは現象を理解することが困難な電磁界の分布を視覚化でき、最適なアンテナの形状・位置だけでなく空間全体を含めた評価・解析が行えるようになる。その結果、より効率的で確実な無線通信の社会基盤整備に貢献でき、安全面、経済面での効率化を達成できる。 |
申請課題名 | 新規材料開発のための、オーダーN法による金属酸化物表面の第一原理シミュレーション |
利用課題概要 |
遷移金属酸化物は触媒や塗料、電子デバイス等の開発において、非常に重要な役割を果たしている。遷移金属酸化物における研究課題の一つとして、触媒反応の活性と選択性における表面欠陥の影響が重要視されている。遷移金属酸化物の表面酸素欠陥はホストの系に対して構造および電子状態の変化を引き起こす。 今回の利用においてはこれらの系に対するコンピューターシミュレーション技法を検討するために、非常に良く知られている酸化アルミニウムの系において点欠陥を持つモデルを構築、オーダーN法のDFT計算手法であるONETEPでシミュレーションを実行、結果の検証を行った。また、酸化ガリウム、酸化インジウムの系においても予備的な計算を行った。 |
申請課題名 | 希土類永久磁石材料の磁気特性解析 |
利用課題概要 |
焼結磁石の磁性解析手法開発を目的とし、擬原子軌道ベース擬ポテンシャル法による第一原理計算でf電子を考慮した電子状態、磁気モーメント、結晶磁気異方性エネルギーを算出した。組成式R2Fe14B (R=Y, Pr, Nd, Gd, Dy)の磁性体において、希土類元素Rの電子状態を系統的に調べ、MAE解析を実施することで擬原子軌道ベース擬ポテンシャル法が有効であることを示した。また、局在する4f電子の軌道磁気モーメントに着目し解析を行った結果、物性値解析を改善するための計算方法開発方針を得た。 |
申請課題名 | 巨大生体分子の非経験的分子軌道法による設計指針構築 |
利用課題概要 |
FMO法を利用し、量子化学計算による生体高分子NMR化学シフトを予測する手法を開発した。 フラグメント分割により生じるゲージ依存の問題を解消するためGIAO法、及びCSGT法との組み合わせを適切に行うプログラムを開発した。 10残基ペプチド、32残基αへリックス、βシートとユビキチンたんぱく質に対して計算を行い、生体高分子NMR化学シフトを高精度に計算できることを示した。 さらに計算精度を高めるためにカットオフ長を導入し、化学シフト計算に適したフラグメント分割をおこなうCutoff-FMO-NMR法を開発した。 |
申請課題名 | タンパク質一次構造の網羅的解析による創薬技術の開発 |
利用課題概要 |
データベースとして存在するタンパク質のアミノ酸配列(ペプチド配列)の理論質量と、その配列が質量分析された場合のフラグメント質量の実測値と比較することで、タンパク質の一次構造の解析が幅広く行われている。しかしながらタンパク質のような巨大分子の一次構造解析においては、分析装置から得られるデータ量が膨大な上、そこから考えられる一次構造の計算が複雑かつ多様であるがゆえに、実験時の消化エラーや検討すべきタンパク質の翻訳後修飾の考慮が演算量ゆえに十分できず、解析精度を犠牲にすることも少なくない。そこで本プロジェクトでは、現実時間でより綿密な解析を行う為の高速なタンパク質一次構造計算手法の開発を目的とする。 |
申請課題名 | コンピュータ支援によるポリアミン誘導体医薬品の開発 |
利用課題概要 |
ポリアミンは,細胞の増殖・分化に必須の成長因子であると共に,一旦,細胞外に漏出されると,酸化酵素であるポリアミンオキシダーゼによって分解され,極めて毒性の高い物質であるアクロレインを生成する.そこで,ポリアミン誘導体が治療薬として有効と期待される疾病(がん,脳梗塞および腎不全等)を対象として,がん細胞の増殖機構とその増殖制御機構をmRNA・ポリアミン複合体やtRNA・ポリアミン複合体の立体構造情報を基に分子動力学計算を用いて解析すると共に,脳梗塞および腎不全の病因タンパク質であるポリアミンオキシダーゼによるポリアミンからのアクロレイン生成機構を分子動力学計算と量子化学計算により解析することにより,ポリアミン誘導体医薬品を開発する. |
申請課題名 | CONFLEXを用いた配座探索および結晶多形解析 |
利用課題概要 |
分子性結晶の結晶多形現象の解析や結晶多形スクリーニングを実施するために,分散処理技術を用いて結晶計算法と配座空間探索法を改良し,高速な結晶構造予測法を開発した.並列化した結晶計算法は,127 workersを利用した結晶構造最適化計算において123倍の高速化を実現した.また,タンパク質の安定コンホメーションを可能にする配座空間探索法の高速化は,31 workersを利用して30倍にまで到達した.これらの改良を行った結晶構造予測法を医薬品化合物であるマレイン酸ヒドラジドに適用したところ,結晶多形として存在する可能性の高い, 2種類の新しい結晶構造を得た. この研究では,410種類の化合物について910種類の結晶多形構造の結晶構造を最適化し,その結晶構造の座標や分子力場に基づく結晶エネルギー値などをデータベースとして蓄積した. |
申請課題名 | 電磁場中大規模粉体挙動シミュレーションによる電子写真設計プロセス革新 |
利用課題概要 |
電子写真機器における画像形成プロセスを担う現像ユニットの設計は,製品の品質を左右する重要か |