令和4年度、令和3年度、令和2年度、平成31年度、平成30年度、平成29年度、平成28年度、平成27年度、平成26年度、平成25年度、平成24年度、平成23年度、平成22年度、平成21年度
利用区分 | カテゴリー | 応募数 | 採択数 |
---|---|---|---|
学術利用 | 成果公開 | 9 | 9 |
産業利用 | 成果公開 | 7 | 7 |
成果非公開 | 6 | 6 | |
社会貢献利用 | 成果公開 | 0 | 0 |
成果非公開 | 0 | 0 | |
合計 | 22 | 22 |
番号 | 所属機関 | 申請課題名 (課題概要) | 利用区分 (カテゴリー) |
利用 口数 |
報告書 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 理化学研究所次世代計算科学分子スケールチーム | MSES 法によるタンパク質複合体シミュレーション | 学術利用 (成果公開) |
2 | |
2 | 京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻 | 大規模ウェブコーパスからの知識獲得およびその応用 | 学術利用 (成果公開) |
20 | |
3 | 京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻 | 会話エージェント構築のための大規模ウェブコーパスからの知識獲得 | 学術利用 (成果公開) |
20 | |
4 | 九州大学応用力学研究所 | 金属中の格子欠陥の構造と相互作用に関する第一原理計算 | 学術利用 (成果公開) |
1 | |
5 | 桐蔭横浜大学 | ATP加水分解によって惹き起こされるミオシン分子モーターの変形運動に関する分子動力学シミュレーション | 学術利用 (成果公開) |
1 | |
6 | 筑波大学数理物質系 | TSUBAME2 GPUによるη-η’中間子質量の計算 | 学術利用 (成果公開) |
2 | |
7 | 理化学研究所生命システム研究センター | タンパク質間相互作用阻害ペプチドの設計 | 学術利用 (成果公開) |
5 | |
8 | 筑波大学 数理物質系 | TSUBAME2 GPUによる非連結グラフ計算の改良とη-η’中間子質量の計算 | 学術利用 (成果公開) |
5 | |
9 | 首都大学東京 理工学研究科 | TSUBAME2 GPU によるスピン系のクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーション | 学術利用 (成果公開) |
1 | |
10 | 武田薬品工業株式会社医薬研究本部 | 拡張アンサンブルシミュレーションによるタンパク質とリガンドの結合構造予測法の開発 | 産業利用 (成果公開) |
10 | |
11 | 住友化学株式会社筑波研究所 | 理論計算に基づく有機半導体材料の開発 | 産業利用 (成果公開) |
10 | |
12 | 日東電工株式会社 | 高分子中における低分子拡散挙動のシミュレーション | 産業利用 (成果公開) |
4 | |
13 | 新日本製鐵株式会社 | 鋼材強化に資する微細析出物成長制御のための計算機シミュレーション | 産業利用 (成果公開) |
30 | |
14 | 株式会社エーイーティー | 超大規模三次元高周波電磁界シミュレーションへのGPUクラスター適用検証 | 産業利用 (成果公開) |
1 | |
15 | 株式会社 風工学研究所 | オープンソースコードによる風速の地形影響評価に関するLES | 産業利用 (成果公開) |
10 | |
16 | 清水建設株式会社 | 複雑地形を考慮した超大規模津波波力解析システムの開発 | 産業利用 (成果公開) |
1 | |
17 | コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
18 | 株式会社リコー | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
19 | 日東電工株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
20 | 富士通アドバンストテクノロジ株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
21 | キヤノン株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
22 | 日産自動車株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
申請課題名 | CUDAを用いたGPUによるフラグメント分子軌道法の高速化 |
利用課題概要 | DFTおよびMP2フラグメント分子軌道法(FMO-DFT, FMO-MP2)をGPUで高速化するアルゴリズムとプログラムを開発する。 計算機性能の目覚しい向上と,タンパク質をはじめとする巨大分子も扱える分子軌道計算法の開発により,生体分子にも第一原理分子軌道計算が適用できるようになってきた。 近年 Graphics Processing Unit (GPU)を搭載したグラフィックカードを汎用目的(General Purpose)の計算に利用するGPGPU計算が普及し始めて来ている。 特にNVIDIA社によるCUDA開発環境を用いて様々な計算機シミュレーションが高速化されつつある。 この課題では,①並列化効率が高いフラグメント分子軌道法をGPUで更に並列化,高速化し,②レセプター蛋白などの巨大分子の高並列計算でも,スケーラビリティを確保できるアルゴリズムやプログラム開発を行う。 電子相関を考慮した,DFTおよびMP2計算のFMO法を開発主目標とする。 |
申請課題名 | 大規模Webページコレクションからの言語知識獲得 |
利用課題概要 | 本利用課題では、超大規模Webページコレクションに対して、言語解析および言語知識獲得処理を適用する。その結果、「アトピーの原因はカビである」「クラドスポリウムはカビの一種である」のような言語知識を自動的に獲得する。このような知識は、言語理解を必要とするさまざまなシステム、たとえば情報分析システム、対話システムなどの改良・精度向上に役立つ ことが期待できる。TSUBAME Grid Clusterを用いることによって、これまで現実的に計算不可能であった規模のWebページコレクションを処理することによって、1000万語規模の語彙に関する知識を自動獲得することを目標とする。 |
申請課題名 | 天然光合成の動作メカニズムに関する理論的研究 |
利用課題概要 | 天然光合成の動作メカニズムを計算科学により解明する。 第一に、アンテナ集光、電化分離、過程はすでに世界的に研究の蓄積があるので、トレースしながら、理解する。 第二に、光合成の初期過程であり、まったく未踏なる領域である水の電気分解メカニズムの解明をおこなう。 EXAFA,EPRそしてFT-IR実験結果を説明するメカニズムの構築をめざす。 |
申請課題名 | NuFD/FrontFlow Redの評価 |
利用課題概要 | NuFD/FrontFlowRedは、文部科学省ITプログラム「戦略的基盤ソフトウェアの開発」プロジェクトにより、東京大学生産技術研究所を中心として開発された流体解析ソフトウェア「FrontFlow/red」を基盤として、数値フローデザインが改良および機能開発等を加えた流体解析ソフトウェアである。現在、弊社はNuFD/FrontFlowRedを主軸とし、大学、研究機関、民間企業などから 流体業務に係る受託解析、受託開発およびソフトウェアの販売などを行っている。「FrontFlow/red」は乱流変動などの非定常現象を高精度に予測することができるLES(Large Eddy Simulation)を可能としたソフトウェアである。数千万から1億格子点相当の非定常流れ数値計算を実現することで従来予測 設計が不可能であった、機器の開発・設計における複雑系の問題(燃焼流、混相流および車両、ターボ機械・建築構造など)の数値予測の実用化を目指していく。しかし、超大規模非定常LES解析を実現するためには、大規模な計算機資源の確保が必須であり、またその計算機環境におけるソフトウェアの効率化を図るため、コードのチューニングの必要性の検討も不可欠となる。NuFD/FrontFlowRedは、そのソフトウェアの特徴である大規模非定常LES解析を実現するための計算機環境のひとつとして、TUBAME上でのNuFD/FrontFlowRedの並列化効率および実行性能を評価する目的で大規模非定常LES解析を実施する。 |
申請課題名 | 採択課題名 |
利用課題概要 | 課題概要をつらつらと。 |
申請課題名 | 天然光合成の動作メカニズムに関する理論的研究 |
利用課題概要 | 天然光合成の動作メカニズムを計算科学により解明する。第一に、アンテナ集光、電荷分離、過程はすでに世界的に研究の蓄積があるので、トレースしながら、理解する。第二に、光合成の初期過程であり、まったく未踏なる領域である水の電気分解メカニズムの解明をおこなう。EXAFS,EPRそしてFT-IR実験結果を説明するメカニズムの構築をめざす。 |
申請課題名 | 理論計算に基づく有機半導体材料の開発 |
利用課題概要 | 理論計算に基づく新規有機半導体材料の設計・開発を目的とする。例えば、導電性高分子の主鎖内伝導と主鎖間伝導を理論的に解析し、実験結果と比較することによって、導電性高分子内の伝導現象に関する有用な知見を得、それを材料設計にフィードバックして開発を促進する。 |
申請課題名 | 大規模流体解析ソフトの開発 |
利用課題概要 | 空力解析において、格子数が10億に達する様な超大規模計算を実施するとき、ソルバーの並列化効率をいかにして上げるかという問題のみならず、その計算モデル(格子)をいかにして作成するかという問題も発生する。これらの問題を解決する手段として、Immersed Boundary Methodを利用したソルバーを自社で開発中ですが、自社内で数百に至るような並列計算を実行する環境が無く、今回OSがLinuxで、CPUもAMDという汎用性の高い計算機であるTSUBAMEを活用させて頂き、ソフトの並列化性能向上のチューンアップを進め、最終段階で超並列計算を実行し、超並列の環境ではどの様な問題が発生するかを確認し、改善すべき問題の抽出を行いたいと考えております。このTSUBAMEを用いた検討結果を元に、次回の弊社スーパーコンピューター更新時のハードウェアスペック決定に役立てたり、神戸に建設中の次世代スーパーコンピューターの有効活用につなげたりして行きたい。 |
申請課題名 | 分子シミュレーションによる高分子中の水と低分子拡散挙動の研究 |
利用課題概要 | 高分子膜を利用した分離技術は、飲料水や工業用水の製造、あるいは河川水からの有害物質の除去など産業上、あるいは環境上重要な技術となっている。特に、水と他の低分子を分離の対象とする高分子膜は広く実用化されており、さらに高効率な分離機能を有する高分子膜の開発が期待されている。このような高分子膜に要求される機能は、低分子に対する水の高い選択透過性であるが、選択透過性を高分子膜に付与するには、高分子中における水と低分子の拡散挙動に関する分子レベルの知見が望まれる。しかしながら、実験的な方法だけで分子レベルの知見を得ることは一般的に困難である。一方、高分子中における水や低分子拡散挙動に関する分子レベルの解析法として、分子動力学法が知られている。しかしながら、一般的な計算機を利用した分子動力学法によると、原子数が多い現実近似系モデルを対象とした場合、計算時間が膨大になり、実行が困難になる問題がある。このため、現実近似系モデルにおいて分子動力学法による計算が期待できる TSUBAME を利用し、高分子中における水および低分子の拡散挙動に関する研究を実施する。 |
申請課題名 | 大規模Webページコレクションの言語解析およびそれに基づく言語知識獲得 |
利用課題概要 | 本利用課題では、大規模Webページコレクションに対して、言語解析および言語知識獲得処理を適用する。その結果、人間が常識的にもっている膨大な言語知識を自動的に獲得する。この知識は、言語理解を必要とするさまざまなシステム、たとえば情報分析システム、対話システムなどの改良・精度向上に役立つことが期待できる。TSUBAME Grid Clusterを用いることによって、これまで現実的に計算不可能であった規模のWebページコレクションを日々更新しながら処理することによって、最新の話題をカバーする言語知識を獲得し、また実際に運用している情報分析サービスに役立てることを目標とする。 |
申請課題名 | GPUを利用した3D-RISM理論によるドラッグスクリーニングプログラムの開発 |
利用課題概要 | 3D-RISM理論は分子性液体を取り扱う統計力学理論で、蛋白質やDNA等の巨大な生体分子の周りの溶媒構造を正しく取り扱う事ができる。分子動力学法では取り扱う事が困難なイオンチャネルやDNAのB-Z転移などの問題に取り組み成果をあげている。近年この3D-RISMをドラッグデザインに適用する方法が開発された。この方法ではリガンドになる分子をいくつかのフラグメントに分けてターゲットの蛋白質での溶媒和構造を算出する。得られたフラグメント毎の溶媒和構造を組み合わせる事でリガントの結合可能性を見積もる事ができる。この方法ではフラグメントと蛋白質の多数の組み合わせを計算してスクリーニングを行う必要がある。そのため多数の3D-RISMによる計算を行う必要がある。そこでTSUBAMEのGPUを活用して高速にスクリーニングを行うプログラムの構築を目的とする。 |
申請課題名 | 超大規模三次元高周波電磁界シミュレーションへのGPUクラスター適用検証 |
利用課題概要 | 高速信号伝送やそれに伴う妨害電磁波規制周波数の引き上げ等の電磁界シミュレーション難易度を高めるバイアス要因により、周波数の三乗に比例してメッシュ数が増える三次元高周波シミュレーションが必要とする計算機リソースは急速に増大しています。民生機器や自動車モデルの解析では、1億メッシュに至ることは珍しくなく、その場合CPU単体で解析を遂行することはもはや容易ではなくなり、その打開策としてGPUクラスターシステムの適用可能性を検証する。本課題では商用電磁界解析プログラムCST STUDIO SUITEを解析エンジンとして用い、数億メッシュに及ぶ超大規模モデルについて空間分割コンセプトに基づくMPIクラスター計算を基礎とし、更にGPUを併用した場合の高速化効果のベンチマークを行う。 |
申請課題名 | 複雑地形CFD シミュレーションコードの高度化のための研究 |
利用課題概要 | 日本型風力発電設備の導入拡大、利用率向上を目的とし、風力発電システムの設計に係るCFD解析において、日本の厳しい風特性・気象条件を反映した新たな複雑地形風特性モデルを開発することを目標としている。複雑地形における風特性として、平均風速のみならず、特に乱流強度、ガスと特性の予測精度をも確保した乱流CFD数値シミュレーション手法を確立するため、入口面境界条件モデル・地表面モデルなどを検証し、複雑地形乱流LES(ラージエディーシミュレーション)コード(NuFD/FrontFlowRed-Wind)を高度化すべく、研究を実施する。本研究においては、多くの複雑地形を計算モデル化し、様々な気象条件での解析を行い、その結果を評価・検証することが必須である。 |
申請課題名 | MSES法によるタンパク質相互作用形成シミュレーション |
利用課題概要 | 次世代生命体統合シミュレーション研究開発プログラムの分子スケール研究の一環として、全原子モデルと粗視化モデルを連成した新規アルゴリズムであるMSES法を開発した。本利用課題ではその開発研究として、タンパク質相互作用過程のサンプリングシミュレーションを行う。ターゲットとして、sortaseのorder-disorder転移とbarnase-barster複合体形成を取り上げる。天然変性タンパク質であるsortaseには立体構造が定まらない不規則(disorder)領域が存在し、リガンドとの相互作用の結果ordered stateに転移することで機能を発現する。MSES法でsortaseのdisorder領域のサンプリングシミュレーションを行い、disorder領域がリガンドとの相互作用によりダイナミックにordered stateに転移する過程を明らかにする。次に、タンパク質複合体の例として数多くの実験・計算が行われているbarnase-barster複合体にMSES法を適用する。複合体近傍の構造アンサンブルを計算し、特に複合体形成における脱水和過程や側鎖の緩和過程を調べる。 |
申請課題名 | 逐次モンテカルロ法による1分子FRET時系列解析 |
利用課題概要 | 本研究は、多数(1,000個以上)のタンパク質粗視化モデルシミュレーションを同時に行い、シミュレーション中において一分子Förster resonance energy transfer (FRET)実験[用語1]で得られるタンパク質残基間距離情報を逐次取り入れながら粗視化モデルの誤差を統計的に修正していくと同時に、FRET実験の低次元距離情報から高次元の構造情報(今の場合、ドメイン運動)を推定する方法論(逐次モンテカルロ法)を開発・実証する。ターゲットとしては、Adenylate kinaseのドメイン運動のFRETデータを扱う。逐次モンテカルロ法を適用する際に最も困難な点は、粗視化モデルのパラメータ恣意性により、FRET実験からの誤差が統計的(ガウス型等)ではなく、システマティックなものになってしまう点である。これを克服するために、構造空間のみならず、粗視化モデルパラメータ(遷移エネルギー等)を含めた一般化状態空間を構築し、構造+パラメータの推定を同時に行う。最終的には誤差がガウス的か否かの統計検定を行う。 |
申請課題名 | 採択課題名 |
利用課題概要 | 課題概要をつらつらと。 |
申請課題名 | MSES 法によるタンパク質複合体シミュレーション |
利用課題概要 | 次世代生命体統合シミュレーション研究開発プログラムの分子スケール研究の一環として、タンパク質の全原子モデルと粗視化モデルを連成した新規アルゴリズムであるMultiscale enhanced sampling (MSES)法の開発を行っている。昨年度からの継続課題である本利用課題では、新たな応用研究として、タンパク質複合体形成過程のシミュレーションを行う。ターゲットとして、barnase-barster複合体と脂肪酸ベータ酸化マルチエンザイム複合体を取り上げる。barnase-barster複合体はタンパク質複合体のモデルタンパク質として数多くの実験・計算が行われており、MSES法により複合体近傍の構造アンサンブルを計算し、特に複合体形成における脱水和過程や側鎖の緩和過程を調べる。脂肪酸ベータ酸化マルチエンザイム複合体は脂肪酸の代謝を担う巨大タンパク質であり、構造変化パス近傍で全原子モデルの構造サンプリングを行うことにより、ダイナミックな立体構造変化とカップルして結合する脂肪酸がいかにして複数の活性部位に効率的に運ばれるかを明らかにする。 |
申請課題名 | 大規模ウェブコーパスからの知識獲得およびその応用 |
利用課題概要 | 本利用課題では、大規模ウェブコーパスに対して、言語解析を行い、解析結果から知識獲得を行う。これにより、人間が常識として持っている膨大な知識を自動的に獲得する。得られた知識を用いることにより、言語解析の精度向上が図れるほか、テキスト間の含意関係の推論などの高度な応用処理の実現が期待できる。人間が持つ知識は膨大であり、知識獲得のボトルネックが長年問題となってきたが、この問題を解決するための知識源として大規模ウェブコーパスに着目している。TSUBAMEを用いた大規模並列処理により、これまで実現不可能であった規模の知識を獲得する。 |
申請課題名 | 会話エージェント構築のための大規模ウェブコーパスからの知識獲得 |
利用課題概要 | 本利用課題では、人間とインタラクションを行える会話エージェントの実現を目的とし、その基盤となる会話コンテンツを作るために、大規模ウェブコーパスに対して言語解析を行い、解析結果から知識獲得を行う。これにより、人間が常識として持っている膨大な知識を自動的に獲得する。人間が持つ知識は膨大であり、知識獲得のボトルネックが長年問題となってきたが、この問題を解決するための知識源として大規模ウェブコーパスに着目している。TSUBAMEを用いた大規模並列処理により、これまで実現不可能であった規模の知識を獲得する。 |
申請課題名 | 金属中の格子欠陥の構造と相互作用に関する第一原理計算 |
利用課題概要 | 金属の強度や腐食性、耐久性といった性質は金属そのものの性質ではなく、格子欠陥の挙動で決まるものが多い。そこで金属中の格子欠陥(転位・点欠陥・粒界)の構造や不純物(水素・酸素・添加元素)と欠陥との相互作用は重要な研究課題である。特に本研究では現在計画中の核融合炉内で起こる照射損傷の構造や、その時に注入される水素同位体やヘリウムの吸蔵捕獲に対する転位や空孔の役割を第一原理計算によって研究することが目的である。この研究によって核融合炉の構造材料であるタングステン中の水素吸蔵やその機構を明らかにしたい。タングステンは水素溶解度が極めて低いことが知られているが、核融合炉のような強烈な照射環境でもそのような良好な性質が維持できるかが問題である。そこで、タングステンとそれ以外の金属の欠陥構造を比較し、タングステン特有の特徴を明らかにしてゆきたい。計算手段は第一原理計算の汎用ソフトであるVASPを用いる。 |
申請課題名 | 拡張アンサンブルシミュレーションによるタンパク質とリガンドの結合構造予測法の開発 |
利用課題概要 | 拡張アンサンブル分子シミュレーション法によりタンパク質とリガンドの結合構造を第一原理的に予測する手法を開発する。従来の手法では、自由度が多い場合やタンパク質の構造変化がある場合は予測能に限界があり、また結果の物理化学的解釈が困難である。本利用課題では相互作用の物理化学的背景の理解に基づいた科学的な医薬品の分子設計を可能とするために、昨年度までに開発したタンパク質とリガンドの結合モード予測法をより高精度化・高効率化して、手法の適用範囲を拡大させることを目標とする。 |
申請課題名 | 理論計算に基づく有機半導体材料の開発 |
利用課題概要 | 理論計算に基づく新規有機半導体材料の設計・開発を目的とする。例えば、導電性高分子における伝導現象を理論的に解析し、実験結果と比較することによって、有用な知見を得、それを材料設計にフィードバックして開発を促進する。 |
申請課題名 | 高分子中における低分子拡散挙動のシミュレーション |
利用課題概要 | 高分子膜を利用した分離技術は、飲料水や工業用水の製造、あるいは河川水からの有害物質の除去など産業上、あるいは環境上重要な技術となっている。このような高分子膜に要求される機能は、低分子に対する水の高い選択透過性であるが、選択透過性を高分子膜に付与するには、高分子中における水と低分子の拡散挙動に関する分子レベルの知見が望まれる。しかしながら、実験的な方法だけで分子レベルの知見を得ることは一般的に困難である。そこで、平成22年度に現実近似系モデルにおいて分子動力学法による計算が期待できるTSUBAME2を利用し、高分子中における水および低分子の拡散挙動に関する研究を実施した。その結果、高分子膜素材の一つであるポリアミドについて、水がNa+よりも極めて選択的に拡散する挙動が計算され、TSUBAME2による分子動力学計算が、高分子中における低分子拡散挙動に関する分子レベルの研究に有効であることを確認した。そこで本課題では、平成22年度の課題の応用展開として、高分子の構造を変化させた場合における高分子中の水とNa+拡散挙動について、TSUBAME2を利用した解析を行う。 |
申請課題名 | 鋼材強化に資する微細析出物成長制御のための計算機シミュレーション |
利用課題概要 | 鋼材の強度設計に影響を及ぼす微細析出物の成長機構解明のためのシミュレーションを実施する。具体的には、NaCl 型析出物のTiC について、整合析出物、部分整合析出物の安定性を第一原理計算によって見積り、従来計算では未着手であった析出物の成長過程を調べる。平成21 年10 月~平成23 年9 月のトライアルユース期間には、NaCl 型析出物のNbC について同様の計算を実施したが、今回、より大規模な計算が必要なTiC について実施し、NbC とTiC との差異を調べる。 |
申請課題名 | ATP加水分解によって惹き起こされるミオシン分子モーターの変形運動に関する分子動力学シミュレーション |
利用課題概要 | 筋肉の収縮はそれを構成するミオシン分子とアクチン分子のATP加水分解による滑り込み運動によるものであるが、それはミオシン分子内に取り込まれたATPの加水分解が周辺の原子の熱振動に特異な変調を与え、それがさらにミオシン分子全体に非対称な変形運動を惹き起す結果であると考えられる。本課題はそのプロセスを実際に分子動力学シミュレーションで再現させようとするものである。 |
申請課題名 | TSUBAME2 GPUによるη-η’中間子質量の計算 |
利用課題概要 | 素粒子標準模型では強い相互作用は、量子色力学(Quantum Chromodynamics(QCD))によって記述される。陽子,中性子,中間子といったハドロンの性質は、QCDによりクォークとグル―オンの力学によって説明される。QCDによるクォークとグル―オンの性質の解明は、高エネルギー領域では、摂動論による解析により一定の成功を収めている。しかし、ハドロンの性質を決めている低エネルギー領域では、相互作用が強くなるため、解析的な取り扱いが非常に困難であった。最近、格子QCDによる第一原理計算と、強力なスーパーコンピュータの登場により、低エネルギーでの性質が徐々に明らかにされてきている。 本課題では、格子QCDによりフレーバー一重項中間子(η-η’中間子)の質量の計算を行う。この計算では、クォーク非連結グラフの寄与が重要である。また、グル―オン背景場のトポロジカルな性質が強く反映される物理量であり、計算が困難であり、未だ満足な結果が得られていない。筑波大のコンピュータでこれまでに生成されたグル―オン場のモンテカルロアンサンブルを用い、強力なTSUBAME2の計算力によってフレーバー一重項中間子の質量の計算を行う。 |
申請課題名 | タンパク質間相互作用阻害ペプチドの設計 |
利用課題概要 | ペプチドは生体内に広く存在する分子で、その機能はシグナル伝達、免疫応答、恒常性の維持など多岐にわたる。近年、ペプチド分子は、糖尿病の治療や癌ペプチドワクチン療法などの医薬品として用いられるだけではなく、疾病発症のメカニズムを解明するための実験試薬としても用いられるなど、非常に重要な分子として認識されている。これらペプチドの機能発現には、関連するタンパク質との結合が必須である。このペプチド-タンパク質間相互作用を制御することができれば様々な生体反応の制御が可能となる。 近年では標的タンパク質に強く結合する”低分子化合物”を設計する技術として計算機を利用する手法が広く用いられている。しかしペプチドの構造特徴は、低分子化合物と比べて大きな分子内自由度を持つことにある。これによりペプチドの分子設計では、構造探索空間が大きくなり、ペプチド-タンパク質複合体構造予測において膨大な計算処理が必要となる。本研究ではGPUによる圧倒的な計算処理能力を利用してこれらの問題を解決することで、標的タンパク質に強く結合するペプチド分子の設計技術を確立することを目指す。 |
申請課題名 | オープンソースコードによる風速の地形影響評価に関するLES |
利用課題概要 | 地形の起伏がある場所に建築物を建てる場合には,建築基準法に基づき地形の影響による風の増速を評価する必要があるが,その評価手法や評価基準については明確な情報が示されていないのが現状である。近年,計算機資源が充実したことや数値流体解析技術が進歩したことにより,数値流体解析による風速の地形による影響評価が実施されるようになってきており,その実用化への期待が高まっている。本研究では,フリーソフトであるOpenFOAM を用いて変動成分まで予測可能なLES により,単純化した地形および複雑な起伏を有する実在地形を対象として変動成分まで含めた風速の予測を行う。LES は一般的に計算負荷がかなり高くなるが,TSUBAME2 の計算資源を利用することで大規模な並列化が可能となり,高解像度の解析格子を用いた解析が高速に実行されることが期待される。得られた解析結果を既往の風洞実験結果や観測結果と比較して計算精度の検証を行ったうえで,適切に解析を行うための解析モデルの作成方法や計算条件の整理を行い,適切な風速の地形影響評価のための解析を実施するための道筋を示すことを目的とする。 |
申請課題名 | TSUBAME2 GPUによる非連結グラフ計算の改良とη-η’中間子質量の計算 |
利用課題概要 | 素粒子標準模型では強い相互作用は、量子色力学(QCD))によって記述される。陽子,中性子,中間子といったハドロンの性質は、QCDによりクォークとグル―オンの力学によって説明される。QCDによるクォークとグル―オンの性質の解明は、高エネルギー領域では、摂動論による解析により一定の成功を収めている。しかし、ハドロンの性質を決めている低エネルギー領域では、相互作用が強くなるため、解析的な取り扱いが非常に困難であった。最近、格子QCDによる第一原理計算と、強力なスーパーコンピュータの登場により、低エネルギーでの性質が徐々に明らかにされてきている。 本課題では、格子QCDによりフレーバー一重項中間子(η-η’中間子)の質量の計算を行うとともにクォーク非連結グラフの計算の改良を行う。前回のTsubame2での計算の申請によりGPU利用のめどがついた。そこで、前回申請の将来計画にあるように更に統計を増やすとともに、QCDにおいてクォーク非連結グラフを含む様々な物理量の計算のための基礎研究としてクォーク非連結グラフの計算手法の改良も並行して行う。 |
申請課題名 | TSUBAME2 GPU によるスピン系のクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーション |
利用課題概要 | 本研究では、格子スピン系に対し、複数のGPU を使った大規模なクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーションの開発を行う。多体系の物理的性質を理解するためにモンテカルロ法が標準的な手法として広く用いられているが、シングルスピンフリップのモンテカルロ法には転移温度付近で緩和時間が急激に大きくなるなどの問題があり、これを解消する一つの手法としてクラスターアルゴリズムが提唱されている。近年、GPU を用いた計算の高速化が研究され、シングルスピンフリップ法に関しては、数十倍の加速が報告されているが、クラスターアルゴリズムへのGPU の利用は始まったばかりである。申請者のグループは、1個のGPU を用いたスピン系のクラスターアルゴリズムの研究を既に報告した。クラスターアルゴリズムの複数のGPU を用いた大規模計算は、台数効果が得られず困難と考えられてきたが、本研究では、1個のGPU の計算をMPI 並列により複数のGPU の計算に拡張し、種々の工夫を加えることにより、台数効果が高い計算を実現する。 |
申請課題名 | 複雑地形を考慮した超大規模津波波力解析システムの開発 |
利用課題概要 | 本課題では、陸上構造物を対象とした荷重算定を目的とした大規模津波遡上解析を行うものである。従来の津波伝搬・遡上解析モデルでは広大な領域での現象が主対象であったため、非線形長波モデルによる平面二次元解析が主体であり、構造物に作用する外力を直接算定することができなかった。特に陸上域での津波遡上では、波の打ち上げやせり上がり、飛沫の発生など非線形性の強い現象が発生するため、例えばVOF 法(Volume of Fluid)などにより界面の三次元的な挙動を精度よく算定する必要が生じる。しかし、一般にVOF 法は計算負荷が高く、実用的な計算時間(数日以内)で実施するためには、計算領域を対象構造物周辺のごく近傍に限る必要が生じる。実際の津波被害では、構造物周辺の建物配置や立地条件等によっても変化するため、より実用に近い評価を行うためには、より広範囲の計算領域を考慮する必要があるという問題点がある。 本件利用申請は、TSUBAME2.0 クラスタの計算資源を利用することで、VOF 法を用いた津波遡上および構造物への荷重算定解析モデルを構築し、超並列CPU 及びGPU による数値解法を活用するとともに、大規模計算による評価を可能とするものである。 |