令和6年度、令和5年度、令和4年度、令和3年度、令和2年度、平成31年度、平成30年度、平成29年度、平成28年度、平成27年度、平成26年度、平成25年度、平成24年度、平成23年度、平成22年度、平成21年度
利用区分 | カテゴリー | 応募数 | 採択数 |
---|---|---|---|
学術利用 | 成果公開 | 17 | 17 |
産業利用 | 成果公開 | 8 | 8 |
成果非公開 | 10 | 10 | |
社会貢献利用 | 成果公開 | 0 | 0 |
成果非公開 | 0 | 0 | |
合計 | 35 | 35 |
番号 | 所属機関 | 申請課題名 (課題概要) | 利用区分 (カテゴリ-) |
利用口数 | 報告書 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 理化学研究所計算科学研究機構 | 高性能・高生産性を達成する垂直統合型アプリケーションフレームワーク | 学術利用 (成果公開) |
2 | |
2 | 慶應義塾大学 理工学部 |
仮想GPUを用いた分子動力学シミュレーションコードの開発と評価 | 学術利用 (成果公開) |
9 | |
3 | 東京大学情報理工学系研究科 | ポストペタ時代の大規模並列数値計算のための技術開発 | 学術利用 (成果公開) |
2 | |
4 | 東京大学大学院情報理工学系研究科 | 高性能と高生産性を両立する並列分散ランタイムシステム | 学術利用 (成果公開) |
5 | |
5 | 国立情報学研究所 | マルチメディア内容解析に関する研究 | 学術利用 (成果公開) |
5 | |
6 | 情報通信研究機構 | TSUBAME2.0利用による大規模なホログラム計算 | 学術利用 (成果公開) |
1 | |
7 | 千葉工業大学 | 結晶構造中における有機蛍光色素の光物性 | 学術利用 (成果公開) |
2 | |
8 | 首都大学東京 理工学研究科 |
TSUBAME2 GPU によるスピン系のクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーション | 学術利用 (成果公開) |
2 | |
9 | 量子化学研究協会研究所 | 並列計算機を利用したFC-LSE法による原子・分子のシュレーディンガー方程式の解 | 学術利用 (成果公開) |
1 | |
10 | 独立行政法人海洋研究開発機構 | 福島原発事故由来の硫黄放射性同位体モデルを用いた硫酸塩エアロゾルの動態の解明 | 学術利用 (成果公開) |
9 | |
11 | 京都工芸繊維大学 | 超大規模フェーズフィールドGPU計算によるデンドライト競合成長メカニズムの解明 | 学術利用 (成果公開) |
12 | |
12 | 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 | 多相流LBMシミュレーションの大規模間隙モデルへの適用 | 学術利用 (成果公開) |
10 | |
13 | 京都大学 | 知識に基づく構造的言語処理の確立と知識インフラの構築 | 学術利用 (成果公開) |
14 | |
14 | 理化学研究所生命システム研究センター | GPUによる高速化を利用した計算分子設計 | 学術利用 (成果公開) |
9 | |
15 | 理化学研究所計算科学研究機構 | GPUを用いた全球高解像度気象モデル力学コアの開発 | 学術利用 (成果公開) |
1 | |
16 | 杏林大学 保健学部 | 食品に含まれる抗酸化物質を対象とした多配座解析 | 学術利用 (成果公開) |
1 | |
17 | 都城工業高等専門学校 | 超電導電力ケーブルの交流損失解析 | 学術利用 (成果公開) |
1 |
番号 | 所属機関 | 申請課題名 (課題概要) | 利用区分 (カテゴリー) |
利用 口数 |
報告書 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼中析出物の水素捕捉能の計算機シミュレーション | 産業利用 (成果公開) |
20 | |
2 | 清水建設株式会社 | 大規模高性能室内外建築環境解析システムの開発 | 産業利用 (成果公開) |
11 | |
3 | 太陽誘電株式会社 | 電子デバイス材料の計算機設計 | 産業利用 (成果公開) |
18 | |
4 | 株式会社構造計画研究所 | 三次元の広帯域地震動シミュレーションの実用化に向けた検討 | 産業利用 (成果公開) |
1 | |
5 | 武田薬品工業株式会社医薬研究本部 | 拡張アンサンブルシミュレーションによるタンパク質とリガンドの結合構造予測法の開発 | 産業利用 (成果公開) |
48 | |
6 | 株式会社豊田中央研究所 | Liイオン二次電池負極/被膜界面におけるLi脱挿入過程に関するハイブリッド量子古典シミュレーション | 産業利用 (成果公開) |
19 | |
7 | 住友化学株式会社先端材料探索研究所 | 理論計算に基づく有機半導体材料の開発 | 産業利用 (成果公開) |
10 | |
8 | TOTO株式会社 技術開発センター |
衛生陶器設計のための並列GPGPU気液二相流シミュレーション | 産業利用 (成果公開) |
15 | |
9 | 富士通アドバンストテクノロジ株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
10 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
11 | コニカミノルタ株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
12 | 株式会社リコー | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
13 | 株式会社リコー | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
14 | 信越化学工業株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
15 | 株式会社 LUMINOVA JAPAN | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
16 | 株式会社クレハ | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
17 | 協和発酵キリン株式会社 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
18 | 本田技術研究所 | (非公開) | 産業利用 (成果非公開) |
非公開 | 終了 |
申請課題名 | TSUBAME2.0利用による大規模なホログラム計算 |
利用課題概要 | 本利用課題は、立体像表示を可能にする電子ホログラフィに表示するホログラム計算をTSUBAME2.0の高い並列処理能力を利用して実現することを目的とする。電子ホログラフィの実現には、数億画素を超えるホログラムの計算技術とホログラム再生に必要となる高解像度の空間光変調技術が不可欠である。我々のグループは発表時に世界初となる対角4cm、視域角15度、1フレームで約7,000万画素を表示可能な再生光学系を有している。一方、広い再生空間を対象としたホログラム計算には高い並列処理能力が求められるのに加えて、波面情報を格納する膨大なメモリとストレージ、動画のフレーム数分のホログラムを並列計算できる環境が必須であり、これまでは計算機の制約により再生像のサイズ、フレーム数に限界があった。TSUBAME2.0が提供するGPUの並列利用、メモリやCPUとGPU間の広バンド幅、大容量ストレージを利用してこの問題を解決し、先述の再生光学系を用いて表示することで、世界的にも例のない極めて広い立体空間の動画表示を実現したい。 |
申請課題名 | 福島原発事故由来の硫黄放射性同位体モデルを用いた硫酸塩エアロゾルの動態の解明 |
利用課題概要 | 平成25年度(2013年度) 新学術領域研究(研究領域提案型)公募研究の研究課題「福島原発事故由来の硫黄放射性同位体モデルを用いた硫酸塩エアロゾルの動態の解明」の一環として、TSUBAMEを用いて、硫黄放射性同位体(35S)の循環を導入した全球・領域3 次元大気輸送モデルを開発し、福島原発事故により放出された放射性セシウムの輸送媒体としての硫酸塩エアロゾルの動態の解明を行う。 |
申請課題名 | 超大規模フェーズフィールドGPU計算によるデンドライト競合成長メカニズムの解明 |
利用課題概要 | 本研究課題は,科学研究費助成事業(基盤研究(B))「超大規模フェーズフィールドGPU計算によるデンドライト競合成長メカニズムの解明」(平成25~27年度)の下で行われるものである.材料強度を支配する材料組織は,凝固プロセスにおけるデンドライトの成長によって創生される.しかしながら,デンドライト凝固組織の3次元構造形成メカニズムは,実験観察の困難さもあり未だに解明されていない.本研究では,フェーズフィールド法によるGPUスパコンを用いた超大規模計算法を構築し,二元合金の一方向凝固計算を体系的に行うことで,3次元デンドライト競合成長メカニズムを世界で初めて解明する.本年度は,定量的シングルフェーズフィールドモデルを用いたGPU並列コードを構築し,単結晶・二結晶・多結晶における系統的なデンドライト競合成長シミュレーションを行い,デンドライト間の淘汰メカニズムの解明を目指す. |
申請課題名 | 多相流LBMシミュレーションの大規模間隙モデルへの適用 |
利用課題概要 | 二酸化炭素の地中貯留(CCS)は、岩石の間隙にCO2を注入することで永久的に地下に閉じ込めてしまう技術で、大気中のCO2の削減に貢献できる技術として注目されている。このCCSでは、間隙内部のCO2の挙動を調べることが重要であり、多くの実験が実施されている。さらにシミュレーションを用いることで、CO2を圧入する貯留層の条件を変えて、CO2の挙動を推定することが可能となる。本研究では、格子ボルツマン法を用いて、界面張力や粘性等のパラメータを変更しながら、岩石孔内のCO2挙動を明らかにする。GPUを用いて計算領域のサイズアップ(Max:2000×1000×1000 グリッド)を図り、これまでポアスケール(μmスケール)で行ってきた計算を、実験スケール(cmスケール)に拡張する。それにより、実験室で得られる結果と比較した議論が可能となる。また、実験室で得られるデータと比較することにより、シミュレーション結果の検証が可能となる。最終的に、貯留層の条件を変えたシミュレーションの結果から、CO2 圧入に適した貯留層の条件と、CO2の圧入方法を明らかにする。 |
申請課題名 | TSUBAME2 GPU によるスピン系のクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーション |
利用課題概要 | 本研究では、格子スピン系に対し、複数のGPUを使った大規模なクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーションの開発を行う。多体系の物理的性質を理解するためにモンテカルロ法が標準的な手法として広く用いられているが、シングルスピンフリップのモンテカルロ法には転移温度付近で緩和時間が急激に大きくなるなどの問題があり、これを解消する一つの手法としてクラスターアルゴリズムが提唱されている。近年、GPUを用いた計算の高速化が研究され、シングルスピンフリップ法に関しては、数十倍の加速が報告されているが、クラスターアルゴリズムへのGPUの利用は始まったばかりである。申請者のグループは、既に、1個のGPUを用いたスピン系のクラスターアルゴリズムの研究を報告した。さらに、TSUBAME2システムを利用して、MPI並列により複数のGPUの計算に拡張することに成功した。これらの計算については、TSUBAME ESJ Vol.7 に解説記事を掲載した。 |
申請課題名 | GPUによる高速化を利用した計算分子設計 |
利用課題概要 | 近年では標的タンパク質に強く結合する ”低分子化合物” を設計する技術として計算機を利用する分子設計技術が広く用いられている。しかし、ペプチドなどの ”非” 低分子化合物を対象とした分子設計にこれらの技術をそのまま適用することは難しい。 本課題では、低分子化合物より大きな分子群を対象とした分子設計技術の開発を目指す。このような分子群はより大きな分子内自由度を持つため、莫大な計算処理能力が必要となる。また物性の面でも異なるため、より複雑な評価関数が必要となり、これも大きな計算処理能力を要求する。そこで我々はGPUが持つ計算処理能力を利用して問題の解決にあたる。GPU を利用するプログラム開発や、実際のタンパク質を対象としたスクリーニングテストを実行し、低分子化合物より大きな分子群を対象とした計算分子設計技術の確立を目指す。 |
申請課題名 | GPUを用いた全球高解像度気象モデル力学コアの開発 |
利用課題概要 | ポストペタスケールにおける気象・気候シミュレーションにおいて、ヘテロジーニアスな構成の並列計算機の性能を引き出し、有効活用することが命題になっている。一般的に気象シミュレーションのコードは用いる変数の数、データ量共に多く、かつアルゴリズムの要求B/F比が高いという特徴を持っている。またプログラム規模が大きく書き換えには困難を伴う。少ない工数でGPUの利用を加速するOpenACCプログラミングモデルは、これらの問題を総合的に解決すると期待される。本研究では全球雲解像度モデルNICAMの流体力学ソルバー部分(力学コア)について、主にOpenACCを用いたGPU用コードの実装を行い、GPUを用いた大規模並列計算の評価を行う。同時に、GPU利用に適したアプリケーションフレームワークの検討と改良を行う。 |
申請課題名 | 食品に含まれる抗酸化物質を対象とした多配座解析 |
利用課題概要 | 生体内において、抗酸化物質による抗酸化作用が健康に寄与しているといわれている。そこで食品に含まれる抗酸化物質の抗酸化プロセスを解明することで、これらのより効果的な摂取方法や食品加工方法等について新たな知見が得られると考えている。 本研究では量子化学計算を用いて、食品由来の抗酸化物質の構造について配座異性体も含めて明らかにし、抗酸化プロセスについて検討する。計算実験において、より精度の高い計算結果を得るためには、精度の高いモデルを用いる必要があるため、これらのモデルを用いた計算は指数関数的に計算コストが増大する。そこで、TSUBAMEの高度な計算資源を利用して精度の高い計算結果に基づいた検討を行いたい。 |
申請課題名 | 超電導電力ケーブルの交流損失解析 |
利用課題概要 | 有限要素解析ソフトCOMSOLを使って超電導電力ケーブルの電磁界解析を行うことにより、交流損失の最小化設計を行う。超電導電力ケーブルは、1:10~1:2000と高い縦横比を持つ超電導テープから構成されており、電磁界解析のための要素数が非常に多くなる。また、この超電導テープは複数本フォーマ上に螺旋状に配置され、4層の導電層と2層のシールド層からなる。各層の螺旋ピッチを変えることにより各層に流れる電流を制御できるため、3次元電磁界解析により交流損失を最小化する螺旋ピッチの最適値を求める。 |
申請課題名 | ポストペタ時代の大規模並列数値計算のための技術開発 |
利用課題概要 | TSUBAME 2.0, 京コンピュータなど,ペタフロップスを達成するスーパーコンピュータが広がってきている.今後さらなる性能向上が期待されているが,そのためには100万コア以上の並列性,深いメモリ階層,ネットワークの遅延などを手なずける必要がある.本研究ではこのような視点から,計算科学と計算機科学の融合・協力により次世代の超並列超高性能計算科学ソフトウェアの構成方式,アルゴリズム,実装技術を開発してゆく.本プロジェクトでは,ナノサイエンス,バイオインフォマティクス,コンピュータサイエンスの研究者の協力により,日本最大のGPU搭載スーパーコンピュータであるTSUBAME 2.0を用いて,共同研究により次世代の計算機のためのアルゴリズム,並列化手法,最適化,プログラミングモデル,アプリケーションの新たな展開に関して研究を行う. |
申請課題名 | 高性能・高生産性を達成する垂直統合型アプリケーションフレームワーク |
利用課題概要 | ポストペタスケールに向けた最重要課題である「並列性の克服」、「信頼性」、「低消費電力化」の解決に大きく貢献する高生産性垂直統合型ソフトウェアスタックの研究開発を行う。これはスケーラブルマルチスレッドランタイムを基盤としたドメイン特化型アプリケーションフレームワークであり、自動並列化、自動チューニング、耐故障性、電力最適化等の各種技術を透過的に内包する。我々は提案ソフトウェアスタック構成法を流体シミュレーション(CFD)および分子動力学法(MD)を対象として設計し、それらを最新の大規模ヘテロジニアススーパーコンピュータであるTSUBAME2を基盤として設計開発する。 |
申請課題名 | ユーザ間対等受付制御における大規模数値計算 |
利用課題概要 | 本研究課題においては、様々な要求帯域を持つストリーミング環境において,ユーザ全員の満足度を向上させるための受付制御の実現を目的とする.全ユーザ満足度を向上させるために,基礎検討として,異なる要求帯域(広帯域フローと狭帯域フローの二種類に分類)に対し,収容時に同じ満足度を得る(対等)と仮定し,広帯域フローを1本収容しない事で,狭帯域フローを複数収容可能とする受付制御方式を提案している.具体的には,全ユーザ満足度の最大化と等価である,網内への広帯域及び狭帯域フロー両者をあわせた呼損となる確率(トータル呼損率)を最小にする受付制御方式を提案する.制御を実現させるためには,制御パラメータで取りうる閾値に対して最適な値を導出する必要がある. この最適な閾値を導出するために,本研究課題においては、定常状態を仮定し待ち行列理論を用いて解析を行う.しかし,最適な閾値導出のための,定常状態における状態方程式の解を導出するためには,大規模な行列計算が必要となる.そこで,TSUBAMEを用いた大規模並列処理により、これまで実現不可能であったトラヒック規模を持つ際の,最適な閾値を導出する. |
申請課題名 | 仮想GPUを用いた分子動力学シミュレーションコードの開発と評価 |
利用課題概要 | 昨年度から継続して分子動力学シミュレーションの大規模並列計算において重要になる長距離力の計算の高速化・並列化に関する手法を提案し、以下の2つのアプローチで性能評価・検討を行う。1つめは、Fast Multipole Method (FMM) を用いた分子動力学シミュレーションコードの開発である。既存のEwald和を用いた手法では大規模並列計算機を用いてもスケーラビリティの観点から解析が困難であった問題を解析可能にする。 これは、今後様々な分子動力学のアプリケーションソフトウェアが次世代の超並列計算機で性能を発揮する上で重要な役割を果たすと考えられる。 2つめは、昨年度からTSUBAME2.0を利用して開発を行っているGPU仮想化ミドルウェアを、より大規模な分子動力学シミュレーションに適用して評価を行う。 開発したミドルウェアは、単一計算ノード用に開発されたアプリケーションのソースコードをそのままTSUBAME2.0のような大規模分散コンピューティング環境でも利用可能にする機能を有し、分散コンピューティング環境でのプログラム開発を容易にする。 |
申請課題名 | 結晶構造中における有機蛍光色素の光物性 |
利用課題概要 | 有機蛍光分子は、鮮やかな発光性・多彩な色調可変性など、機能性色素としての優れた特性を持つため、エレクトロルミネッセンス素子・色素増感型太陽電池などの様々な用途が期待されている。このような分子を機能性材料として利用する場合、密に凝集させた固相状態としてデバイス化する必要がある。しかし、気相中や溶液中では強い発光性を持つ分子が、固相中では蛍光量子収率が著しく減少してしまうことも多々ある。また、結晶構造の違い(結晶多形)によって全く異なる発光効率・発色性・光感受性を示すことがあり、固体中における光物性の発現を予測できないことが問題であった。発光材料の光物性を意図的に制御して、用途に応じた機能性色素を自在に設計するためには、固相中における発光プロセスを詳細に解析するための新しい方法が不可欠である。そこで本研究では、結晶構造中における有機蛍光色素の光物性を理論的に予測するための方法を確立することを目指す。 |
申請課題名 | 高性能と高生産性を両立する並列分散ランタイムシステム |
利用課題概要 | 当研究グループでは、分散メモリ並列計算機上で高性能な並列プログラムを容易に開発できるようにすることを目的として二つのシステムを研究・開発している。 (1) 細粒度マルチスレッドおよび大域アドレス空間に基づく共通ランタイムシステム: 当研究グループでは、プログラマが局所性を考慮した分割統治型の並列プログラムを記述するだけで、計算機の持つ性能を引き出すことのできる並列プログラミングシステムを実現することを目指している。本システムは、その実行基盤として、ノード間動的負荷分散を実現する細粒度マルチスレッド処理系および大域アドレス空間を提供する。 (2) 外部プログラムを容易に組み込み可能な軽量並列データベースシステム: 本システムは、並列ワークフローをSQLで記述できる並列データベースシステムである。このシステムの特徴は、SQLに対して外部プログラム呼び出しを可能にする拡張を施し、その記述に基づいて各計算資源の割り当てを行う点にある。 本利用課題においては、これら二つのシステムについてTSUBAME上で性能を計測し、有効性を評価する。 |
申請課題名 | ヘテロ環境での大規模並列シミュレーションの研究 |
利用課題概要 | 大規模なシミュレーションを必要としている研究者にとって、プログラム開発環境と実行環境がシームレスであることが望ましいが、これまでは、自分の研究室のクラスターと大学などの機関にあるスーパーコンピュータを使い分けて研究を進めていた。シミュレーションに必要なデータが大規模であったり、利用環境のOSが異なるなど大きな障害となっている。このような不便を解消して、可能な限り、使える計算機資源を有効に連携して使う方法として、昨年度まで、行われたRENKEIプロジェクトの成果であるUniversal Grid User Interface(UGI)を使い、同プロジェクトで使われていたNAREGI環境を通して、Tsubame2の専用資源を利用して、放射線治療計画シミュレーションを行う。同シミュレーションは、放射線粒子が人体を通過するときの物理過程をモンテカルロ法で追跡し、人体の各部位での線量を計算する。計算に用いるプログラムは、Geant4と呼ばれ、原子レベルの物理過程を詳細に計算するため、膨大な計算時間が必要である。特に、新しい治療方法を開発する際には、詳細なシミュレーションが必要で、大規模なシミュレーションを効率よく実行できるユーザインターフェースも含めた環境を確立したい。 |
申請課題名 | 知識に基づく構造的言語処理の確立と知識インフラの構築 |
利用課題概要 | テキストは、専門家によるデータの分析結果や解釈、ステークホルダーの批判・意見、種々の手続きや ノウハウなどが表出されたものであり、人間の知識表現の根幹である。テキストとして表現された知識を 計算機によって抽出・関連付けすることができれば、社会における知識循環を円滑化し、異なる分野間での知識の相互関連性の発見や、新しい知識・法則の発見を支援することが可能となる。言語情報処理はウェブをはじめとする大規模テキストの活用によって長足の進歩を遂げつつあるが、本利用課題ではこれをさらに発展させ、知識に基づく頑健で高精度な構造的言語処理を実現し、これによって様々なテキストの横断的な関連付け、検索、比較を可能とする知識インフラを構築する。 |
申請課題名 | 並列計算機を利用したFC-LSE法による原子・分子のシュレーディンガー方程式の解 |
利用課題概要 | シュレーディンガー方程式は、化学を始めとする物質科学における支配方程式であり、これを正確に解くことで様々な現象の量子レベルでの理解と予測が可能となる。我々はこれまでシュレーディンガー方程式をその方程式の本来の精度で解くための方法としてFree Complement Local Schrödinger equation (FC-LSE)法を開発してきた。 FC-LSE法のアルゴリズムは超並列計算に向いており、高い並列化効率が得られている。そこで本研究課題では昨年度に引き続き、これまでの計算機環境では現実的には求めることができなかった分子系に対し、TSUBAMEを用いてシュレーディンガー方程式を解き、一般の原子・分子の実際的な解法を確立したい。また、シュレーディンガー方程式の解(エネルギーと波動関数)だけではなく、そこから求められる諸所の物理量(Local Energy など)も計算したい。 |
申請課題名 | GPCR膜蛋白質の作動薬認識におけるダイナミクスの解析 |
利用課題概要 | 細胞膜上に存在するG蛋白質共役型受容体(GPCR: G-Protein Coupled Receptor)蛋白質は、細胞外のシグナル物質を認識し、作動薬の場合には細胞内での生体反応を促進する一方、阻害剤や逆作動薬では生体反応が抑制される。最近、種々のGPCRの結晶構造が明らかになるとともに、GPCRには活性型と不活性型とが存在し平衡状態にあることが判明したが、このダイナミクスの立体構造的な知見はほとんど得られていない。長時間の分子動力学シミュレーションを行うことにより、リガンド結合によっておこる活性型と不活性型の双方における構造のダイナミクスを調べる。 |
申請課題名 | 第一原理計算によるナトリウムイオン電池電極材料の相安定性 |
利用課題概要 | リチウムイオン電池のコンセプトを引き継いだナトリウムイオン電池は、元素戦略の観点から大型電池用途に期待されている。しかし、研究開発期間が浅いことから、その電極反応に伴う材料の相安定性の詳細は不明な点が多い。 本研究では、ナトリウムイオン電池として有望な正極材料のうち、層状遷移金属酸化物材料(NaMO2)に着目し、密度汎関数に基づく高精度第一原理計算とモンテカルロ計算を組み合わせることで、電極反応過程における相安定性評価を行う。これにより、充放電反応に伴う結晶構造変化や電子構造変化を明らかにすることが可能になる。 |
申請課題名 | マルチメディア内容解析に関する研究 |
利用課題概要 | 本研究では、映像等のマルチメディアコンテンツの主として視覚情報を解析し、その意味内容情報を自動抽出する手法について検討する。 |
申請課題名 | 鋼中析出物の水素捕捉能の計算機シミュレーション |
利用課題概要 | 鋼材の水素脆化に影響を及ぼす微細析出物の水素捕捉機構解明のためのシミュレーションを実施する。具体的には、NaCl 型析出物のNbC について、その部分整合界面での水素捕捉能を第一原理計算によって見積る。これまで整合界面での水素捕捉能については、弊社において調べられてきたが、部分整合界面の水素捕捉能については計算規模が大きく、弊社内の計算機では計算することができなかった。平成21 年10 月~平成23 年9 月のトライアルユース期間に、NaCl 型析出物のNbC について部分整合界面の構造の計算に成功しており、それをベースに界面等での水素捕捉能を調べることを目的とする。 |
申請課題名 | 大規模室内外建築環境解析システムの開発 |
利用課題概要 | 周辺環境を配慮して,安全・安心かつ快適な建築環境を提供できるかどうか建物の性能評価において重要な課題の一つである。この課題を解決するためには詳細な室内環境や広域な屋外環境の双方を考慮できる室内外環境の連成解析が必要となるが、計算量及び計算時間は膨大となるため、限られる範囲でそれぞれの検討対象、たとえば周辺の風環境、温熱環境、音響環境、光環境の評価、さらには建物本体の風荷重や津波波力の推定に対して屋内または屋外をモデル化して、異なる計算モデルで解析が行われている現状である。近年の計算機の性能向上や数値流体シミュレーション技術の進歩により室内・屋外を含めた大規模流体解析は建築環境評価において有効な計算手法の一つとして期待されている。 本利用課題は建築分野の流体問題を対象にしてTSUBAME2.0 の計算資源を利用することで、周辺の地形や市街地形状及び屋内環境まで考慮できる数百億計算格子レベルの大規模屋内外建築環境のモデル化システムを構築、超並列CPU 及びGPU による数値解法を開発して、実測及び実験結果との比較により大規模計算による計算精度を検証するとともに、大規模室内外建築環境の評価を可能とするものである。 |
申請課題名 | 電子デバイス材料の計算機設計 |
利用課題概要 | 電子デバイスには様々な機能を有する材料が求められている。そこで用いられる固体無機材料はごくわずかな欠陥や不純物に起因する材料内部のナノレベルの構造変化によってその電子物性が大きく変化する事が知られており、また有機材料においてもデバイスに応じた原子レベルでの特性理解と分子構造設計が必要とされている。本利用課題では、実験のみのアプローチでは理解が困難なこれら原子レベルでの材料設計を計算機上で行い、その有効性を示す。 |
申請課題名 | 三次元の広帯域地震動シミュレーションの実用化に向けた検討 |
利用課題概要 | 平成23年度の課題では3次元波動伝播プログラムをTSUBAMEに移植して最適化を行い、発生確率が高いと言われている東海・東南海・南海地震を対象とした大規模波動伝播シミュレーションを実施した。平成24年度は、強震動評価結果の工学的な妥当性、および耐震工学上重要な周期1秒以下の短周期地震動の計算精度の向上のための検討を行い、プログラムの実用化に向けた取り組み(平成25年度8月まで継続して行う計画)の一部を実施し、中間的な報告を行った。本課題では、引き続き実用化に向けた検討を実施する。 |
申請課題名 | 衛生陶器設計のための並列GPGPU気液二相流シミュレーション |
利用課題概要 | TOTOでは2017年環境ビジョン「TOTO GREEN CHALLENGE」を掲げ、全商品にわたる節水化およびそれに伴うCO2削減を強力に推進している。トイレ等の衛生陶器では、「GREENMAX」と銘打ち、「少ない水でもしっかり流す。」をコンセプトに商品を展開している。衛生陶器節水化の技術課題の一つとして、陶器表面に付着汚れを残さず洗い流すための効率的な流し方の確立が挙げられる。流体解析を用いることにより試作を繰り返すことなく様々な陶器形状や給水方法を事前検討できるが、陶器表面の薄膜の流れは気液二相流体解析では非常に細かいメッシュ分割および高精度な混相流計算手法が必要である。平成23年10月~平成25年9月のトライアルユースにより、TSUBAME2.5において細分化メッシュによる高効率なGPU並列大規模計算技術を開発し、多くの衛生陶器設計における洗浄性能評価に適用できるようになった。今回、陶器表面の超薄膜水流れのさらなる精度向上のため、表面張力や濡れ性等の高精度な気液界面計算手法を開発し、最新の超節水型製品を含めたあらゆる衛生陶器設計の性能評価を実現する。 |
申請課題名 | 拡張アンサンブルシミュレーションによるタンパク質とリガンドの結合構造予測法の開発 |
利用課題概要 | 拡張アンサンブル分子シミュレーション法によりタンパク質とリガンドの結合構造を第一原理的に予測する手法を開発する。従来の手法では、自由度が多い場合やタンパク質の構造変化がある場合は予測能に限界があり、また結果の物理化学的解釈が困難である。本利用課題では相互作用の物理化学的背景の理解に基づいた科学的な医薬品の分子設計を可能とするために、昨年度までに開発した二次元レプリカ交換法を膜タンパク質等のターゲット系に対して適用する。また、自由エネルギー計算との連携、コードの高速化、自由度が多いリガンド分子への適用法についても検討する。 |
申請課題名 | Liイオン二次電池負極/被膜界面におけるLi 脱挿入過程に関するハイブリッド量子古典シミュレーション |
利用課題概要 | リチウム(Li)イオン二次電池では、電解質相を介して正極と負極の間でLi イオンが移動し、それに付随して種々の反応が進行することで充放電が行われる為、各反応過程の詳細を理解する必要がある。電極活物質や電解質材料に対しては実験・理論の両面からさまざまな解析が進められているが、電極界面反応はあまり明確にされていない。特に、負極界面には有機電解液の還元分解に伴って有機化合物と無機化合物から成る被膜(SEI)が形成されるため、負極/被膜界面反応のメカニズムを理解することは、高性能Li イオン二次電池の開発にとって重要となる。本利用課題では、負極/被膜界面におけるLi 移動と電気化学反応の詳細を、ハイブリッド量子古典法を用いて調べる。ハイブリッド量子古典シミュレーション法では、電子状態の変化が重要となる量子領域に密度汎関数法など高精度量子力学計算手法を適用し、量子領域を経験的相互作用モデルで表したシステム全体に埋め込んで計算を行う。従って大規模系の物質移動と化学反応の両方を取り扱うことができるため、界面におけるLi 移動反応を調べるのに適した手法である。 |
申請課題名 | オープンソースコードによる風速の地形影響評価に関するLES |
利用課題概要 | 地形の起伏がある場所に建築物を建てる場合には,建築基準法に基づき地形の影響による風の増速を評価する必要があるが,その評価手法や評価基準については明確な情報が示されていないのが現状である。近年,計算機資源が充実したことや数値流体解析技術が進歩したことにより,数値流体解析による風速の地形による影響評価が実施されるようになってきており,その実用化への期待が高まっている。本研究では,フリーソフトであるOpenFOAM を用いて変動成分まで予測可能なLES により,単純化した地形および複雑な起伏を有する実在地形を対象として変動成分まで含めた風速の予測を行う。LES は一般的に計算負荷がかなり高くなるが,TSUBAME2 の計算資源を利用することで大規模な並列化が可能となり,高解像度の解析格子を用いた解析が高速に実行されることが期待される。得られた解析結果を既往の風洞実験結果や観測結果と比較して計算精度の検証を行ったうえで,適切に解析を行うための解析モデルの作成方法や計算条件の整理を行い,適切な風速の地形影響評価のための解析を実施するための道筋を示すことを目的とする。 |
申請課題名 | 理論計算に基づく有機半導体材料の開発 |
利用課題概要 | 理論計算に基づく新規有機半導体材料の設計・開発を目的とする。例えば、導電性高分子における伝導現象を理論的に解析し、実験結果と比較することによって、有用な知見を得、それを材料設計にフィードバックして開発を促進する。 |