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先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業
『みんなのスパコン』TSUBAMEによる日本再生
申請状況および採択利用課題

申請実績および採択利用課題一覧

平成27年度平成26年度、平成25年度、平成24年度、平成23年度、平成22年度、平成21年度平成20年度平成19年度

平成19~27年度延べ申請状況(カッコ内は内数で継続課題数)

課題種別 採択数 H27 H26 H25 H24 H23 H22 H21 H20 H19
戦略分野利用推進課題種別
「計算化学手法による創薬技術の開発」
9 2(1) 1 0 1 0 2(2) 6(5) 5(4) 4
戦略分野利用推進課題種別
「大規模流体-構造連成解析技術の開発」
3 0 1(1) 1 0 0 1(1) 2(1) 1(1) 1
戦略分野利用推進課題種別
「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」
27 9(7) 10(5) 8(4) 4(1) 7(6) 10(8) 10(4) 4 NA
戦略分野利用推進課題種別
「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」
8 1(1) 1 0 1(1) 2(1) 3(3) 6(4) 4 NA
戦略分野利用推進課題種別
「アクセラレータ利用技術の推進」
5 1(1) 2(1) 4(3) 3(3) 3 0 NA NA NA
新規利用拡大 31 3 3 5 2 5 6 5 6 6
新規利用拡大商用アプリバンドル型トライアルユース 29 7 6 10 6 NA NA NA NA NA
合計 122 23(10) 24(7) 28(7) 17(5) 17(7) 22(14) 29(14) 20(5) 11

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※ H19-H21 先端研究施設共用イノベーション創出事業【産業戦略利用】
※ H22-H24 先端研究施設共用促進事業
※ H25-    先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業

平成27年度申請状況

課題種別 応募数 審査数 採択数
戦略分野利用推進課題種別
「計算化学手法による創薬技術の開発」
2(1) 2(1) 2(1)
戦略分野利用推進課題種別
「大規模流体-構造連成解析技術の開発」
0 0 0
戦略分野利用推進課題種別
「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」
9(7) 9(7) 9(7)
戦略分野利用推進課題種別
「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」
1(1) 1(1) 1(1)
戦略分野利用推進課題種別
「アクセラレータ利用技術の推進」
1(1) 1(1) 1(1)
新規利用拡大 3 3 3
新規利用拡大 商用アプリバンドル型トライアルユース 7 7 7
合計 23(10) 23(10) 23(10)

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平成27年度採択利用課題

番号 申請課題名 会社名 課題種別 状況
1 産業用ゴムベルトの有限要素法による構造解析 三ツ星ベルト株式会社 商用アプリバンドル型トライアルユース PDF
2 複合機を例題とした大規模電磁界解析によるEMC 性能評価の精度検証 富士ゼロックス株式会社 商用アプリバンドル型トライアルユース PDF
3 AMラジオ帯における自動車ワイヤーハーネスの電磁界解析 矢崎総業株式会社 商用アプリバンドル型トライアルユース PDF
4 工業用マイクロ波加熱装置の大規模電磁界解析 ミクロ電子株式会社 商用アプリバンドル型トライアルユース PDF
5 車両搭載ワイヤレス電力伝送システムの車室内漏えい電磁界特性に関する基礎検討 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所 商用アプリバンドル型トライアルユース PDF
6 周波数選択性電磁メタマテリアルの最適設計手法に関する検討 横浜ゴム株式会社 新規利用拡大 公開延期
7 中古マンションの将来価格予測 株式会社東京カンテイ 新規利用拡大 PDF
8 大規模分散深層学習の創薬への応用 株式会社Preferred Networks 新規利用拡大 PDF
9 Steered Molecular Dynamics法によるタンパク質と高分子膜の相互作用解析 旭化成株式会社 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 PDF
10 高機能性カーボンナノチューブ材料の開発に向けた大規模シミュレーション 古河電気工業株式会社新素材研究所 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 公開延期
11 車室外音場の音響伝達予測手法の高効率化 三菱自動車工業株式会社 商用アプリバンドル型トライアルユース PDF
12 車載非接触充電システムの漏洩磁界に対する体内誘導電界の解析 株式会社豊田中央研究所 商用アプリバンドル型トライアルユース PDF
13 Topoisomerase IV複合体構造のFMO計算によるリガンド相互作用エネルギー解析 ペプチドリーム株式会社 戦略分野「計算化学手法による創薬技術の開発」 PDF

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平成27年度継続利用課題

番号 申請課題名 会社名 課題種別 採択年度 状況
1 大規模・大領域TCADへのHPC応用技術の開発 株式会社半導体理工学研究センター 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 H25 PDF
2 フィラー充填ゴムの多目的設計探査 横浜ゴム株式会社 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 H25 PDF
3 塗料や塗膜における大規模シミュレーションの検討 関西ペイント株式会社 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 H26 PDF
4 第一原理計算による熱電変換材料の特性評価 古河電気工業株式会社 解析技術センター 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 H26 PDF
5 極稀地震時における軟弱地盤上の高層建物に想定される被害の検討 株式会社竹中工務店 戦略分野「社会基盤のリスク管理シミュレーションへのHPC応用技術の開発」 H26 PDF
6 量子化学計算による光学物性評価 日本ゼオン株式会社 基盤技術研究所 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 H26 PDF
7 アミンとCO2の反応の第一原理分子動力学計算 関西電力株式会社 電力技術研究所 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 H26 PDF
8 創薬研究における大規模FEP計算 シュレーディンガー株式会社 戦略分野「計算化学手法による創薬技術の開発」 H26 PDF
9 電子写真システム設計のための並列シミュレーション技術の開発 富士ゼロックス株式会社 戦略分野「シミュレーションによるナノ材料・加工・デバイス開発」 H26 PDF
10 大規模画像データセットの機械学習のための分散コンピューティング 株式会社デンソーアイティーラボラトリ 戦略分野「アクセラレータ利用技術の推進」 H26 PDF

平成27年度 利用課題概要

会社名 : 富士ゼロックス株式会社
申請課題名 複合機を例題とした大規模電磁界解析によるEMC性能評価の精度検証
利用課題概要

本利用課題では,複合機筺体モデルサイズでのEMI/EMS性能評価を電磁界解析で予見することを目標とする.EMC開発現場では,トラブル発生時や認証を取得できなかった場合において,根本解決ではなく対策指向で問題を解決することが多い.納期必達の環境下では最善策であるが,対策指向を取り続けると慢性トラブルが常態化し,手戻り発生率の悪化や低コスト化要求に応えづらいといった側面を持つ.一方,電磁界解析によるEMC予見技術の向上は目覚ましく,新規部材や新規要素技術に対するEMC性能見積もりだけではなく,ノイズ発生源に対する根本対策などにも利用されている.EMCに関する電磁界解析適用範囲は,基板単体やハーネスとの連成,シールドBOXの性能見積もりなど,汎用機において現実的な時間で解析が行えるものに留まっており,今後は複合機製品全体におけるEMC性能評価への適用が期待されている.本利用課題では,基板-ハーネス-筺体の大規模連成電磁界解析を行い,製品レベルでのEMI/EMS性能評価を解析によって明らかにするとともに,実機測定結果との比較を行うことで解析精度の検証も実施する.

会社名 : 矢崎総業株式会社
申請課題名 AMラジオ帯における自動車ワイヤーハーネスの電磁界解析
利用課題概要

自動車の電動化により、自動車内に配索されたワイヤーハーネス(組み電線)には以前よりも高電流を流すようになった。また自動車の電子化により、制御や安全のために電子機器が多数搭載されるようになったため、ワイヤーハーネスを流れる高電流により、電子機器への影響が危惧される。このためワイヤーハーネス自体に放射ノイズの低減が求められている。現状、ワイヤーハーネスからの放射ノイズを求めるため、CST社CST STUDIO SUITEを用いCABLE STUDIO、MW STUDIOによる連成解析を行っている。しかし、この解析手法は、周波数領域電磁界ソルバーに対応していないため、時間領域電磁界ソルバーで解析を行っている。時間領域電磁界ソルバーでは、波長が長いAMラジオ帯では計算時間を要するため、自動車ボディを含むワイヤーハーネスが配策された大規模なモデルは簡略化せざるを得ない。そのため、解析結果の精度が得られていない。TSUBAMEにて、自動車および自動車に配策されたワイヤーハーネスを高精度で形状再現し解析することで、ワイヤーハーネスからの放射ノイズ低減を図る。

会社名 : ミクロ電子株式会社
申請課題名 工業用マイクロ波加熱装置の大規模電磁界解析
利用課題概要

工業用マイクロ波加熱装置(用語1)は、自動車部品や食品、医薬品等様々な分野で使用されている。一例としてマイクロ波ゴム加硫装置(以下UHFとする)を挙げる。UHF(用語2)は主に自動車用のウェザーストリップやOAロール用スポンジゴムのゴム加硫(用語3)に使用されている。ゴムは押出し機で成形されるが、この時点では未加硫のため弾力性が無い。押出したゴムをUHFのベルトやローラー等のコンベアに乗せて搬送しつつマイクロ波を照射し、内部加熱を利用して加硫温度まで急速に昇温する。加硫温度に達したゴムを熱風槽で加硫反応時間だけ温度を保持することで加硫が完了し弾力性のあるゴムになる。弊社では、AET社の MW Studioを使用してマイクロ波加熱炉内の電磁界を解析し、加熱ムラが極力少ない均一加熱を行うための適切な構造及び条件や、マイクロ波漏えい防止機構を検討している。本課題では、TSUBAMEにて、様々な加熱対象や炉内構造の大規模解析に取り組む。

会社名 : 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所
申請課題名 車両搭載ワイヤレス電力伝送システムの車室内漏えい電磁界特性に関する基礎検討
利用課題概要

近年、家電機器や電気自動車の充電などに用いられるワイヤレス電力伝送(WPT)システムが活発に研究開発されており、一般家庭や集合住宅への普及が見込まれている。このような背景のもと、H26年度の利用課題では、WPTシステムから発生する漏えい電磁波が近接する他の電子機器に与える影響を把握するために、戸建て住宅内にWPTシステムを設置し、住宅内の漏えい電磁界分布を解析し、測定結果との比較検証を行った。H27年度では、WPTシステムは住宅内での利用に限らず、自動車内に設置される各種電子機器の充電用としても利用されることが想定されることから、車室内空間にWPTシステムを配置した場合の車室内における漏えい電磁界分布について解析する。近年の自動車には、ラジオ、ディジタルテレビ、GPSなどの様々な無線通信システムが搭載されているため、WPTシステムによる漏えい電磁界によるそれらシステムへの干渉影響を把握する。また、車室内に搭載された無線通信システムだけでなく、車外から持ち込まれる電子機器についても評価対象とする。

会社名 : 横浜ゴム株式会社
申請課題名 周波数選択性電磁メタマテリアルの最適設計手法に関する検討
利用課題概要

近年のIT技術開発の進歩により電波の利用は増大する一方であり、近接して混在する周波数の利用は通信障害を引き起こす原因になっている。近接した周波数の外来波により影響を受けないようにするには優れたフィルター特性を有する低雑音増幅器の利用等の対応策があるが、コスト的には必ずしも容易な解決策ではない。周波数選択板(frequency selective surfaces)として知られる電磁メタマテリアルをアンテナカバーに適用することによりパッシブデバイスとしてフィルター機能を提供することができるが、周波数の近接の度合いによっては十分なフィルター機能を達成する設計解が得られないことも多い。当社ではモーメント法を用いて周波数選択板の電波透過性能を解析するプログラムを作成し、設計で使用しているが、本課題ではこの解析プログラムを並列化させ、従来より大きな最適化パラメータの規模での電磁メタマテリアル構造の最適化計算を実現することに取り組む。

会社名 : 株式会社東京カンテイ
申請課題名 中古マンションの将来価格予測
利用課題概要

我が国の住宅ローンはリコースローン(用語1)であるため、住宅価格が下落しオーバーローンになってしまうと住宅を買い替えることが難しくなってしまう。そこで、住宅価格が下落してもオーバーローンにならないノンリコース型住宅ローン(用語2)が望まれていたが、ノンリコース型住宅ローンは住宅価格の下落リスクを貸し手である金融機関が全て負うことになり、金融機関にとってはリスクが大きすぎるため実現したことがなった。そこで、当社では、市場流動性の高い大都市圏の中古マンションについて、貸し手と借り手の双方に住宅価格の下落リスクを分担させる「残価設定型住宅ローン」(用語3)を提案している。そして、本課題では、「残価設定型住宅ローン」を実現するために必要な、中古マンションの将来の価格の予測モデルの構築と検証を行う。TSUBAMEを利用して、中古マンションの将来の価格の予測プログラムの並列化、高速化を行うことにより仮説検証を繰り返し、「残価設定型住宅ローン」が実現可能なレベルの予測精度を目指す。

会社名 : 株式会社Preferred Networks
申請課題名 大規模分散深層学習の創薬への応用
利用課題概要

本課題は機械学習の一手法である深層学習の新しい分散学習手法を実装・検証し、大規模アッセイデータベースを活用した化合物活性予測へ適用する。現在の深層学習の分散学習アルゴリズム(分散深層学習)はモデル分割またはデータ分割を用いる方法が主流であるが、ノード間通信がボトルネックとなり、分散時の性能向上は限定的である。我々が提案する学習アルゴリズムでは各学習器が直接モデル情報を共有するのではなく、お互いの学習結果の要約を交換しあいながら学習することで、ノード間通信を劇的に減らし、スケーラブルな学習を実現する。提案手法を創薬分野へ応用し、現在入手可能な全てのバイオアッセイデータベース(2 億化合物、100 万バイオアッセイ)を活用した化合物の活性予測の実現を目指す。

会社名 : 旭化成株式会社
申請課題名 Steered Molecular Dynamics法によるタンパク質と高分子膜の相互作用解析
利用課題概要

医療分野で幅広く使用されている透析膜は、セルロース系膜と合成高分子系膜の2種類に大別される。その中でも合成高分子系膜は生体適合性の向上が課題であり、当社でも研究開発が進められている。同時に、血液中のタンパク質による高分子系膜へのファウリングによる細孔の詰まりや、意図しない生体反応が開発課題となっている。より高品質の製品の設計・開発のためにも、ファウリング現象の分子レベルでの理解は必須となっている。当社ではファウリングを抑制するための高分子を開発しており、高分子の設計・解析手法のひとつとして計算機シミュレーションに注目している。本課題ではAFMなどの実測値があるタンパク質の高分子膜への吸着について、SMD法によるシミュレーションを行い、必要な系の大きさ、シミュレーション時間数、適切な分子力場の選択など、計算条件の確立を目指す。また、実測値と比較しながらタンパク質の方向の検討や、高分子膜の種類・領域による吸着力の差などの検討も行う。

会社名 : 古河電気工業株式会社
申請課題名 高機能性カーボンナノチューブ材料の開発に向けた大規模シミュレーション
利用課題概要

カーボンナノチューブは、トランジスター、太陽電池、燃料電池、リチウムイオン電池、高感度センサー、強度材料、熱伝導材料、光学材料、磁性材料、触媒材料など、数々の応用が考えられる材料である。本利用課題では、カーボンナノチューブ電線の開発をはじめとした、各種高機能性カーボンナノチューブ材料の開発を加速するため、大規模なシミュレーションを行うことを目的とする。主に第一原理計算を用いた構造安定性、電子状態の評価を行うことで、カイラリティ、層数、バンドルといった構造の違いや各種異元素の吸着、置換による基礎特性への影響を検証する。それらの検証を通じ、実験のみでは理解が困難な現象の解明と、要求機能発現のためのカーボンナノチューブの設計を検討する。

会社名 : 三菱自動車工業株式会社
申請課題名 車室外音場の音響伝達予測手法の高効率化
利用課題概要

自動車の車外騒音法規の規制強化,電動車両における接近通報音の設定などの環境騒音問題に対応するため,自動車の発音源(パワープラント,排気系,吸気系,タイヤ,接近通報装置など)からの音が,車室外音場をどのような経路で伝播されるかを解析する,音響伝播予測の必要性が高まっている。音響解析の計算手法としては,境界要素法や有限要素法が古くから用いられ,低周波領域(~200Hz)に適用されている。しかし,接近通報音等へ適用するには,更に,高周波領域(~5kHz)まで解析領域を拡大する必要がある。高周波領域まで拡大するには,音の波長に合わせて解析モデルの細分化が必要であり,更に解析負荷が増大する。対象周波数を5kHzとした場合,波長が68mmとなり,解析精度を考え,波長の1/8程度に分割すると仮定すると8.3mmの要素にする必要がある。この場合,想定される解析自由度は,FEMで1億自由度を超えることになる。一方,1億自由度の詳細モデルを用いて,1kHz以下の低~中周波数領域を解析するのは,無駄な解析時間を要する。このように,解析精度と解析時間を適正化するには,解析対象となる周波数に応じて,自由度を適正化する必要がある。今回音響解析ソルバーとして用いる『ACTRAN/DGM』は,解析対象周波数に応じて,高次要素(最大16次)を自動的に生成する機能を要する。更に,領域分割による並列処理も可能であり,高周波数までの音響解析を効率良く実施出来る。そこで今回,『TSUBAME』を用いて,解析精度と解析効率の検証を行う。合わせて,高効率な解析環境を用いて,接近通報音に対する,スピーカーの指向性,レイアウトの適正化など設計要件を明らかにする。

会社名 : 株式会社豊田中央研究所
申請課題名 車載非接触充電システムの漏洩磁界に対する体内誘導電界の解析
利用課題概要

PHVやEVの二次電池の充電する方法として,非接触給電が注目されている.磁気結合型の非接触充電システムでは路面側に一次コイルを,車両側に二次コイルを配置し,コイル間の磁気結合を利用して電力を伝送するため,コイル近傍や車両周囲には磁界が発生する.この磁界中に人体が存在するとき,人体内には誘導電界が発生する. 人体防護の観点から許容できる体内誘導電界の大きさとして,International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP)のガイドラインでは基本制限と呼ばれる値が定められているが,体内誘導電界は実測不可能な値であるため,数値計算で求める必要がある.特にICNIRPのガイドラインで定められている2mm各ボクセルで構成された人体モデルを用いる場合,計算時間は膨大になる.以上のことから,TSUBAMEを用いて実時間での体内誘導電界の計算を行うことを目的とする.

会社名 : ペプチドリーム株式会社
申請課題名 Topoisomerase IV複合体構造のFMO計算によるリガンド相互作用エネルギー解析
利用課題概要

Topoisomerase IV (TopoIV)はキノロン薬の標的タンパク質の一つとして知られており、そのX線構造としてTopoIV – DNA – リガンド複合体(TopoIV複合体)が複数PDB (Protein Data Bank)に登録されている。新規TopoIV阻害剤探索において、これら複合体中のリガンド – 受容体(TopoIV - DNA)間の相互作用エネルギー解析は、化合物デザインを行う上で重要な情報となる。本課題では、TopoIV複合体構造(ないし複合体モデル構造)のGamessによるFMO (Fragment Molecular Orbital)法を用いた相互作用エネルギー解析により、リガンド – 受容体(TopoIV - DNA)間の相互作用に対する理解を深めるとともに、計算時間短縮のために相互作用エネルギー解析で全原子系とほぼ変わらない結果を与える原子数の把握を行う。

平成26年度 利用課題概要

会社名 : 株式会社資生堂大阪工場製造部
申請課題名 ホモジナイザーを用いた撹拌混合による乳液製造のスケールアップに関する解析
利用課題概要

化粧品、食品を初め、広く製造業では、液体の撹拌混合により目的物を調製することが多い。新規処方の化粧品中味の製造においては、まず少量スケール(1L程度)で確立された調整方法を大容量(50~1000L)の製造釜を用いた製造工程にスケールアップする必要がある。化粧品の中でも乳液・クリームといった乳化を伴う中味の調整には、一般的にホモジナイザーを用いるが、このスケールアップにおいては理論的根拠が乏しく、過去の経験および複数回のテストにより製造工程が決定される。また、乳液の調整過程では乳化の進行とともに粘度が高くなり製造釜内部の流動域が小さくなる。このため、製造釜内を均一に混合するための工夫もスケールアップにおける大きな課題となる。また、ホモジナイザーを使用する乳化工程は0.5mmの狭い空間での流体の流れを含み、大容量の撹拌槽全体の流れの把握を必要とする。我々は、自由表面を有する液体流れの数値解析に有効な粒子法に基づく商用プログラム Particleworksを用い、これまで解析が困難であった粘度等の物性値の変化を伴う乳化混合のシミュレーションを行う。

会社名 : 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所
申請課題名 LTE-Advancedにおける大型車両内電磁界特性に関する基礎検討
利用課題概要

近年、自動車が取得する多種多様な情報(ビッグデータ)を活用するクラウド化に注目が集まっている.自動車のクラウド化を実現するための無線通信システムとして、無線LANやLTE、LTE-Advancedなどが想定されており、それぞれのシステムに適したアンテナが必要となる.これらのクラウド化の流れは、一般乗用車への適用に先駆けてバスやトラックなどの業務用車両からの普及が進むことが想定される。したがって、これらの大型車両に、前述した無線通信システム用アンテナを搭載した場合の車両全体の影響を含むアンテナ性能の評価が必要となる.しかしながら、大型車両に搭載したアンテナ特性を、車体全体の影響を含めて測定することは非常に困難なことから、大規模な空間を広帯域な周波数範囲において電磁界解析する技術の開発に期待が高まっている.本利用課題は、上記の基礎検討として、大規模な空間内に配置されたアンテナ特性を解析することである.一例として、3.5GHz帯で利用されるLTE-Advancedを解析対象の無線システムとし、大型車両内の構造物による反射や減衰の特性を電磁界解析する.

会社名 : 古河電気工業株式会社 高周波技術センター
申請課題名 大規模シミュレーションによるレーダの車両搭載時の特性把握
利用課題概要

予防安全用の車載レーダの設計要件は、絶対的な信頼性の実現であり、膨大な試作や試験により、その信頼は担保されてきた。電磁界シミュレーションは、試作による網羅的な試験の軽減や、実機確認が困難な部分の検証に貢献できる。具体的に、レーダ特性はその搭載状況の影響を大きく受ける場合があり、電磁波に寄与する車体領域を解析するにはFDTD法で数10億メッシュオーダでの大規模解析が必要となる。当社では20億メッシュオーダでの解析実現性は確認できているもの、いまだ簡易モデルでの解析にすぎない。今後、実際に即した解析構造の詳細化や解析領域の拡大等に対応するため、さらなるメッシュ数増大や計算規模拡大の実現可能性の検証が必要である。

会社名 : 関西ペイント株式会社
申請課題名 塗料や塗膜における大規模シミュレーションの検討
利用課題概要

塗料設計上、塗料や塗膜における物性や分散(用語1)の状態を把握することは重要である。このため、ポリマーや溶媒種等に着目しそれらの挙動を解析する技術が必要となる。この技術の一つとしてシミュレーションによる解析が挙げられる。一方、塗料の組成は樹脂、添加剤、顔料や溶媒等が各々数種含まれかつ添加量に大きな差があるため、複雑な系のシミュレーションとなる。しかし、社内のパソコンを利用したシミュレーションでは、主な組成物のみを用いた系や小さい系に限定したシミュレーションとなり、複雑な組成を有する塗料系における各組成物の挙動を捉えることができない。そこで、本利用課題においてTSUBAMEを利用し、社内における検討より20倍以上大きな系の大規模シミュレーションの有用性を検討する。

会社名 : 古河電気工業株式会社 解析技術センター
申請課題名 第一原理計算による熱電変換材料の特性評価
利用課題概要

省エネルギーや二酸化炭素排出量削減を達成するための技術として、排熱を電気エネルギーに変換できる熱電変換材料が注目されている。しかし現状の変換効率はまだ低く、その向上のための研究開発が活発に行われている。熱電変換材料を構成する元素種および組成比は、その電子構造を決定し、結果的に熱電性能を特徴づける。従って電子構造を評価可能な第一原理計算は、実験的検討への指針を与え、また、試作コスト削減にも寄与できる有効な手段と考えられる。本課題では、熱電変換材料の電子構造や安定原子配列を第一原理計算によって評価する。また、その結果に基づき熱電性能を見積もる。計算モデルの規模は数十原子以上と大きく、計算負荷が高くなることが予想されるため、並列計算が可能なスパコンTSUBAMEを利用して検証を行う。

会社名 : 株式会社竹中工務店
申請課題名 極稀地震時における軟弱地盤上の高層建物に想定される被害の検討
利用課題概要

南海、東南海、東海地震や首都圏の直下型地震など、都市部において想定される極稀地震に対する被害予測が急務となっている。その1つとして、90年代後半から多く建設されてきた臨海部の軟弱地盤上に建つ高層建物の被害予測がある。臨海部の軟弱地盤では、液状化などの地盤災害の発生が予測される。軟弱地盤上の建物は、このような地盤災害の影響を強く受ける。中でも、基礎構造が受ける影響は大きい。基礎構造が被害を受けた場合、修復が非常に困難であることから、設計時の十分な配慮や耐震補強など事前の備えが重要である。しかしながら、地盤の軟化現象を含めた建物の地震時挙動は複雑な現象であるため不明な点が多い。そこで、本研究では、詳細な地盤・建物連成系モデルを用いた数値解析により、特に基礎構造に注目して、極稀地震における高層建物の被害を明らかにし、建物の安心・安全性を向上させることを目指す。

会社名 : 日本ゼオン株式会社 基盤技術研究所
申請課題名 量子化学計算による光学物性評価
利用課題概要

量子化学計算を用いた有機材料の光学物性評価を行いたい。光学物性とは具体的には屈折率やAbbe数などであるが、これらの分子光学物性計算はそのまま分子の吸収/透過波長分散や複屈折率、誘電率などの評価にも転用できる技術である。よってこれらの評価技術は有機ELや液晶ディスプレイなどの各種ディスプレイ用部品やレンズ製品などの各種光学用途材料の研究開発だけでなく各種絶縁材料や発光ダイオード、有機EL太陽電池素子といった材料開発にも応用可能である。よって当検討により大型演算装置を用いて高速かつ高精度な演算により目的の材料性能を有する分子構造を計算設計する技術を構築することは企業における分子レベルでの材料物性を制御した各種材料の設計技術能力を大幅に上昇させるものである。なお本件等は約90社からなる新科学技術推進協会(JACI)の先端化学・材料技術部会 コンピュータケミストリ分科会 次世代CCワーキンググループに参加する企業及び大学関係者が共同で行い、今後の企業における計算化学による研究開発の促進や各企業での大規演算による研究開発を促進することを目的とし行うものである。

会社名 : 関西電力株式会社 電力技術研究所
申請課題名 アミンとCO2の反応の第一原理分子動力学計算
利用課題概要

地球環境負荷の低減のため,火力発電所などから排出されるCO2を回収する技術を確立する必要がある。CO2吸収液に要求される性能はできるだけ多くのCO2を吸収できること,できるだけCO2吸収速度,CO2回収速度が速いこと,CO2回収時に必要なエネルギーができるだけ少ないことである。これまでさまざまなCO2吸収液が実験的に繰り返し探索されている。しかしながら,CO2吸収液の化学反応のメカニズムの詳細は解明されておらず,CO2吸収液の性能との関連も未解明なままである。一般的にCO2吸収液内での反応は,多数の中間状態を経て進むと考えられている。本研究は第一原理分子動力学計算を用いて,CO2吸収液内で起きる反応の中間状態の安定性を調べ,反応機構を解明しようとするものである。

会社名 : シュレーディンガー株式会社
申請課題名 創薬研究における大規模FEP計算
利用課題概要

自由エネルギー摂動(パータベーション)計算は、長い間、創薬においてタンパク質リガンド間の結合自由エネルギーを求める為に最適な手法であると考えられてきた。しかしながら、このような計算は分子動力学シミュレーションを大量に実行しなければならないなど、非常に計算コストがかかることで、実際の創薬に用いられてはこなかった。また、High Through-put Screening(HTS)などの実験手法と比較しても正確性とコストの観点から、選択されてこなかった。 近年、GPUを用いることで、効率的で実践的なFEP(Free Energy Perturbation)の実装であるFEP/RESTの開発を弊社が行ってきた。この2年間、本手法を用いることで、弊社では結合自由エネルギーが知られているリガンド群に対してのテストを行ってきた。本申請では、TSUBAME2.5上にFEP/RESTを移植し、大量のGPUを用いて実行することで、正確性、速度などを完全に検証することを提案する。そして化合物のリード最適化にFEP/RESTを用いることが可能であるかを検証することを目的としている。また、大規模な実証実験を行うことで、精度の確認を行うと共に、将来の改善点も見いだしていく。

会社名 : 富士ゼロックス株式会社
申請課題名 電子写真システム設計のための並列シミュレーション技術の開発
利用課題概要

電子写真システムは,電磁界・熱・流体・機械的な作用などの物理現象と,トナーや感光体など機能性材料の化学的特性を複雑に組み合わせることによって構成されている.このため従来は,実験による摺り合わせ型開発が行われてきたが,近年では数値シミュレーションの設計への活用が活発化してきている.しかし,例えば電子写真システム実機内のトナー挙動をより精度良くシミュレーションで再現するには,膨大な数のトナー粒子の計算が必要となり,増加する計算時間が大きな課題となっている.また材料設計のための計算化学シミュレーションでも,同様の困難に直面している.このような電子写真システム設計用シミュレーションが抱える技術課題を克服するため,大規模粒子・原子数での高速並列計算技術の開発が必要となっている.本利用課題では,粒子挙動計算プログラムおよび計算化学プログラムを用いて,大規模計算モデルに対する並列計算技術の開発と検証を実施する.

会社名 : 株式会社デンソーアイティーラボラトリ
申請課題名 大規模画像データセットの機械学習のための分散コンピューティング
利用課題概要

画像中にある物体の種類の自動認識は、情報工学の主要なテーマの1つであり、現在では車載カメラや防犯カメラや携帯端末等で実利用される技術となっている。画像認識アルゴリズムの内部で使用されるパラメタは、多くの場合、機械学習の枠組みで最適化される。好ましい認識率の獲得には、大量の実画像データを学習する必要があるが、データ量の増加に伴い、学習アルゴリズムの収束に要する計算時間もまた増加するのが一般的である。当社で行った実験によると、大規模画像データセットの学習を1試行行った結果、収束に1GPU(GRID K520)の使用で380時間程度を要した。学習の条件を変え100試行程度行うことを目標としているが、この計算量は最早一般的な計算環境で扱うことの出来るレベルを超えている。我々の問題は、①GPUの使用により大幅な高速化が可能であること、また②非同期型分散処理に向いていると推測されることから、TSUBAMEの利用が最も有効な課題解決手段であると考えている。本利用は、大規模画像データセットの機械学習の処理速度の大幅な向上を目的に、処理の分散化を検討するものである。

会社名 : 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所
申請課題名 ワイヤレス電力伝送による漏えい電波の環境解析技術の研究開発
利用課題概要

近年、電波の利用方法としては、通信だけではなく、電力伝送技術が注目されている。2015年以降の実用化が予定されているワイヤレス電力伝送(WPT)システムとして、電気自動車用の大電力(数kW)を伝送するものや、家電機器用の中電力(数百W)を伝送するものなど、多種多様な方式開発が進められている。WPTシステムは、一般家庭や集合住宅への普及が見込まれており、使用範囲として住宅内に限らず屋外の駐車場も含めた広い空間が想定されており、そのような環境でWPTシステムを実現するには、WPTシステムから発生する漏えい電波が、近接する機器に与える影響を分析することが必須であるが、そのためには数十kHz~数GHzの周波数領域における漏えい電波の強度分布をシミュレーションにより評価する技術を確立する必要がある。そこで、本研究開発では、WPTシステムをはじめとする各種電子機器等が密集して設置された環境(住宅内等)における漏えい電波の発生源及び設置環境をモデル化して、漏えい電波の状況を分析できるシミュレーション技術を確立する。なお、本研究開発は、総務省委託研究開発「ワイヤレス電力伝送による漏えい電波の環境解析技術の研究開発」の一環として実施する。

会社名 : 株式会社 電通国際情報サービス
申請課題名 超大規模行動データを用いた広告出稿最適シミュレーション高速化実験
利用課題概要

現在、消費者の行動はミクロ化され、その広告媒体として利用できる媒体もマスメディア中心であった時代から、ソーシャルメディアに代表される新しい媒体が次々に出現してきている。マスメディアとソーシャルメディアを効率的に組み合わせて、時代に適した企業の広告コミュニケーションプランの作成が要望されている。上記課題は、消費者のメディア行動や嗜好調査、商品のターゲット制約条件、提供可能な広告媒体を組合せマッチングシミュレーションさせるものであり、超巨大な組み合わせ最適化問題に帰結される。この処理を通常コンピュータの直列処理で行った場合、計算に「日単位」の時間を要するのが現状であり、現実的なキャンペーン立案が不可能な状況である。今後消費者行動もライフログ化される状況において本シミュレーションはますます巨大化困難化して行くものと推測される。今回の課題はTSUBAME2.5を用いて、現在の直列処理を並列処理に改修して高速化を図り、「日単位」の計算時間を「分単位」のシミュレーションとして実現できるかどうかを検証し、今後の新しいメディアモデルを構築して行こうというものである。前期に引き続き、課題解決を行う。

会社名 : フォスター電機株式会社
申請課題名 減衰を考慮した高周波数領域までの音響構造連成シミュレーション大規模化技術の検討
利用課題概要

小型の音響機器では、音響伝達経路の断面形状の影響や、発泡多孔質材などの減衰材での空気粘性による減衰効果の、音響特性に与える影響が他の音響問題と比べて相対的に大きい.しかし、一般的な音響解析手法は空気の粘性による影響が少ないものとして、この影響を無視して行われることが多い。従って、この手法を小型の音響機器に適用すると実験とは大きく異なった解析結果となってしまう。さらに、解析対象とする周波数の範囲を、人の可聴周波数帯域とされている20Hz~20kHzとした場合、特に高い周波数で振動を表現するには波長に依存した非常に小さな要素サイズが必要となる。そこで、可聴帯域全般での高精度のFEM音響解析を可能にするため,空気の粘性を考慮したうえで、構造振動と連成させるために変位を未知数として定式化し、かつ要素サイズを小さく設定する。しかし、それらの結果、要素数が膨大となり、計算規模が大幅に増加してしまう問題が生じ実用的な解析は困難であった。本件は空気粘性を考慮した可聴域高周波数帯域までの構造音響連成シミュレーション実用化のための大規模解析手法を検討する。

会社名 : 東芝原子力エンジニアリングサービス株式会社
申請課題名 密度汎関数法体系における実空間直接数値解析の大規模高速化
利用課題概要

物質・材料中の多電子系を記述する量子力学の密度汎関数法は、複雑な波動関数となる多電子系の全エネルギーハミルトニアンを電子密度の汎関数で表現する。密度汎関数法はホーヘンバーク・コーンの定理により、最適電子密度を用いると基底状態を正確に記述する。密度汎関数法を用いた具体的解析法として、周期性を考慮しない場合は原子軌道関数を基底関数とする分子軌道法等があり、周期系についてはブロッホ関数を対象とするバンド計算法等がある。密度汎関数法を用いた電子状態解析法は原子、分子、固体やさらに広範囲の実用材料に適用され、有効性は広く受入れられている。現在の電子状態解析法を越える方法も模索中で、著者を含め、量子波動方程式の時空直接数値解法を開発した。この方法は時空の格子点上で量子波動方程式の解を直接数値解析で求めるもので、格子点数を増やすことにより波動方程式の正確な解に収束させる。このため、密度汎関数法と実空間直接数値解析とを組合せてスーパーコンピューターで解析することにより、極限として厳密解となる数値厳密化が可能になる。本利用課題は、スーパーコンピューターを用いて、今後発展が期待される密度汎関数法体系における実空間直接数値解析の大規模高速化を目指す。また、エネルギー分野の高速水素貯蔵や核融合第一壁のトリチウム透過防止に直接関連する水素解離・再結合過程やミューオン触媒核融合、室温核融合、放射性物質の元素変換による消滅処理の可能性解析等、量子ミクロ現象の中から密度汎関数法体系の実空間直接数値解析法による解析可能性を調べ、数値厳密解に関する新たな知見を得る。

会社名 : エクサ・ジャパン株式会社
申請課題名 格子ボルツマン法による航空機離着陸形態の空力特性予測と空力騒音予測法の改良に関する研究
利用課題概要

航空機の環境問題の一つに、高揚力装置を展開した離着陸形態での空力性能の向上と低騒音化があり、設計技術向上のためのより精度を高めた空力解析と騒音予測のニーズが最近の航空機開発では高まってきている。一方、その必要性に反して、現状では、時間のかかる規模の大きな実験と超大規模なシミュレーションを併用することで、この課題に対する解決法を模索しており、現在のシミュレーションによる予測手法は精度や現象把握の観点からも能力が不十分というのが実情である。本課題は、この問題を解決すべく、精度の向上に加えて、中規模程度の計算機リソース且つ短時間での結果取得が可能なシミュレーション手法を確立する事を目的としている。シミュレーション手法には格子ボルツマン法を用い、境界層計算のモデル化、乱流モデルの検討などによって高揚力装置を展開した離着陸時の更なる空力特性及び空力騒音特性を従来よりも高精度で予測することを目的とする。

会社名 : 古河電気工業株式会社
申請課題名 リチウムイオン二次電池正極材料の第一原理計算
利用課題概要

リチウムイオン二次電池正極材料の第一原理計算を行う。正極材料の安定結晶構造と電子状態密度、および凝集エネルギーをシミュレーションにより検討する。また、リチウムイオン脱挿入による充放電での結晶構造の変化と安定状態を計算し、系の持つ平均電位計算を行う。また大規模な系の取り扱いを行うことにより、より実際の系に近い計算を行い、実験値との比較を行う。

会社名 : 株式会社ニコン コアテクノロジーセンター
申請課題名 無機材料開発への第一原理計算の活用
利用課題概要

企業における研究・開発で重要な無機材料に注目し、理論計算に基づく材料開発プロセスを確立することを目的とする。近年、第一原理計算(量子力学計算)により、実験結果を用いることなく格子定数・エネルギーバンド構造を計算することが可能になっている。しかし、実用として重要な無機材料の高精度計算において、数十から数百原子程度を含む比較的大規模な系の計算が必要となることも多い。これらの計算にとって、並列計算を有効に利用することは重要な課題である。本トライアルユースでは、TSUBAMEを比較的大規模な結晶系の高精度バンド構造計算に適用し、第一原理計算の有用性とスーパーコンピューターの適用性について検証する。

会社名 : 株式会社 リコー
申請課題名 GPUクラスタを利用した電子写真システム設計における電磁場計算の高速化
利用課題概要

複写機やレーザープリンタ等、電子写真方式による画像形成システム(以下、電子写真システムと記す)の設計において、電磁場に関わるコンピュータシミュレーションの活用が進みつつある。本利用課題では、電子写真システムの設計プロセスで利用する電磁場計算の速度を、GPUクラスタを用いることで、飛躍的に向上させることを目的とする。電磁場計算の速度向上は、設計計算におけるパラメトリックスタディーをより短時間で実行できるといった効果のほか、計算領域の拡大やより高い分解能での計算など、これまで実施できなかった大規模計算を可能とし、より高精度なシミュレーション結果を電子写真システムの設計に提供する。また、大規模かつ高速・高精度な電磁場シミュレーションが、電子写真システム設計プロセス革新の端緒となることも期待される。

会社名 : 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所
申請課題名 大規模施設内における無線通信システム用アンテナに関する基礎検討
利用課題概要

近年、様々な無線通信システムが登場し、多くの研究開発が行われている.これらの無線通信システムには、それぞれのシステムに適したアンテナが必要となる.また、住宅や工場、商業施設等に設置されるアンテナは複数であることが多く、各々の性能や周辺環境による影響を考慮し、設置する場所を決定しなければならない.しかしながら、実際に設置されたアンテナの特性を、建築物を含めて評価するための手段は皆無であることから、大規模な空間を広帯域な周波数範囲において電磁界的に解析する電磁界解析技術の開発に期待が高まっている.
本利用課題は、上記の基礎検討として、大規模な空間内への新規システムの導入が既存システムに与える影響を解析することである.今回は、無線LANを解析対象の無線システムとし、新規導入システムが発する高調波成分の影響を電磁界的に解析する.さらに、計算に必要なメッシュ数の最適化の過程を通して、計算精度の検証も合わせて実施する.

会社名 : ルネサスエレクトロニクス株式会社
申請課題名 三次元電磁界シミュレータを用いた静電気放電イミュニティ試験に於けるPCB/Package/Chipのイミュニティ解析
利用課題概要

半導体デバイスの低電圧化、高速化に伴い、静電気が原因の誤動作が発生しやすくなってきている。静電気放電(ESD)による破壊や誤動作を防止するため、静電気放電イミュニティ試験が規格化され、製品に適用されている。加えて、低コストで静電気放電イミュニティ耐性を高めることは、メーカにとって重要な課題である。低コストで静電気放電イミュニティ耐性の高いPCB/Package/Chip を設計するには、静電気放電イミュニティ試験で電流がどの経路をたどってチップに侵入し、誤動作を引き起こしているかを理解し、対策を行うことが重要である。しかし、測定によりこの伝搬経路を知ることは難しい。そのため、3 次元電磁界解析を活用し、電流の伝搬経路を可視化し適切に対策を行うことが有効である。しかし、一般のハイスペックPC で静電気放電イミュニティ試験の3 次元電磁界解析を行うことは使用メモリ量、解析時間の観点から難しい。 そこで、TSUBAME を活用し、静電気放電イミュニティ試験の3 次元電磁界解析を行い、電流の伝搬経路の可視化を行い、静電気放電イミュニティ耐性を高める設計手法を検討する。

会社名 : 古河電気工業株式会社
申請課題名 大規模シミュレータによるレーダの車両搭載時の特性把握
利用課題概要

予防安全用の車載レーダの設計要件は、絶対的な信頼性の実現であり、膨大な試作や試験により、その信頼は担保されるところである。具体的にレーダ特性はその搭載環境において影響を大きく受ける部分に関して注意深い検証が必要である。その信頼性への取組みは不変であるが、電磁界シミュレーションを用いた検証は、試作による網羅的な試験を軽減させる可能性を持っており、期待は大きい。但し、その期待を実現するには、車体の電磁波に寄与する領域を、FDTD法であれば最低でも適用波長/10 で解析する必要があることから、数10 億メッシュオーダでの大規模解析が必要となる。当社ではその実現性は未検証であり本トライアルユースにて、当該問題の大規模解析の実現性の検証を行うこととする。実現性の検証が良好の際には、解析結果と実験値との整合性の確認により実用性の検証を行う。

会社名 : 株式会社半導体理工学研究センター
申請課題名 大規模・大領域TCADへのHPC応用技術の開発
利用課題概要

本課題の対象とするIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)はインバータ回路を構成する半導体素子である。本来IGBT は高い耐圧性能を有するが、ハイブリット車等の高性能化により、より高耐圧かつ低導通損の性能を求められている。しかし高耐圧のIGBT の開発には、多大な開発コストが必要となるとともに製造工程の歩留まりの向上が求められている。
このためSTARC と産総研は、IGBT の設計の高度化のため、TCAD の解析コードを並列化することで、従来解析することが現実的には不可能だった数十万セルで構成されるIGBT を解析可能とすることに取組んでいる。
IGBT の解析は、1 セル当たり約10 万メッシュ、仮に1000 セルでの一括計算を想定すると、1000 ノードでのMPI 並列によるスーパーコンピューティングが必要となる。
このため本課題では、TSUBAME の計算資源を用い、大規模並列にてIGBT の高圧化での挙動のシミュレーションを行い、実験との比較による有用性の検証を行うものとする。

会社名 : MPM数値解析センター株式会社
申請課題名 塗布・乾燥プロセスの流体・粒子連成シミュレーション
利用課題概要

機能性液体を基材上の均一な薄膜として形成するための塗布プロセス、また、液体から溶媒を蒸発させて固体化するための乾燥プロセスは、印刷メディア等の効率的大量生産技術として化学工学の分野で培われてきた要素技術である。従来の塗布・乾燥プロセスの数値解析は主に流体のみの挙動に着目していたが、近年の電子デバイス製造への応用、プリンタブルエレクトロニクス等の精密分野では、液体中に含まれるポリマーや微粒子の挙動を最適化することも求められる。そこで、液体の自由表面流動に粒子挙動を連成することが望まれるが、莫大な粒子数を含む非定常3次元解析が必要となるため、スパコンを活用することでブレークスルーを目指す。尚、本プロセスを適用した最終生産物としては、リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池等のエネルギー分野や、フラットパネルディスプレイ等の先進的電子デバイス分野が含まれる。

会社名 : 株式会社CAEソリューションズ
申請課題名 波力発電システムシミュレータのTSUBAMEへの移植と高速化
利用課題概要

2013 年6月までに、オープンソース流体解析システムOpenFOAM を利用した振動水柱型波力発電システムの数値シミュレータを開発してきた。このシステムでは、3次元波浪計算と波力発電システム内の流動計算を同時に実施可能であり、水槽実験や2 次元計算では困難な性能把握が可能である。現状では設計条件1ケースの解析に多くの時間を要しているため、開発中のシミュレータをTSUBAME に移植して解析の高速化をはかる。

会社名 : 清水建設株式会社 技術研究所 総合解析技術センター
申請課題名 数値振動台開発を目的とした大規模FEM 解析のフィージビリティスタディ
利用課題概要

我が国は地震国であり、2011年の東日本大震災など過去の地震被害を踏まえて、建築構造物、土木構造物、そこに設置される設備・内外装などの耐震性を一層向上させることが要求されている。大型振動台における振動実験は耐震性の実証に最も有効なツールであるが、実験用試験体の規模に制約があり、相当の費用や時間がかかることから、数値シミュレーションを併用して研究開発を行うことが重要となってきている。そこで弊社技術研究所では、保有している大型振動台における振動実験の予備解析に加えて、実験結果を応用した実大規模構造物のシミュレーション・パラメトリックスタディも実施できる「数値振動台」の開発を目指している。 解析は大規模なものとなるため、数値振動台の開発に必要となるハードウェア/ソフトウェア環境の検討が急務である。本利用課題では、「商用アプリバンドル型トライアルユース」としてFEM解析ソフト「Marc」が利用可能であり、これを活用して数値震動台のための大規模並列FEM解析の実現性・有効性に関するフィージビリティスタディを実施したい。

会社名 : 清水建設株式会社 技術研究所
申請課題名 広域都市環境の大規模計算による検討
利用課題概要

新たに高層建物、あるいは大規模構造物を建てる際には,風の状況変化に従う影響は無視できない場合が多く,風環境や風騒音などの問題が生じる場合もある.こうした建設による問題や障害の発生を未然に防ぐためには,風環境の変化や風騒音の発生状況を風洞実験や数値流体計算などの方法により予測し,事前に調査・検討および対策の立案を行う必要がある.都市部では,高層ビルが密集し,周辺から受ける影響が大きくなるが,実験装置の制約などにより風洞実験による予測は限界があり,広域を考慮できる大規模数値流体計算の実施が必要となる.本利用課題では,「商用アプリバンドル型トライアルユース」に提供された,建築環境問題の評価に多くの実績を持っているアプリケーションを活用し,TSUBAME2.5 計算資源の利用による大規模数値流体計算を実施し,従来予測困難とされてきた広域都市環境の評価を可能にすることで,合理的な都市環境の整備を目指す.

会社名 : 三ツ星ベルト株式会社
申請課題名 産業用ゴムベルトの有限要素法による構造解析
利用課題概要

当社は自社製品である産業用ゴムベルトの開発段階において有限要素法による構造解析を実施し、性能および耐久性を評価している。しかしながら社内のパソコンレベルの計算機では、製品全体を高精度な要素分割で実用的な時間内に計算する能力が無いため、精度の面で妥協するか、製品の一部を切り出した部分モデルでの計算に留まっている。そこで前回のTSUBAMEトライアル利用において、無段階変速機用ベルトの解析検証例題を商用アプリのMarcを用いて実施し、製品全体を高精度で高速に解析できる可能性を検討した。その結果、シングルコア実行時に対して最大約27倍の計算速度が得られたが、Marcが有する並列機能の全てを試行できず、更なる高速化の余地が残されていた。そのため今回は継続して高速化の検討を行うとともに、別のベルトシステムの例題を用いた計算も行い、製品の形状や条件が変わっても安定して高速に計算が出来るか検証する。

会社名 : ローム株式会社
申請課題名 熱応答シミュレーションにおける計算規模拡大の効果検証
利用課題概要

サーマルプリントヘッドの応答特性・省電力化などの性能向上のために、構造の最適化が必要となるが、試作実験による評価・再設計では時間・精度に問題があり、さらには、原理の理解が非常に困難である。そこで、非定常熱伝導解析により、温度分布履歴、熱移動経路の確認などを行ってきた。しかし、デスクサイドワークステーションでは、計算終了までの時間が長いため、モデルの簡略化や対象領域の縮小などで対応せざるを得なかった。一方、スパコンを利用することで、計算時間やメモリ量による計算規模・精度の制限が大幅に改善することが想像できる。今回のトライアルでは、計算資源投入量と計算時間短縮、及び、精度の向上効果の確認を行い、今後のスパコン利用の検討資料を得たい。

会社名 : 海上技術安全研究所
申請課題名 脆性破壊の予測を目的とした構造解析
利用課題概要

一般に脆性破壊は、有限要素法(FEM)での解析で予防できる座屈や変形と比べ予測が難しく,疲労亀裂と異なり突発的に発生するため予防が困難である.さらに,頻度は少ないものの,船舶の脆性破壊事故の被害は甚大であり,船舶関係者にとって最も不安な要素としてあげられる.1997年にコンテナ船MSCカーラ号が航海中に折損沈没した事故も,溶接部から生じた脆性破壊が原因であり,社会問題となった.特に近年では船舶の大型化に伴い鋼板が厚手化の傾向にあり,またLNGの輸送ニーズの拡大やメタンハイドレートなどの新たな低温物質の輸送,さらには北極海航路や氷海ガス田開発などによる氷海域での船舶や海洋構造物の使用が拡大しているが,脆性破壊が厚板,低温側で発生しやすいことを考慮すれば,近年の動向は脆性破壊のリスクを高めているといえ,今まで確認されていなかった脆性破壊事故が生じる可能性がある.本課題では様々な構造体の亀裂先端での変形挙動を解析的に求め,より正確な脆性破壊の予測に資する.

会社名 : 横浜ゴム株式会社
申請課題名 フィラー充填ゴムの多目的設計探査
利用課題概要

環境問題(CO2 排出規制)や省資源化の社会的要請の中で、タイヤの低燃費化が進められている。そのような背景をもとに、タイヤの材料開発では、ゴム(フィラー充填ゴム)の粘弾性特性に起因する転がり抵抗の低減と、背反する他性能の向上が大きな課題となっている。カーボンブラックやシリカなどナノスケールのフィラーが配合されたフィラー充填ゴムでは、フィラーの量やフィラーの分散状態(モルフォロジー)がその力学応答に大きく寄与することが知られている。そこで本課題では、フィラー充填ゴムのモルフォロジーと力学応答との因果関係解明を目的とし、TSUBAMEを用いて大規模非線形シミュレーションを用いた多目的設計探査の実証実験を行う。

会社名 : 株式会社ヒューリンクス
申請課題名 リガンドベースの仮想スクリーニングシステムの大規模システムによる実用実験
利用課題概要

英国Cresset Biomolecular社の創薬支援ソフトウェア、FieldScreenは、スクリーニングするヒット化合物やリード化合物と同じ生物活性を有し、構造的に多様性をもつリード候補となる新規分子の発見を支援します。大規模な化合物データベースから、分子のフィールドという概念を使って、正確に、高速に候補化合物をスクリーニングします。製品自体は十分な計算能力を発揮するには最低25コア(ローカル、リモートを問わず)以上が必要であり、実際の応用ではさらに大規模なシステムをを活用することでより高速なスクリーニングが可能になります。今回、TSUBAME 2.0を使用して、ベンチマークテストを行い、大規模計算機による可能性を検証します。(本製品はCPUによる分散処理を行います)

会社名 : 日立化成株式会社
申請課題名 密度汎関数法を用いたエンジニアリングプラスティックの熱劣化反応解析
利用課題概要

省エネルギー化を進めるために、自動車・飛行機などの金属製部材を樹脂部材に置き換えて軽量化を図る試みが盛んになっている。熱・光・水などによる樹脂の劣化・破断は重大な事故につながるが、初期の劣化反応を実験的に追跡することは困難であるため、計算を用いた反応解析を通じて、より耐久性を高める化学修飾法を探索する必要がある。本課題では、TSUBAMEにインストールされている分子軌道計算用フリーソフトウェアGAMESSを用いて、高強度樹脂の熱劣化過程における反応解析を行う。計算手法には、計算負荷と精度のバランスが良い密度汎関数法(DFT)を用いる。炭素繊維強化樹脂(CFRP)の基材などに広く使われているエポキシフェノール樹脂を対象として、酸素、過酸化物、ラジカルとの反応の遷移状態や中間生成物を求め、耐熱性・耐酸化性を向上させるための基礎的な知見を集める。

会社名 : 住友電気工業株式会社
申請課題名 個別要素法を用いた粉末充填の大規模シミュレーション
利用課題概要

原料に粉末を用い、これを添加物と混合、成形して最後に焼結することで製造される粉末冶金製品は、各種の機械装置に部品として組み込まれており、現代の我々の生活において必要不可欠である。粉末を金型に充填する給粉工程におけるプロセス技術が製品の性能に大きく影響するが、これまで暗黙知に依存する部分が大きかった。新たな製品開発やさらなる生産性向上を図るにはシミュレーション技術の開発が重要な課題である。そこで、有力なシミュレーション手法として、お互いに相互作用する個々の粒子の運動をコンピュータ上で逐次追跡する個別要素法によるプロセス設計が検討されている。個別要素法では粒子の挙動をニュートンの運動方程式を数値積分することで求めるが、その時間刻みは非常に短いために、膨大な計算時間を要する。また、シミュレーションモデルを現実に近づけるためには扱う粒子数を増やす必要があるので、さらに膨大な計算時間が必然となる。本利用課題では大規模並列化を駆使して、実プロセス規模の解析の可能性を明らかにすることを目標とする。

会社名 : 旭硝子株式会社
申請課題名 企業研究におけるHPC活用の促進
利用課題概要

企業でのHPC(High Performance Computing)の活用による材料開発・物質設計分野での研究開発活動の促進・効率化を目的として、一般社団法人 企業研究会 における「コンピュータによる材料開発・物質設計を考える会(略称『CAMMフォーラム』)」のメンバ企業とともに、昨年度、産業利用トライアルユースにて「みんなのスパコン」TSUBAMEを利用させていただいた。その結果、参加した約半数の企業においては、量子化学計算パッケージ(GAUSSIAN、GAMESS)や分子動力学計算パッケージ(GROMACS)などの分子科学関連アプリケーションを用い、演習的問題にて、TSUBAMEおよびアプリケーションの操作方法を習得するとともに、メンバ間でのノウハウの共有が図られた。また本取組みに参加したメンバ企業の1社が、本取組みをきっかけに今年度よりTSUBAMEを有償にて活用するに至っている。本年度は、昨年度の取組みを継続し、テーマを演習的問題から実務的問題に発展させるとともに、メンバ企業間での勉強会等を通じた情報共有、および本フォーラムが関与するセミナー等において、TSUBAMEを活用した事例の情報発信を行い、企業でのHPCの活用による材料開発・物質設計分野での研究開発活動の促進・効率化を訴求していく。

会社名 : NHK放送技術研究所
申請課題名 FPUの周波数移行に向けたアンテナの特性解析
利用課題概要

現在,マラソンや駅伝の中継番組の制作のために700MHz帯の移動中継用FPU(Field-Pickup Unit:無線伝送装置)が用いられており,中継車で撮影した映像,音声はこのFPUを用いて伝送し,臨場感のある生中継の映像を放送することを可能としている.この周波数帯は総務省の周波数アクションプランにおいて2018年頃をめどに携帯電話事業者が使用することが決まっており,FPUは1.2GHz帯,2.3GHz帯に周波数を移行することが検討されている.周波数移行先が現行の700MHz帯よりも高い周波数帯であるため伝搬損失が大きくなることから,新しい伝送方式の開発,送信出力の増大,アンテナの特性の改善などによってその損失を補償することを検討している.今回はアンテナの特性改善に向けて,中継車の形状を考慮した大規模なアンテナ解析を行うことで,中継車に搭載する際の最適なアンテナ位置,アンテナの放射特性,およびアンテナから送信される電波の人体への影響を明らかにする.

会社名 : NEC東芝スペースシステム株式会社
申請課題名 大規模アレイアンテナの電磁界解析へのGPUクラスター応用
利用課題概要

高利得、大口径のRLSA(ラジアルラインスロットアンテナ)では、解析対象となる素子数が数万素子に及び、それらを実機に相当するフルモデルで解析するには数億メッシュの解析が必要となる。アンテナの性能の改善、機能の高度化のためには、実験と合わせて解析による最適化が必要となるが、その場合、CPU単体で解析することは困難であり、GPUクラスターシステムの応用が必要である。 本課題では、商用電磁界解析プログラムCST STUDIO SUITEを解析エンジンとして用い最大20億メッシュに及ぶ超大規模モデルについて解析を行い、実験結果との検証含めその有効性を検証する。特に20 億メッシュを超える微細なメッシュによる解析精度の向上と投入できる計算機リソースのバランスを考慮して、効率的な解析手法について検討を行う。

会社名 : 日本航空電子工業株式会社
申請課題名 超大規模三次元高周波電磁界シミュレータを用いた民生電子機器から発せられる不要電磁波問題の研究
利用課題概要

電子機器の不要電磁波ノイズ問題を考える際、放射源となるプリント基板のみの解析や、筺体、ケーブルの個別要素のみの解析では、対策や現象の把握が難しい。 この原因はプリント基板や機器の筺体、外部ケーブルとの相互作用よっても、不要電磁波ノイズが発生するためである。 したがって、実際の電子機器の放射ノイズ問題を扱う場合は、プリント基板、筺体、ケーブルをすべて含めた状態での大規模な解析が必要となる。 さらにプリント基板のミクロンオーダーの微細な構造から、長さ数メートルの配線をモデル化しなければならないため、計算規模は非常に大きく、簡単に数億要素の規模となり、デスクトップPCレベルでの計算が困難となる。 そこでTSUBAME上で動作するCST STUDIO SUITEにて、これらを一括して計算し、プリント基板や筺体、ケーブルの相互作用による不要電磁波ノイズのメカニズムを研究すると共に、有効な対策を検討する。

会社名 : 東芝テック株式会社
申請課題名 静電気シミュレーションにおけるモデルの簡略化に関する一考察
利用課題概要

電子機器の製品開発では、電磁界解析を利用してEMC(Electro Magnetic Compatibility)に関する問題に取り組んできている。通常、大規模なモデルを扱う場合には、計算を実行するハードウェアに合わせて、計算可能な規模に解析モデルを簡略化していく必要がある。しかしながら、簡略化しすぎてしまうと問題となる現象を正確にシミュレータ上で再現できなくなってしまうこともある。解析しようとする問題に対して、原因が推測できる場合には、経験によって適切な簡略化が可能であるが、製品開発における試作評価(実機試験)段階で起こる問題の場合には、原因究明に多くの時間を要することもある。このような場合には、簡略化を最小限に抑えた大規模なモデルを高速に計算する必要がある。 近年、CPUクラスターやGPUにより計算機資源が格段に上がってきているため、大規模なモデルを高速に計算できるようになった。本利用課題では、原因究明に時間を要する問題の例として静電気試験を挙げ、現象を理解するとともに簡略化の知見を得ることを目的とする。

会社名 : 株式会社豊田自動織機
申請課題名 企業の材料開発における計算化学の活用促進
利用課題概要

EV、PHVなどの次世代自動車向け構成要素においては、電子化・電動化によって、機械的特性だけでなく電気・化学的特性といった機能を持つ材料の開発が必要である。また、このような材料の開発においては希土類元素、いわゆるレアアースの使用量低減がコスト・調達リスクの観点から大きな課題である。これらの課題を解決するためには、実験や分析で得られるマクロ挙動や中間情報だけでなく、分子の挙動そのものを知ることが重要である。この挙動を第一原理に基づき詳細に計算するためには、大型の計算機が必要である。しかし、スパコンのような大型計算機を、一企業が購入・維持することは、費用および運用体制の面で現実的でない。そこで本トライアルユースにおいては、材料開発における計算化学の企業内での活用促進を目的として、材料開発のためTSUBAME上で量子化学計算を実用的に行う上でのモデル規模や環境の検討を行い、有用性を検証する。さらに、研究開発における計算化学のプロセス確立を目指す。計算にはバンド計算法や分子軌道法に基づく既存プログラムを用いる。また一連の試用を通じて、TSUBAMEのようなスパコンの利用、および外部のインフラ環境を使用する知見も獲得する。

会社名 : サイバネットシステム株式会社
申請課題名 3次元ナノアーキテクチャの各種光デバイスへの応用の為の光学的解析
利用課題概要

ナノ構造を利用した光学デバイス(太陽電池やLED等)の光学的特性を解析する。解析においては、材料や構造で今迄と異なる物理的振る舞いが予測され、実際の振る舞いを制約条件の少ない状態で計算する事が望まれ、忠実な物理現象の再現が重要なポイントとなる。このため条件に最も合ったRSoft(FullWAVE)FDTD法(有限差分時間領域法)を使用する。これらの構造の光学的特性を解析する事で、より効率の良いデバイスの検討および設計が可能になる。しかし、ナノ構造では干渉の効果を厳密に計算する必要があり、計算の分解能を構造または光源波長の1/10以下に設定する為、100μm角の小さな領域でも計算規模が大きく、計算時間が膨大となり単体の計算機や数台規模のクラスター計算機では解析が困難である。また、(エネルギー損失の少ない)理想的な設計には、ナノ構造と材質との膨大な組合せを考慮した解析が必須となり、規模を限定した2~6並列程度の小規模クラスター計算でも、数日~数週間の時間が必要となっていた。この為、大規模計算における分解能に起因するメモリ量増大に伴う分散計算の効率などの特性の把握、大規模計算を行ったときの結果の評価を行う。

会社名 : 株式会社 豊田中央研究所
申請課題名 自動車搭載ミリ波レーダの超大規模電磁界シミュレーション
利用課題概要

77GHzという高い周波数を使うミリ波レーダは、反射波のドップラー効果により、対象物の相対位置・速度を高精度に測定します。これまで、自動車の衝突時の安全性能は、エアバック、アンチロックブレーキシステム、衝撃吸収ボディ等の技術普及により大幅な向上を果たしてきました。今後、歩行者、自動車、障害物との衝突回避による、更なる安全性向上を実現するキーテクノロジの一つとしてとして、ミリ波レーダの車載普及が期待されています。本トライアルユースではスパコンTSUBAMEにて、車に搭載されたミリ波レーダの障害物検知のシミュレーションを、20億メッシュ程度の精緻な超大規模モデルにて試みるとともに、車体構造物からの多重反射の影響についても、シミュレーションにて解析を試みるものといたします。

会社名 : 株式会社アキュセラ
申請課題名 超大規模三次元高周波電磁界シミュレータを用いた医用アームロボットのEMC特性解析
利用課題概要

医療現場で使用される医用機器の誤動作は人命にかかわる為、周囲の電磁環境の影響を受けず常に正常な動作をする高度なEMC性能が要求される。 多軸アームロボットは、当社で開発中の癌治療用高精度ロボット型動体追跡Ⅹ線システムの重要な構成要素機器である。この多軸アームロボットは製造現場での使用が想定された産業用のものであり、医療現場での使用については医療機器に関する国際的なEMC規格に適合する必要がある。 これを達成するためには、形状が動作によって変わるアームに装着された複数のサーボシステムのEMC特性を三次元電磁界解析技術で解析し、多軸アームロボットのEMC特性を把握したうえで、適切な接地回路やサーボ回路の実装を実現することが急務である。 本課題では、マニピュレータ、コントローラ、ケーブルに至る実際の多軸アームロボットシステムに近いモデリングを行い、サーボドライバを励振して伝導エミッションと放射エミッションを電磁界解析する。また、システム内外の電磁界分布を可視化することでEMC特性の現象の理解を深める。

平成23年度 利用課題概要

会社名 : 株式会社イマジオム
申請課題名 PCクラスタミドルウェア「HarmonyCalc」の、TSUBAMEでの動作実証実験
利用課題概要

本課題では、自社開発のWindowsベースPCクラスタミドルウェア「HarmonyCalc」の動作実証を行う。HarmonyCalcは、並列処理の実現に必要な通信機能、マルチスレッド機能、ノード管理機能、データ管理機能、スケジューリング機能を持つ、DLL形式の並列処理ミドルウェアである。その設計にあたっては、アプリケーションの開発・保守・配布しやすさを特に重視した。そのためHarmonyCalcアプリケーションは次のような性質を持ち、商用にも供しやすいという特徴がある。
・開発しやすい……使い慣れた開発ツール・開発言語で能率よくプログラミングができる。
・保守しやすい……並列化に伴うソースコードの変更が少なく、可読性が失われにくい。
・配布しやすい……単独のパソコンとPCクラスタを区別せず、スケーラブルに動作する。
TSUBAMEでのHarmonyCalcの動作を実証することで、HarmonyCalcアプリケーションにハイエンドの動作環境を提供し、きわめて大規模な計算処理を必要とするHarmonyCalcユーザに対して具体的な解決策を用意することができる。

会社名 : 住友電気工業株式会社
申請課題名 個別要素法を用いた粉末充填シミュレーションプログラムの並列化とその評価
利用課題概要

原料に粉末を用い、これを添加物と混合、成形して最後に焼結することで製造される粉末冶金製品は、各種の機械装置に部品として組み込まれており、現代の我々の生活において必要不可欠である。粉末を金型に充填する給粉工程におけるプロセス技術が製品の性能に大きく影響するが、これまで暗黙知に依存する部分が大きかった。新たな製品開発やさらなる生産性向上を図るにはシミュレーション技術の開発が重要な課題である。そこで、有力なシミュレーション手法として、お互いに相互作用する個々の粒子の運動をコンピュータ上で逐次追跡する個別要素法によるプロセス設計が検討されている。個別要素法では粒子の挙動をニュートンの運動方程式を数値積分することで求めるが、その時間刻みは非常に短いために、膨大な計算時間を要する。また、シミュレーションモデルを現実に近づけるためには扱う粒子数を増やす必要があるので、さらに膨大な計算時間が必然となる。本利用課題では大規模並列化およびGPUコンピューティング技術を駆使して、実プロセス規模の解析の可能性を明らかにすることを目標とする。

会社名 : 清水建設株式会社
申請課題名 建築物の室内外環境の連成解析とその高速化技術の開発
利用課題概要

建築物の快適な室内環境の創出及び居住性の向上の他、その建築物の運用による環境への負荷を最小限に抑えるために、屋外の自然環境の活用及びその環境の変化に応じる室内設備の制御による室内外環境の連成解析の実施が必要となる。その連成解析は非常に大規模となり、通常の計算機で実施することは困難であるため、大規模計算クラスタや高速な計算方法の確立が必要となる。本件利用申請は、TSUBAME2.0クラスタの計算資源を利用することで、建築物の室内外環境の解析モデル及び連成解析システムを構築し、超並列CPU及びGPUによる数値解法を開発するとともに、大規模計算による建築物の室内外環境の評価を可能にする。

会社名 : 株式会社リコー
申請課題名 移流/抵抗/放電を考慮した3次元電界計算の電子写真設計への適用
利用課題概要

電子写真装置内でのトナー挙動を3次元で高精度に計算し、設計開発上の課題に貢献することが大目的である.まず、ローラや中抵抗部材が形成する電場内でのトナー挙動解析シミュレーションを行うために、移流/放電/抵抗を考慮した一般化座標上での3次元電界計算手法の新規開発を行う.トナー粒子は4~10μmであり、それよりも小さな計算メッシュを用いて、トナーが移動する領域(数mm×数mm×数100μm)の計算を行う必要があるため大規模計算となるが、TSUBAMEによる並列化計算で実現可能が期待される.平成22年度、TSUBAME1.2および2.0利用にて、3次元化およびOpenMPによる並列化を実施し、実現可能性を確認した。本年度、更にMPI並列化を行うことで実現可能が期待される。また確立したシミュレーション技術を用いて、電子写真装置の設計上の課題に適用することで、試作台数低減、開発期間短縮となり、もの作りの革新につながり、日本のもの作りの基盤を支えるものと期待される.

会社名 : 株式会社テンキューブ研究所
申請課題名 GaussianとGAMESSの実行を支援するGUIソフトの開発
利用課題概要

WindowsPCで動作する分子科学計算用GUIのWinmostarはアカデミックフリーで公開されており、その使い易さから、教育研修用として広く利用されている。商用版は、企業の研究開発用途としても充分な機能を有するので、数多くの導入実績がある。平成23年度の課題では、Winmostarから計算サーバーへのジョブサブミット機能を改良し、汎用的な機能を開発することで、PC から スパコンまでシームレスな利用方法を提案することができた。昨年度の課題は、Windowsアプリとしての機能開発であったが、これとは別に、Webブラウザだけで利用できるWeb版Winmostar(Webmostar)を(株)アンクルと共同開発している。今年度は、WebmostarからのTSUBAME利用方法を中心に開発する。さらに、実際のユーザーからの意見を取り入れてWinmostarのジョブサブミット機能の改良(Webmostarとの連携を含む)も行なう。

会社名 : 日本ゼオン株式会社総合開発センター
申請課題名 メソ構造を持つ高分子材料のマルチスケール・シミュレーション
利用課題概要

産学連携プロジェクトで開発された ソフトマテリアルに対する統合的なシミュレータであるOCTAシステムを用いて、ナノ構造を有する高分子材料の物性発現機構の解明を行なう。既存のOCTAシステム(http://octa.jp)では、十分な並列化がなされておらず大規模系のシミュレーションができない。本利用課題では、高分子の高精度・大規模・高速な動的平均場法の並列化コードの開発を行う。開発したコードを用いて高分子のミクロ相分離構造を発生させ、それを初期構造とした粗視化分子動力学計算を行い、高分子材料の相分離構造と物性発現のメカニズムを解明し、より高性能な高分子材料の開発を数値シミュレーションにより行うことを目標とする。

会社名 : 株式会社豊田中央研究所
申請課題名 Li-グラファイト層間化合物のステージ構造変化に関するハイブリッド量子古典シミュレーション
利用課題概要

Li-グラファイト層間化合物に対して、挿入Li とその周辺グラファイト原子とを電子状態計算(=量子)領域とし他の炭素原子は経験的原子間相互作用モデルを用いる古典領域とするハイブリッド量子古典シミュレーション法を適用し、Liの移動に従って量子領域を再選択することでグラファイト中のLi拡散過程を計算する。電子状態計算には実空間差分型の密度汎関数法を適用し大規模並列計算を可能とする。実験データから、Li-グラファイト層間化合物は、挿入Li量によって様々なステージ構造を形成することが知られている。本利用課題では、単一ステージ構造でのLi拡散に加えて、ステージ構造に依存したLi間相互作用の特性と、そのステージ構造の変化(相変化)に及ぼす影響についても調べる。

会社名 : 太陽誘電株式会社
申請課題名 強誘電体電子材料の電子物性発現に関わるナノレベル構造設計シミュレーション
利用課題概要

酸化物強誘電体は電子デバイス産業用途の基本材料として広く用いられているが、ごくわずかな欠陥や不純物に起因する材料内部のナノレベルの構造変化によってその電子物性を大きく変化させる事が知られている。本利用課題では、実験のみのアプローチでは理解が困難な強誘電体酸化物のナノスケールの構造変化(欠陥、不純物、及びそれらのマイグレーションや欠陥クラスリングなど)、並びに粒界や表面で起こる現象に焦点をあて、ナノレベルでの構造変化が生じるメカニズムと電子物性(電子状態)との関係を明らかにし、計算科学による欠陥構造設計ならびに界面構造制御設計技術の確立を目指す。

会社名 : 出光興産株式会社先進技術研究所
申請課題名 量子化学計算を活用した企業研究の効率化
利用課題概要

企業研究に計算化学を適用することで研究活動が促進されることを確認する。更に、大型計算機でなければ現実的でない実際の系に近い化学反応、精度を上げた物質の特性の推算を量子化学計算で行い、実験結果と対比する。計算化学の結果を研究開発に活用することを実証する。具体的にはGAUSSIAN2009、GAMESSなどを用いて反応を推算し、化合物の物性を推算する。計算対象は溶媒効果を考慮した合成反応(用語1)における遷移状態を求め実験と対比する。また物性においては数10種の化合物のイオン化ポテンシャル、電子親和力、吸収波長、吸光度、燐光波長、蛍光波長を推算し、実験との相関を明確にする。尚、本検討は新化学技術企業推進協会(注釈1)の先端化学・材料技術部会 コンピュータケミストリ分科会:次世代CC ワーキンググループに参画する約40社及び大学関係者が共同で将来の計算化学のあり方を考える上で、共同利用スパコンの活用方法を修得し、有効性を把握することも目的としている。

会社名 : TOTO株式会社 技術開発センター
申請課題名 衛生陶器設計のための並列GPGPU気液二相流シミュレーション
利用課題概要

TOTOでは2017年環境ビジョン「TOTO GREEN CHALLENGE」を掲げ、全商品にわたる節水化およびそれに伴うCO2削減を強力に推進している。トイレ等の衛生陶器では、「GREENMAX4.8」と銘打ち、「少ない水でもしっかり流す。」をコンセプトに商品を展開している。衛生陶器節水化の技術課題の一つとして、陶器表面に付着汚れを残さず洗い流すための効率的な流し方の確立が挙げられる。流体解析を用いることにより試作を繰り返すことなく様々な陶器形状や給水方法を事前検討できるが、陶器表面の薄膜の流れは気液二相流体解析では非常に細かいメッシュ分割および高精度な気液界面追跡計算手法が必要である。当社では保存型CIP法を核とした固気液三相流体解析ソフトを自社開発しており、近年ではMPI並列計算技術とGPGPU技術を実装することで大容量化と高精度化を図っている。今回、並列GPGPU技術を核とした「グリーンスパコン」TSUBAME2.0を用い、大規模メッシュにおけるスケーラビリティおよび実際の薄膜流れの再現性を検証する。

会社名 : 株式会社 構造計画研究所 防災ソリューション部
申請課題名 大規模地震における強震動評価と屋内収容物の被害評価
利用課題概要

3月に発生した東北地方太平洋沖地震では、かつて無い程の非常に広い範囲で甚大な被害が発生した。今後、発生確率が高いと言われている東海・東南海・南海地震が起こった場合も同様に、都市部を含めた広い範囲で被害が発生すると予測されている。このような被害を軽減するためには、事前に、地震による揺れや被害を予測し、対策を立てておくことが重要である。 本課題では、地震による揺れを理論的に評価するプログラムと、屋内にある機器や商品等の地震時の挙動を評価し、屋内被害を予測するプログラムをTSUBAMEに移植し、計算時間やメモリの制限から、従来では困難だった計算を実行できる環境の整備を行なう。 地震による揺れの評価としては、東海・東南海・南海地震を対象に、地震波の波動伝播を理論的に計算することで、地震の強さがどのくらいになるのかを面的に評価する。屋内被害の予測については、数多くの商品を積み上げて格納している倉庫を対象に、地震の揺れにより積荷が崩れたりして、屋内の状況がどのようになるのかシミュレーションを行なう。

会社名 : 株式会社構造計画研究所 社会インフラシステム部
申請課題名 大規模三次元電磁界シミュレーションのトンネルモデルへの適用
利用課題概要

近年、自動車や鉄道などの交通分野においては、トンネル内での通信利用が盛んに行われており、トンネル内での電磁波の振る舞いを事前にシミュレーションすることが必要となってきている。これまで1億メッシュを超えるような大規模なモデルのシミュレーションでは処理時間的に限界のあった電磁界解析プログラムは、近年のGPUクラスタによるマルチスレッド処理が可能な計算機リソース環境で、トンネルのような大規模問題でも計算が可能となった。そこで本課題では、FDTD法による市販の電磁界解析プログラムXFdtdを用いて、大規模なトンネルモデルの数値シミュレーションを実施し結果の評価を行うことで、トンネル内での電磁波シミュレーションの有効性を検証する。また、大規模モデルのシミュレーションにおけるGPU並列処理による計算速度向上のため、メッシュ数等の計算条件に対して高度なスケーリング性を実現する方法とその高速化効果を検証する。

会社名 : 日産自動車株式会社
申請課題名 排ガス浄化触媒材料開発における第一原理シミュレーション
利用課題概要

密度汎関数法を用いて、新規排ガス浄化触媒開発のため検討を行う。
触媒の分野ではナノ化による電子状態の変化が、触媒反応に影響を及ぼしていると考えられており、本研究ではナノ化による触媒金属の電子状態の変化や、基材と触媒成分との界面の部分の電子のやり取りの反応への影響を明確にし、触媒材料の開発を行うことを目的とする。

会社名 : 株式会社コベルコ科研
申請課題名 酸化物分散強化鋼の密度汎関数理論による界面エネルギー計算
利用課題概要

耐高温と耐クリープ強度に優れる酸化物分散強化型鋼は、数nm以下の酸化物粒子がフェライト中に分散している特長を示す一方で、その酸化物析出過程は未知の部分が多い。今回は金属/金属酸化物界面エネルギーを見積もり、この析出過程について知見を得ることを目的とした。本課題ではフェライト鋼と代表的酸化物(Y2O3, Al2O3, TiO2)の接合界面について調査する。

会社名 : 日本工営株式会社
申請課題名 アジアモンスーン地域の津波・高潮メガリスクに関する防災シミュレーション
利用課題概要

本利用課題では、三次元VOF法解析コード等を用いて、日本及びアジアモンスーン地域における津波・高潮・洪水における氾濫浸水挙動の解析を行うと共に、詳細の地形条件による浸水予測区域図の作成を行う。従来の浸水予想区域図は、数十m~数百mの直交格子により平面二次元解析により行われてきたが、本課題では、建物の詳細の条件および流体力を正確に評価することを目的として三次元解析により氾濫挙動を解析評価する。

会社名 : アドバンスソフト株式会社
申請課題名 リチウムイオン二次電池正極の材料設計
利用課題概要

リチウムイオン二次電池正極の電極電位を、密度汎関数理論(Density Functional Theory, DFT)に基づく第一原理擬ポテンシャルバンド計算により評価する。遷移金属の局在軌道での電子間相互作用を考慮するためにDFT+U法を採用し、定量的な比較を試みる。さらに、電極電位のパラメーターU依存性や原子配置最適化の影響を調べる。

会社名 : 新日本製鐵(株)
申請課題名 鋼材強化に資する微細析出物成長の計算機シミュレーション
利用課題概要

鋼材の強度設計に影響を及ぼす微細析出物の成長機構解明のためのシミュレーションを実施する。具体的には、NaCl型析出物について、クラスタ状態、整合析出物、部分整合析出物の安定性を第一原理計算によって見積り、従来計算では未着手であった析出物の成長過程を調べる。

 

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